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結論から書くと、うちはお風呂にスマホを持ち込むのをやめて、防水ケースは「持ち込むと決めた日だけ使う道具」に格下げしました。毎日使うために買ったのに、実際に出番があるのは月に2、3回です。
きっかけは、子どもの沐浴です。生後2ヶ月くらいのころ、風呂場で撮った1枚がやたらよく撮れて、それ以来「風呂にスマホ」が習慣になりかけました。ただ、湯船のふちに置いたスマホを見るたびに落ち着かない。それで750円のケースを買ったのですが、使ってみると考えていたことの半分は勘違いでした。
iPhoneが防水なら、そのまま持ち込んでいいのか
最初に引っかかったのがここです。うちのiPhoneもAndroidも、仕様としては防水・防塵の等級が付いています。それなら裸で持ち込めるんじゃないか、と。
調べてみると、そう単純ではありませんでした。Appleの公式の案内では、液体による損傷は保証の対象外だとはっきり書かれています。加えて、石けん水や洗剤、サウナや浴室のような高温多湿の環境は避けるように案内されている。つまり「水に落としても壊れないと想定した設計ではあるが、風呂で使う前提の設計ではない」ということです。
もう1つ、動作環境温度の話があります。iPhoneの仕様では動作時の環境温度は0〜35度とされています。湯船に浸かっているときの浴室は、湯温と湿気でこれを超えることがある。冬に追い焚きしながら長風呂した日に、画面に温度の警告が出たことが1回あります。防水かどうか以前に、そもそも風呂は電子機器にとって過酷な場所でした。
それと、防水性能は経年で落ちるとされています。ゴムパッキンやシールは劣化するし、一度落として本体が歪めばそこから水が入る。買った直後と2年後で同じ性能だと思わないほうがいい、というのが調べていて一番腑に落ちた部分でした。
IPX8と書いてあれば安心、ではなかった
防水ケースを探すと、ほとんどの商品に「IPX8」と書いてあります。これが何を意味するのか、買う前に一度整理しました。
IPX7が「水深1メートルに30分沈めても内部に有害な影響がない」ことを示すのに対して、IPX8はそれより厳しい条件、ただし具体的な水深と時間はメーカーが定めるという決まりになっています。だからIPX8同士でも中身が同じとは限らない。水深2メートル30分の製品と、水深10メートル1時間の製品が、同じ表記で並んでいることになります。
さらに、この試験は基本的に真水を想定しています。入浴剤の入ったお湯、石けんの泡、海水、プールの塩素水は、どれも試験の条件とは違う。ケース自体が壊れなくても、シール部分に石けんが挟まって閉じきらない、という事故のほうが現実的だと思います。
あとは、使い方の問題も大きい。私が読んだ範囲では、水没トラブルの多くは製品の不良ではなく、チャックやロックを閉め切っていなかったという単純な理由でした。ここは自分でも気をつけている部分です。
750円のケースを買って、風呂で1ヶ月使った
買ったのは、タッチ操作ができるタイプの袋型のケースです。全機種対応をうたっていて、価格は750円でした。ネックストラップが付いていて、首から下げられます。
いい点から書くと、タッチ操作は思ったよりちゃんと効きます。フィルム越しなので指の感触は鈍いのですが、動画の再生・停止、音量調整、スクロールは普通にできる。子どもを湯船に入れながら片手で音楽を止める、くらいの用途なら不便はありませんでした。
不満点も明確です。まず顔認証がほぼ通りません。フィルムに水滴や曇りがあると認識してくれないので、結局パスコードを手打ちすることになります。濡れた手で6桁を入力するのは、地味にストレスでした。
次に、写真は撮れるけれど画質は落ちます。ケースの窓越しに撮ることになるので、湯気の日は白っぽくかぶる。せっかく防水にしたのに、いちばんやりたかった「風呂での撮影」の仕上がりが一段落ちるという、順番の逆転が起きました。今は撮りたい日だけケースの窓を布で拭いてから撮っています。
3つめ、厚みのあるケースを付けたままだと入りません。うちのAndroidは手帳型ケースを使っているので、いちいち外す必要がある。この「外して入れて、出して戻す」がとにかく面倒で、習慣にならなかった一番の理由がこれです。
買う前に一度、水だけ入れて沈めた
これは自分でやってよかったと思っていることです。スマホを入れる前に、ティッシュを丸めて入れて、洗面器の水に5分沈めました。開けてみてティッシュが乾いていれば、少なくともその個体は閉まっている、という確認になります。
750円の製品なので、個体差はある前提でいます。実際、2枚入りで買った片方は、チャックの端がわずかに噛み合いにくい感触がありました。そちらは使っていません。試すのはスマホより先、という順番だけは守ったほうがいいと思います。
それと、使ったあとは真水でゆすいで、開けたまま乾かすようにしています。閉じたまま置いておくと中に湿気が残る。石けんが付いたままだと固着して、次に開けるときにフィルムを傷めます。ここは面倒ですが省略しないほうがいい部分でした。
水辺で使うのはやめた
買った当初は、夏に川や海に持っていくつもりでした。今は使っていません。
理由は2つあります。1つは砂です。チャック部分に砂粒が1つ噛んだだけで密閉は成立しません。海辺では砂を完全に避けるのが難しいので、そこに750円の製品を信じて本体を預ける気になれませんでした。もう1つは流れる水です。落としたときに、風呂なら手が届く。川なら届かないことがあります。ケースが浮くかどうかは製品によって違うので、そこも確認が要ります。
代わりに、水辺では古いスマホか、そもそも持っていかないという運用にしました。撮影したいなら防水のアクションカメラを別で持つほうが理にかなっている、というのが今のところの結論です。
結局、風呂ではどうしているか
今は脱衣所の棚にスマホを置いて、浴室には持ち込まないのが基本です。音楽を聴きたいときは脱衣所から流しています。ドア1枚隔てても、思っていたより普通に聞こえます。
ケースを使うのは、子どもの写真を撮ると決めた日と、長風呂しながら動画を見たい日だけ。月に2、3回です。750円の買い物としては元は取れていると思っていますが、「毎日風呂でスマホを使う生活」を買ったつもりだったのに、実際に手に入ったのは「たまに安心して持ち込める権利」だった、という感想が正直なところです。
あと、これは失敗として書いておきます。最初に100円ショップのジッパー袋で代用しようとして、1週間でやめました。タッチが効かないわけではないのですが、袋がぺらぺらで密閉の判断がつかない。何より、袋越しの画面が波打って見えて、動画を見る気になれませんでした。数百円をケチる場所ではなかったです。
最後に
防水ケースを買うかどうかで迷っているなら、先に決めるべきはどこで何をするかだと思います。風呂で動画を見たいのか、写真を撮りたいのか、水辺に持っていきたいのか。用途が違えば必要な性能も値段も変わります。
うちのように「風呂で子どもの写真を撮りたい」程度なら、750円のケースで足ります。ただし顔認証は通らないし、画質は落ちるし、厚いケースは外すことになる。そのうえで月に数回使えれば十分、と割り切れるかどうか。私はそこを勘違いしていて、毎日使う前提で買いました。
あと1つだけ。本体が防水だからケースは要らない、という考え方は捨てたほうがいいと思っています。等級はあくまで真水を前提にした試験の結果で、風呂は真水ではないし、性能は年数とともに落ちる。壊れたときに保証で直らないことを考えると、750円のほうがずっと安い保険でした。
この記事はスマホ小物の個別レビューです。何を見直したかの全体はスマホまわりの小物を見直した|落として学んだにまとめています。

