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賃貸なので、壁にも天井にもネジを打てません。家具の転倒防止でいちばん確実とされているのはL字金具の固定ですが、うちはその選択肢が最初から消えている。それで、突っ張り棒とストッパーとマットを組み合わせる形に落ち着きました。ここで先に書いておくと、この方法で地震のときに家具が倒れないと言い切ることは私にはできません。あくまで、何もしない状態よりはマシにする、という話として読んでください。子どもが生後6ヶ月で、床で過ごす時間が増えてきたのが着手のきっかけでした。
賃貸で使える手段と、諦めた手段
まず整理から入りました。家具の固定方法として一般に紹介されているのは、壁にネジ留めするL字金具、天井との間に立てる突っ張り棒、家具の下の前側に噛ませるストッパー、家具の底や上面に貼る粘着マット、ベルトで壁につなぐタイプ、あたりです。
このうちL字金具とベルトは、どちらも壁にネジを打つ前提なので使えません。原状回復の話になると面倒なので、最初から検討から外しました。残ったのが突っ張り棒、ストッパー、粘着マットの3つ。この3つはどれも壁を傷つけずに済みます。
で、いろいろ読んでいて分かったのは、突っ張り棒だけで済ませるのは推奨されていないことが多いということでした。突っ張り棒は上を押さえるもので、家具の下がずれて前に滑り出す動きには弱い。ストッパーやマットで足元を止めて、上を突っ張り棒で押さえる、という組み合わせで紹介されているのをよく見ます。うちもその形にしました。
買う前に測ったのは、家具の上から天井までの隙間
突っ張り棒はサイズ展開があるので、先に採寸が要ります。うちで測ったのは3箇所でした。
リビングの食器棚が高さ178cm、天井が238cmなので隙間は60cm。寝室のクローゼット代わりに使っている木製ラックが高さ150cmで、隙間88cm。もうひとつ、玄関脇のシューズラックが高さ120cmで、こちらは隙間118cm。同じ家の中でも隙間がまったく違うので、1種類買えば済むという話ではありませんでした。
それと、天井までの寸法は必ず家具のすぐ上で測ったほうがいいです。うちのリビングは天井に照明の埋め込みがあって、部屋の中央と壁際で1cm以上違いました。伸縮棒は調整幅の真ん中あたりで使うのが安定するので、端ぎりぎりの寸法になるサイズは避けています。
アイリスオーヤマの伸縮棒を2本買った
買ったのはアイリスオーヤマの家具転倒防止伸縮棒です。2本セットで約1,740円。工具が要らず、回して伸ばして押し当てるだけの構造です。
設置そのものは1本5分もかかりませんでした。家具の上に乗せて、上端が天井に軽く触れるところまで伸ばし、そこからさらに回し込んで圧をかける。ネジ式なので力の入れ具合が手に伝わります。妻に家具を押さえてもらいながら2本立てました。
性能については、パッケージや商品ページに耐圧の数値が書かれています。ただ、これはあくまでメーカーの表示ではという話で、うちで試験したわけではありません。実際の地震で家具が動くかどうかは、家具の重さ、中身、床の材質、揺れ方で変わるはずなので、数値をそのまま自宅の安全性として読み替えるのは違うと思っています。
設置してすぐ気づいた問題
1本目を立てたあと、天井を手で押してみて少し不安になりました。うちの天井はクロス仕上げの石膏ボードで、押すとわずかにたわむ場所があるんですよね。突っ張り棒は天井側の強度に依存するので、たわむ場所に立てると力が逃げます。
それで、天井を軽く叩いて音が変わる位置を探しました。詰まった音がするところが下地のあるライン。その真下に来るように、家具の上での棒の位置を10cmほどずらしています。ただ、これも叩いた音での判断なので、確実に下地を捉えているという保証はありません。心配な人は下地探しの道具を使ったほうがいいと思います。
もうひとつ、棒は家具の奥側、壁に近いところに立てるのが基本とされています。手前に立てると、家具が前に傾こうとしたときに支点から遠くなる。最初は真ん中あたりに置いていたので、奥に寄せ直しました。2本使うなら左右の奥角に1本ずつ、が説明書にも書いてある形です。
失敗したのはサイズ選びとシューズラック
失敗が2つあります。1つは、玄関のシューズラックの隙間118cmに対して、伸縮幅の上限が近いサイズを選んでしまったことです。ほぼ最大まで伸ばした状態になって、棒が細くなっている部分が長くなる。見るからに不安定でした。ここは結局、突っ張り棒をやめました。
代わりにやったのが、ラックの中身の入れ替えです。上段に置いていた靴の防臭スプレーやブラシ類を下段に移して、上段は空にしました。重心が下がれば、そもそも倒れにくくなる。道具を足すより、これがいちばん手っ取り早かったです。
もう1つの失敗は、粘着マットを家具の底の四隅に貼ったこと。転倒防止用のゲル状のマットです。貼ったあとで家具を数センチ動かしたくなったとき、まったく動かせなくなりました。掃除のたびに困る。今は前側の2箇所だけに減らして、後ろ側はフェルトのままにしています。前が滑り出さなければいいので、これで足りると判断しました。
結局いくらかかって、どこまでやったか
伸縮棒が2本セットで1,740円、食器棚用のストッパーが1,200円ほど、粘着マットが800円ほど。合計で4,000円弱でした。対象は食器棚と寝室のラックの2つだけです。
それ以外の家具は、そもそも固定を諦めて置き方を変えました。テレビ台とローテーブルは高さが50cm未満なので、倒れても子どもの上に乗る形にはなりにくい。逆に、寝室で寝ている真横にあったカラーボックスは、部屋の反対側に移動させました。寝ている場所の周りに背の高いものを置かない、が固定より先だと思っています。
ストッパーについても少し書いておきます。食器棚の前脚の下に噛ませて、家具をわずかに後ろへ傾ける形にするものです。うちのは厚みが違う板を組み合わせて角度を調整するタイプで、脚の下に差し込むのに家具を少し持ち上げる必要がありました。1人では無理で、妻に手伝ってもらって10分ほど。上を突っ張り棒で押さえる前に、こちらを先に入れる順番でないと入りません。作業の順序を間違えて、一度突っ張り棒を外して入れ直しています。
あと、食器棚の中は上段から重い皿を下ろしました。扉が開いて中身が飛び出すほうが現実的に怖いので、扉には別途ラッチを付ける予定です。これは子どもがつかまり立ちを始めてからでいいかなと、まだ手をつけていません。
やってみて思ったこと
2時間ほどの作業で、家の中の背の高い家具に一応の手当てはできました。ただ、正直に言うと、突っ張り棒を立てたあとのほうが不安は増えています。数値も条件も分からないまま「対策済み」と思い込むほうが危ういので。
今の私の理解は、賃貸でできるのは倒れる確率を下げることと、倒れたときに人がいない場所に配置しておくこと、その2つまで。固定の効果を過信せず、子どもが長く過ごす場所には背の高い家具を置かないという運用のほうを重く見ています。
棒は半年に1回、緩みがないか手で確認するつもりです。設置から2ヶ月の時点で1本は少し緩んでいて、回し直しました。押し当てているだけの構造なので、季節や湿度で寸法が動くのは当然なんですよね。付けて終わりにしないのが、たぶんいちばん大事です。
この記事は家具の個別レビューです。1年で何をどう入れ替えたかは家具を1つずつ替えた|1年でこうなったにまとめています。

