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夜中に子どもが泣き出したとき、私が最初に気にしたのは床でした。実際には的外れで、泣き声が外に出ていく主な経路は窓です。壁と床は一応コンクリートですが、窓だけはガラス1枚とサッシのすき間しかありません。
うちは賃貸マンションの2階、生後6ヶ月の子がいます。夜泣きのピークはこれからだと言われていて、今も夜中に1回か2回は泣きます。マンションの外廊下に面した窓の下を人が通るので、そこは気になっていました。カーテンでどこまでできるのか、実際にやってみた記録です。
まず、どこから漏れているのかを確かめた
対策を買う前に、うちの家の音がどこから出ているのかを確かめました。方法は単純で、妻がスマホで子どもの泣き声を録音したものを室内で再生して、私が外に出て聞く。玄関側の外廊下、ベランダ側、それぞれで聞き比べました。
結果ははっきりしていました。窓の前が突出して大きい。玄関ドアの前でも聞こえますが、窓の真下と比べると差があります。壁の前ではほとんど分かりませんでした。
もう一つ分かったのが、窓を閉めているかどうかで別世界だということです。5cm開けているだけで、閉めた状態の何倍も聞こえる。当たり前の話ではあるんですが、実際に外で聞くと納得の仕方が違いました。夏場に窓を開けて寝ていた日があったので、あれは近所に届いていたはずです。
それと、うちのリビングには壁の上のほうに給気口があります。ここに耳を近づけると、室内の音がそのまま聞こえました。換気の穴は音の穴でもある。この時点で、カーテンだけでは解決しない部分があると分かりました。
カーテンで何ができて、何ができないのか
カーテンを買う前に、原理のところを確認しました。ここを誤解していると、期待した効果が出なくてがっかりすることになります。
泣き声のような空気を伝わる音は、重いもので遮るか、柔らかいもので吸うかのどちらかで減らします。防音カーテンと呼ばれている製品は、生地を厚く重くして、その両方を少しずつやっているものが多いようです。ガラス自体を替えるわけではないので、窓の性能そのものが上がるわけではありません。
それと、遮光と防音は別の話です。うちは以前から遮光1級のカーテンを使っていましたが、光を通さないことと音を通さないことは関係がありません。遮光は生地の裏に樹脂をコーティングして光を止めているだけで、重さが増えているとは限らない。これは私が最初に勘違いしていたところです。
遮光カーテンから、防音をうたうものに替えた
買い替えたのは、遮音・遮熱・遮光の3つを兼ねるとされている厚手のカーテンです。うちのリビングの窓ぶんで6,000円ほど。ミラーカーテンが付いてくるセットでした。
届いて驚いたのは重さでした。今まで使っていた遮光カーテンとは明らかに違って、片手で持つと腕にきます。カーテンレールが耐えられるか一瞬不安になりました。生地を触ると、表と裏の間にもう一層あるのが分かります。
取り付けて、また同じ実験をしました。室内で泣き声を再生して、窓の下で聞く。減りました。ただし劇的ではありません。前のカーテンで「泣いているのがはっきり分かる」だったのが、「何か声がしているのは分かる」くらいになった、という程度です。ゼロにはなりません。
商品ページには遮音の数値が書かれていますが、表示ではこう、というだけで、私が測ったものではありません。試験室で決まった条件で測った数字と、実際の家の窓とサッシとレールの組み合わせでは、当然結果は違います。数字を鵜呑みにするより、自分の家で前後を比べるほうが早いと思います。
不満も書いておきます。まず重くて開け閉めが重い。ランナーが渋くなりました。朝晩の開け閉めが少し億劫です。次に厚みでかさばる。開けたときに窓の端に寄せる束が太くて、窓の面積が2割ほど隠れます。日中の明るさが減ったのは、想定していませんでした。
3つめが洗濯です。重いので、うちの洗濯機だと1枚ずつしか洗えません。乾くのにも時間がかかります。ここは前のカーテンのほうが楽でした。
丈と幅で失敗しかけた
実は、最初に注文したサイズを一度変更しています。窓の高さぴったりの丈を選ぼうとしていたんですが、防音の観点だとこれは間違いでした。
音はすき間から出ます。カーテンの下端と床の間、左右の端と壁の間、上のレール部分。ここが開いていると、生地をどれだけ重くしても意味が薄れます。
それで、丈は窓より長めにして床に少し引きずるくらい、幅は窓幅の1.5倍以上を選び直しました。うちは掃き出し窓なので、床につく丈です。腰高窓なら、窓枠より下まで垂らす形になります。
さらに、レールの上から音が回り込むのを減らすために、カーテンボックス代わりのカバーを付けました。市販のもので2,000円ほど。左右の端は、マグネット付きのクリップで壁側に寄せて留めています。この2つを足したあとのほうが、カーテンを替えた直後より差を感じました。生地の性能より、すき間をなくすほうが効くというのが、うちでの実感です。
カーテン以外に窓まわりでやったこと
カーテンで届かない部分に、いくつか手を入れました。
まずサッシのすき間です。うちの窓は古い型で、閉めてもクレセント錠の周辺にわずかな遊びがあります。サッシ用のすき間テープを貼りました。300円ほどです。ただし、貼りすぎると窓が閉まらなくなるので、薄手のものを1周だけにしています。
次に給気口。ここは塞いではいけない場所です。換気のための穴なので、防音のために閉じると結露やシックハウスの原因になります。うちはフィルター付きのカバーに交換するだけにとどめました。多少は音が回り込みにくくなった気はしますが、正直なところ効果はよく分かりません。換気経路を潰すのは、音のためでもやらないほうがいいと思っています。
3つめが配置です。ベビーベッドを窓から一番遠い壁側に寄せました。1.5mほど移動しただけですが、音源が窓から離れるぶんは確実に効きます。お金がかからない対策の中では、これが一番大きかったかもしれません。
部屋の中を響かせないほうにも効いた
窓ばかり見ていて後から気づいたのが、部屋そのものが響いていたことです。うちの寝室は6畳で、家具が少なく、床はフローリング、壁は白いクロス。手を叩くと反射音が返ってきます。硬い面ばかりの部屋は音が減衰しにくいので、同じ大きさで泣いても、部屋の中で音が大きく感じられる。
厚手のカーテンを付けたあと、まずここが変わりました。泣き声の反響が減って、聞こえ方が丸くなったんです。外への漏れ以上に、室内での聞こえ方の変化のほうを妻は先に指摘していました。夜中に泣かれたときの、耳に刺さる感じが減ったのは実利があります。
ついでに、寝室にもラグを1枚敷きました。130×190cmで4,000円ほどのものです。これも反響を減らす方向に働きます。壁に吸音材を貼るような本格的な工事は賃貸ではできませんが、布の面積を増やすだけでも部屋の響きは変わるというのは、やってみるまで想像していませんでした。カーテンとラグで、寝室の中の布の面積はだいぶ増えたことになります。
どこまで期待するか
やってみて分かったのは、泣き声は消せないということでした。減らすことはできる。ゼロにはできない。カーテンとすき間テープと配置換えを全部やったあとでも、窓の下に立てば泣いているのは分かります。
それでも意味はあると思っていて、理由はこちらの気の使い方が変わったことです。何もしていないと、泣くたびに申し訳なさが積み重なる。できる範囲はやったと思えるだけで、夜中の対応が落ち着きます。子どもを泣き止ませようと焦る時間が減ったのは、実際に効いている部分でした。
近隣への挨拶も一度しています。ただ挨拶の慣習は地域や物件でかなり違うので、まず管理会社に聞いてから動くのが無難だと思います。うちのマンションでは自然に受け止めてもらえましたが、これはどこでも同じとは限りません。
この記事は近隣への音の個別記事です。賃貸で何をやったかの全体は子どもの足音が気になり出した|賃貸でやったことで整理しています。

