椅子の脚|引きずる音を止める

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下の階に伝わっている音を一日数えてみたら、いちばん回数が多かったのは子どもではなくダイニングチェアを引く音でした。1日で30回以上。朝昼晩の食事と、私が在宅で仕事をしているあいだの立ち座りを足すと、それくらいになります。

うちは賃貸マンションの2階で、生後6ヶ月の子がいます。まだ歩きませんが、寝返りとハイハイが始まって物を落とす音が増えてきました。子どもの音を気にするなら、先に自分たちの音を減らすのが順番だろうと思って、495円の脚カバーを買った話です。

椅子の音は、思っていたより回数が多い

音の対策をするとき、私はまず回数を数えるようにしています。1回あたりの大きさより、日に何回鳴るかのほうが、下の階の人にとっては効くはずだからです。

それで数えたのが冒頭の30回でした。うちのダイニングチェアは4脚で、木製の脚がむき出しです。フローリングの上を引きずると、ズーッという低い音が出る。この音は空気を伝わるだけでなく、脚から床に直接入っていくので、下に伝わりやすい種類の音です。

同じことをリビングでもやりました。ローテーブルを動かす音、ゴミ箱を引き出す音、ソファの位置を直す音。合計するとさらに10回ほど。床を引きずる系の音だけで、1日40回以上出していた計算になります。子どもがおもちゃを落とすのが1日10回程度だったので、量では大人のほうが多かった。

フェルトシールで2回失敗した

最初にやったのは、100円ショップのフェルトシールでした。丸く切られたフェルトの裏に粘着がついていて、脚の底に貼るタイプです。これを2回買って、2回とも駄目でした。

1回目の失敗は剥がれです。貼って1週間ほどで、4脚16箇所のうち5箇所が剥がれました。椅子を引くたびに横方向の力がフェルトにかかるので、粘着が耐えられない。剥がれたフェルトは床に落ちていて、それを子どもが見つけて口に入れかけたことがあります。これが決定打でした。剥がれた小片が転がる状態は、乳児のいる家では単純に危ない

2回目は、粘着の強いタイプを選び直しました。今度は剥がれにくかったのですが、別の問題が出ます。フェルトがすり減って、中の粘着面が露出する。その粘着面がほこりを拾って黒く固まり、床に擦れると跡が残るようになりました。1ヶ月半でこの状態です。

2回失敗して分かったのは、貼る方式そのものがうちの使い方に合っていないということでした。椅子は毎日何十回も横方向に動きます。接着で保たせるには条件が厳しすぎる。

被せるタイプの脚カバーに替えた

それで買ったのが、脚に被せるタイプのカバーです。シリコンの本体の底にフェルトが付いていて、椅子の脚に靴下のように履かせる。16個入りで495円でした。100円ショップのフェルトシールを2回買った額とほぼ同じです。

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被せた瞬間に、失敗した2回との違いが分かります。シリコンが脚を全周から掴んでいるので、横に引いても外れる気配がない。粘着ではなく摩擦とゴムの縮む力で留まっているので、力の方向を気にしなくていい。装着は4脚16本で10分ほどでした。少し伸ばしながら押し込む感じです。

音は、椅子を引く音についてはほぼ消えました。ズーッという引きずり音が、スーッという布の音になります。妻に下の和室で聞いてもらったところ、「何かを動かしたのは分かるが、椅子だとは分からない」でした。以前は椅子だとはっきり分かっていたので、そこは変わっています。

それと、椅子を立てて置く音も減りました。持ち上げてから床に置くときの「ゴン」が「トン」になる。シリコンがクッションになっている部分です。これは貼るタイプのフェルトでは得られなかった効果でした。

サイズ選びで全部が決まる

この製品でいちばん大事なのはサイズです。うちは1回買い直しています。

最初に注文したのは、対応サイズが広めに書かれていたものでした。実際に履かせると、ゆるい。引きずるたびに少しずつ回って、2日で1本が半分脱げていました。シリコンの伸びに頼る製品なので、余裕があると意味がありません。

買い直すときにやったのが、脚の断面をきちんと測ることでした。うちの椅子は丸脚で、床に接する部分の直径が22mmです。テーパーがついていて上に行くほど太いので、いちばん細い床側ではなく、カバーが被る高さの太さを測る必要がありました。ここが分かっていなくて、1回目は細いほうの数字で選んでいたんです。

角脚の場合はさらに注意が要ります。丸脚用のカバーを角脚に履かせると、角の4点だけに力がかかって、そこから裂けます。うちの学習机の椅子が角脚で、専用のものを別途買いました。脚の形が混在している家は、まとめ買いで済ませないほうがいいと思います。

3ヶ月使った時点での不満

いいことばかり書いたので、不満も書きます。

まず見た目です。うちが買ったのは黒で、椅子の脚がナチュラルな木色なので、足元だけ黒い靴下を履いているように見えます。透明タイプもあるようですが、レビューを見ると汚れが目立つとあったので黒にしました。ここは妥協した部分です。

次に底のフェルトはやはり減ること。3ヶ月で、私がいつも座る椅子の前脚2本だけ、フェルトが薄くなってきました。他の14本はまだ厚みがあります。減るのは特定の場所だけなので、全部を替えるのではなく、そこだけ交換する前提で余分に買っておくといいと思います。495円なら追加も痛くありません。

3つめがゴミが挟まること。シリコンと床の間ではなく、フェルトの繊維に髪の毛や砂が絡みます。月に1回、外して手で払っています。放っておくと、絡んだ砂で床に細かい傷が入るはずなので、この手入れは省けません。

あと、床暖房やホットカーペットの上で長時間使う場合の耐熱については、製品ごとに書かれ方が違います。うちのダイニングには床暖房がないので確かめていませんが、気になる人は仕様を見たほうがいいと思います。

他の選択肢と比べてどうだったか

買う前には、いくつか別の手も考えました。せっかくなので比べた結果も書いておきます。

ひとつはダイニングにラグを敷く案です。椅子の下に敷けば引きずり音は根本的に減ります。ただ、離乳食をこぼす場所にラグを敷くのは現実的ではないと妻に却下されました。撥水のダイニングラグも見ましたが、うちの部屋の広さに合うサイズで1万円を超えます。495円と比べる相手ではありませんでした。

もうひとつが椅子の買い替えです。脚にキャスターや樹脂のグライドが最初から付いている椅子なら、そもそも問題が起きません。ただ今使っているダイニングセットは結婚したときに買ったもので、まだ何も壊れていない。音のためだけに買い替える理由にはなりませんでした。次に買うときは足元の仕様を見る、というくらいの学習にとどめています。

3つめが椅子を引かない運用にするという案でした。持ち上げて動かせば、引きずり音は出ません。実際にしばらくやってみたのですが、片手に子どもを抱いた状態では無理でした。両手が空いている前提の対策は続かないというのが、乳児のいる家での結論です。カバーを履かせておけば、どう扱っても音が小さいほうに寄る。この「気をつけなくていい」というのが、いちばんの価値だと思っています。

椅子以外にも広げた

効果が分かったので、動かす家具全部に広げました。ローテーブルの脚4本、ゴミ箱の底、それとベビーチェアの脚です。

ベビーチェアは効果が大きかった部類でした。離乳食のときに椅子ごと引き寄せる動作が毎回あって、そのたびに床を擦っていたんです。これから子どもが自分で椅子を動かすようになれば、加減なく引きずることになるはずで、先にカバーを付けておけば、そのときに音の問題として気づかずに済むと思っています。

逆に、付けなかったものもあります。冷蔵庫と本棚のような、そもそも動かさない家具です。ここは音源になっていないので、付ける意味がありません。回数を数えて、鳴っているものだけに付ける。495円の製品ですが、全部に付けようとすると数が要りますし、家具が浮くぶん安定も落ちます。

床の音の対策というと、マットやカーペットのような大きい買い物から考えがちですが、うちの場合は椅子の脚が一番効きました。回数で見ると、そこがいちばん多かったからです。まず数えてみるのを勧めます。

この記事は近隣への音の個別記事です。賃貸で何をやったかの全体は子どもの足音が気になり出した|賃貸でやったことで整理しています。

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