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今の部屋を内見したとき、音についてまったく確認しませんでした。日当たりと収納と駅までの距離は測ったのに、音は見ていない。子どもが生まれて半年、上下左右への音を気にする生活になってから、そこを飛ばしたのは失敗だったと思っています。
次に引っ越すときは同じことをしません。何を確認するつもりか、調べたことと考えたことをまとめます。私自身がこの手順で内見をした経験はまだないので、そこは先に断っておきます。
内見で20分、私が見なかったもの
実際の内見にかけた時間は20分ほどでした。平日の午後2時、担当者と一緒に部屋を見て、写真を撮って終わり。
そのとき部屋は無音でした。外の車の音がわずかに聞こえるくらい。ここで「静かな物件だ」と判断してしまったんですが、これがそもそも間違いです。平日の昼間に、上の階の人が家にいるとは限らない。私が確認したのは、たまたま誰も音を出していない時間の状態でした。
今の部屋に住んでみると、平日の夜は上の階から椅子を引く音がします。土曜の朝には掃除機。悪意はないし、これは普通の生活音です。ただ、内見の20分では絶対に分かりません。
逆に言えば、私も同じように音を出しています。子どもがおもちゃを落とす音、深夜の授乳で歩く音。自分が出す側になって初めて、内見で見るべきものが分かったという順序でした。
先に確認できるのは、構造と界壁
現地に行く前に、資料で確認できることがあります。まず建物の構造です。
一般的には、木造より鉄骨造、鉄骨造より鉄筋コンクリート造のほうが音は伝わりにくいとされています。ただし、これは傾向の話であって、RCなら静かとは限りません。壁の厚さ、床スラブの厚さ、施工の質で変わると説明されているのをよく見かけます。同じRCでも、隣戸との界壁が石膏ボードで、コンクリートではない物件もあるそうです。
床の厚さについては、スラブ厚が180mm以上あるかどうかを目安として挙げている記事が多い印象です。ただ、この数字を賃貸の募集資料で見られることはほとんどありません。分譲マンションのパンフレットには載っていることがあります。
賃貸で確認するなら、不動産会社に「隣の住戸との壁はコンクリートですか、ボードですか」と直接聞くのが早いはずです。答えられない場合もあると思いますが、聞いた事実は残ります。
もうひとつ、間取り図でどの部屋がどの部屋と接しているかを見ます。自分の寝室の隣が、隣戸のリビングだと厳しい。水回りが隣戸の寝室と接していると、こちらが夜中に水を使ったときに迷惑をかけます。うちは今、子どもの寝室が隣戸の水回りと接していて、これは結果的に助かっている配置でした。
時間帯を変えて、2回行く
これが一番効くはずだと考えています。平日の昼と、平日の夜か土日の朝。最低2回。
不動産会社に2回目をお願いするのは気が引けますが、家賃を2年払う判断をするための30分です。実際、夜の内見に対応してくれる会社はあると紹介されています。空室であれば、鍵を借りて1人で見せてもらえることもあるようです。
夜に行くと、昼には分からないことが見えます。上の階に人がいるか。隣の生活音がどの程度か。外の道路の交通量。近くに飲食店があるなら、閉店時間帯の様子。
それと、部屋の中だけでなく共用部を見る。ゴミ置き場の掲示板に、騒音についての注意書きが貼られていないか。エントランスに「深夜の生活音にご配慮ください」という掲示が出ている物件は、過去に何かあった可能性があります。これは短時間で確認できて、情報量が多い場所だと思っています。
その場で手を動かして確かめること
機器を持っていかなくても、内見の場でできる確認がいくつか紹介されています。私が次にやるつもりのものを挙げます。
ひとつは、隣戸と接している壁を軽く叩くこと。コンクリートなら詰まった音がして、ボードなら空洞の響きが返ってくる、という判別方法です。ただ、これは建物を傷つけない範囲でやるべきですし、担当者の前で壁を叩くのは気まずい。断ってからやることになります。
次に、窓とサッシです。窓は壁より音を通しやすい部分なので、ガラスが1枚か2枚か、サッシに隙間がないかを見ます。ゴムのパッキンが劣化して縮んでいると、そこから外の音が入ります。内見で窓を閉めた状態と開けた状態を切り替えて、外の音の差を耳で比べるだけでも、だいぶ違うはずです。
それから、玄関ドアと室内ドア。ドアの下に隙間が大きく空いている物件は、廊下の音が入ってきます。うちの玄関ドアは下に1cmほど隙間があって、共用廊下を人が歩く音がそこそこ聞こえます。内見のときにしゃがんで見れば分かったことでした。
最後に、床です。歩いたときに床がたわむ感じがあるか。フローリングが浮いていると、歩くたびに音が出ることがあります。空室なので家具の音は聞けませんが、自分が歩いた足音がどう響くかは確認できます。空室は家具がないぶん、音が反響して実際より響いて聞こえるという点だけ、割り引いて考える必要があります。
騒音計を持っていくという選択肢
調べていて気になったのが、数千円で買えるデジタル騒音計です。3,000円台からあって、内見のときに持ち込んで測る人がいるらしい。
製品の表示を見ると、測定範囲が30dBから130dB、A特性、最大値の保持機能あり、といった仕様が書かれています。表示上の性能なので、実際にどこまで正確かは私には判断できません。正式な測定に使う計量法上の検定を受けた機器とは別ものだと考えたほうがよさそうです。
それでも、使い道はあると思っています。数字の絶対値を信じるのではなく、同じ機械で複数の部屋を比べる使い方です。A物件のリビングとB物件のリビングを、同じ機器、同じ時間帯で測る。差があれば、それは意味のある情報になります。
逆に、やってはいけないのが、測った数字を根拠に交渉することだと思います。校正されていない機器の値で「ここは何dBあるから家賃を下げてほしい」と言っても、話がこじれるだけです。あくまで自分の判断材料として使う。
それと、環境省が定める騒音についての基準値のような公的な数値は存在しますが、それは屋外の環境騒音に関するもので、集合住宅の室内で聞こえる生活音とは前提が違います。数字を持ってきて当てはめるのは慎重にしたほうがよさそうです。
私はまだ買っていません。次の物件を探すタイミングが来たら、3,795円なら買うと思います。3件回るなら1件あたり1,300円。ただ、これだけで判断できるとは考えていません。
機械より、人に聞くほうが早いかもしれない
結局のところ、内見の30分で測れることには限界があります。だから聞ける相手には聞く。
不動産会社の担当者に用意しておくつもりの質問は、こんなところです。
- この部屋の上下左右に、どんな世帯が住んでいるか(分かる範囲で)
- 過去に騒音の相談やクレームが出たことはあるか
- 小さい子どもがいる世帯は他にいるか
3つめが個人的には重要です。同じ状況の家が他にもあるかどうかで、こちらの心理的な負担がまったく変わります。うちの建物にも乳児のいる家が2軒あって、それを知ってからだいぶ楽になりました。
答えられない質問もあるはずです。個人情報なので当然です。ただ、答え方から分かることもある。言葉を濁されたら、それはそれで情報だと考えています。
結局、完全には分からない
ここまで書いておいてなんですが、内見でできる確認には限界があります。隣に誰が引っ越してくるかは選べないし、自分が出す音も、子どもの成長で変わっていく。
うちの子は今6ヶ月で、まだ歩きません。つかまり立ちが始まって、その先に走り回る時期が来る。今の部屋でそれをやったらどうなるかは、正直まだ分かっていません。内見のときに完璧に調べても、2年後の自分の生活は予測できないんですよね。
それでも、構造を確認して、2回に分けて見に行って、共用部の掲示を読んで、担当者に質問する。これだけで、20分だけ見て決めた前回よりはましなはずです。時間にして追加で1時間、費用は騒音計の3,795円。次はここまでやります。
この記事は近隣への音の個別記事です。賃貸で何をやったかの全体は子どもの足音が気になり出した|賃貸でやったことで整理しています。

