やりすぎないこと|どこまでが自分の責任か

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半年で、音の対策に3万円弱使いました。マット、ラグ、スリッパ、防振ゴム、ネックスピーカー、洗濯機の下の台。金額としては大したことないんですが、問題は使った時間と、気にしていた時間の総量のほうでした。

ある時期、子どもが泣き出すたびに時計を見て、「今は何時だから何分以内に泣き止ませないと」と考えていました。これは明らかにやりすぎです。どこで線を引いたか、その話を書きます。

半年で買ったものと、その値段

先に、実際に何にいくら使ったかを並べておきます。

  • ジョイントマット 約3,000円/フェルトのラグ 6,435円/滑り止め 1,000円弱
  • ルームスリッパ 2足で約3,000円/廊下用カーペット 約3,000円
  • ネックスピーカー 約5,000円+送信機 約2,000円/室外機の防振ゴム 約1,200円
  • 洗濯機の置き台 4点セットで約2,620円/挨拶用のタオル 4軒分で約2,000円

合計で2万9,000円ほど。1ヶ月あたり5,000円弱と考えると、家計への影響はそこまで大きくありません。問題は金額ではなく、この半年ずっと音のことを考えていたことのほうでした。

買い物としての満足度でいうと、上から順に、洗濯機の下に入れた置き台、スリッパ、ネックスピーカー。逆に効果が読めないままなのが、ラグと防振ゴムです。効果が測れていないものにお金を使うのは、本来あまり好きではないんですが、音の対策はどうしてもそうなります。

気にしすぎていた時期の自分

いちばんひどかったのが、生後2ヶ月から3ヶ月のころです。夜泣きが本格化した時期でした。

症状として自覚していたのは3つあります。まず、泣き声が聞こえた瞬間に体が跳ね起きる。眠りが浅くなって、泣く前の物音で目が覚めるようになりました。次に、日中もリビングで音を立てないようになった。妻と話す声が小さくなって、笑うときに口を押さえていました。誰にも頼まれていないのに。

3つめが、隣や上下の物音に敏感になったことです。上の階の人が歩く音が聞こえると、「この人はうちの音をどう思っているんだろう」と考える。相手の生活音が、こちらの罪悪感の引き金になるという、かなり歪んだ状態でした。

妻から「そんなに気にしても子どもは泣くよ」と言われて、確かにそうだなと。泣くのを止められるなら苦労していません。そこから、コントロールできることとできないことを分けて考えるようにしました。

自分の責任の範囲を、書き出してみた

理屈で考えるほうが落ち着くタイプなので、紙に書きました。自分でコントロールできることと、できないこと。

できないのは、子どもが泣くこと。泣く時間帯。泣き声の大きさ。これは0歳児の生理現象で、こちらの努力ではどうにもなりません。他人がそれをどう受け取るかも、こちらでは決められない。

できるのは、大人が出す音を減らすことです。深夜の足音、テレビの音量、洗濯機を回す時間、ドアの閉め方、物を置く動作。大人の行動は全部コントロールできる範囲にあります。

この線引きをしてから、対策の優先順位がはっきりしました。子どもの泣き声を防音材でどうにかしようとするのは、たぶん筋が悪い。防音カーテンや吸音パネルを検討していたんですが、そこは一度やめました。かわりに、大人の側の音を潰すほうに寄せました。

ただ、この線引きが正しいかどうかは分かりません。相手にとっては、大人の音も子どもの音も同じ「上の階の音」です。こちらの理屈が通用する保証はどこにもない。あくまで、自分の消耗を減らすための整理でした。

費用対効果が高かったのは、洗濯機の下

買ったものの中で、一番よかったのが洗濯機の下に入れた置き台です。4点セットで約2,620円。1枚の大きな台ではなく、脚を1本ずつ受ける小さな台が4つという形のものです。樹脂の土台にゴムが組み合わせてあって、上面が脚の受け皿になっています。

うちの洗濯機は縦型で、脱水のときに派手に揺れます。特に子どものタオル類をまとめて洗ったときが最悪で、洗濯機自体が数センチ動いていました。床は直に振動を受けています。

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入れたあと、脱水中の床の揺れは体感でかなり減りました。以前は洗面所の床に立っていると足の裏に振動が来ていたんですが、それがほぼ感じられなくなった。洗濯機本体が動いて壁にぶつかることもなくなりました。ただ、これは私の感覚であって、測った数字ではありません。

1枚板のかさ上げ台ではなく4点セットにしたのは、値段のほかにもう1つ理由があります。洗濯機をどけたあとも、家具の下に回せること。商品としても洗濯機と冷蔵庫、それに家具のかさ上げを兼ねる売られ方をしていて、脚のあるものならだいたい使えます。今は4つとも洗濯機に使っていますが、引っ越しで洗面所の形が変わっても捨てずに済むな、と考えて選びました。専用の台にすると、その洗濯機を手放した時点で用途がなくなります。

これがよかったのは、大人の生活音のうち、いちばん大きくて、いちばん確実に減らせる部分だったからだと思っています。子どもがいると洗濯の回数が増えるので、効果が出る頻度も高い。1日2回、半年で360回分です。

製品の説明には防音や制振の機能がうたわれていますが、これはメーカーの表示であって、私が測ったものではありません。測定条件も自宅の床とは違うはずです。数字はあくまで参考程度に見ています。

置き台の困ったところ

いい面ばかりではありません。まず、洗濯機の高さが5cmほど上がります。うちは洗面所の棚との隙間がぎりぎりで、あと2cm高かったら入りませんでした。事前に測ったつもりでしたが、給水ホースの取り回しまでは考えていなくて、設置当日に慌てています。

身長172cmの私はいいんですが、妻は155cmで、洗濯槽の底に手が届きにくくなりました。縦型の場合、これはけっこう重要です。踏み台を1つ置くことで解決しましたが、洗面所がその分だけ狭くなりました。

それと、設置作業がしんどい。1枚板の台と違って、脚1本ずつに位置を合わせて差し込む必要があります。洗濯機を片側ずつ傾けて、隙間に台を入れて、それを4回。うちの洗濯機は40kg弱です。2人がかりでやりましたが腰にきました。ホースを外して水を抜く手間もあって、全部で1時間かかっています。

この「脚の位置に合わせる」というのが、4点セットの弱いところだと思っています。台の中心から脚がずれていると、そもそも受けきれない。うちは防水パンの中に置いているので、置ける位置がパンの形に制限されました。たまたま収まりましたが、買う前に防水パンの内寸と脚の間隔を測ったほうがいいです。1枚板の台なら面で受けるので、ここは気にしなくて済みます。

ゴムのにおいも最初はありました。開封してから2週間くらいは、洗面所に独特のにおいが残ります。換気していたら消えましたが、においに敏感な人は気になるかもしれません。

買わなかったもの、やめたこと

検討して見送ったものも書いておきます。

ひとつは、壁に貼る吸音パネルです。数万円かかるうえに、賃貸なので貼り方に制約がある。それに、吸音材は部屋の中の反響を抑えるもので、隣に音を通さないための遮音材とは役割が違うと説明されているのを読んで、目的と合わないと判断しました。

防音カーテンも見送りました。窓からの音には効くはずですが、うちが気にしているのは主に床と壁を伝わる音です。優先順位が低い。

やめた習慣としては、夜中に子どもが泣いたときに時計を見ることです。何時であっても、やることは同じなので。時間を確認しても対応が変わらないなら、確認する意味がありません。これをやめただけで、夜の消耗がだいぶ減りました。

あと、隣の物音に耳を澄ますのもやめました。相手が在宅かどうかを気にしても、こちらの行動は変わらない。情報を集めても行動が変わらないなら、集めないほうがいいというのは、仕事でも同じだなと思っています。

それでも、何か言われたときは

幸い、今のところ苦情は来ていません。ただ、来る可能性は普通にあると思っています。

そのときにどうするかは、正直まだ決めきれていません。近隣トラブルの解決方法を、経験もないのにここで書くつもりはありません。状況も相手も家庭ごとに違うし、こじれ方も一様ではないはずです。

今のところ考えているのは、直接やり取りする前に、まず管理会社に相談するという方針くらいです。当事者同士だと感情が乗りやすいので、間に人を入れたほうがいいだろうという、それだけの理由です。これが正解かどうかは分かりません。

ひとつだけ言えるのは、対策をやり尽くしても、不安がゼロになることはないということです。3万円近く使っても、深夜に泣き声が聞こえれば身構えます。だから、対策は不安をゼロにするためではなく、「できることはやった」と自分に言えるようにするための作業だと考えています。

やりすぎている自覚があるなら、たぶんやりすぎです。うちは、大人の音を潰すところまでで一度止めました。子どもが歩き始めたら、また考えます。

この記事は近隣への音の個別記事です。賃貸で何をやったかの全体は子どもの足音が気になり出した|賃貸でやったことで整理しています。

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