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賃貸で暮らしていると、テープを貼るときに毎回同じことを考えます。これは剥がせるのか。剥がしたとき、糊が残らないか。壁紙が持っていかれないか。私は一度、布ガムテープを壁紙に貼って糊を残し、それを取ろうとして壁紙の表面を削ったことがあります。3cm四方くらい、今も薄く跡が残っている。以来、家の中で使うテープは用途ごとに分けました。粘着力が強いテープは、強いというより「戻せない」テープなんですよね。
布ガムテープを壁に貼った失敗
状況は、引っ越し直後の配線整理でした。テレビの裏から出ているケーブルを壁沿いにまとめたくて、手元にあった布ガムテープで留めたんです。引っ越しの荷造りに使っていた残りが転がっていたので。
半年後、模様替えで剥がそうとしたら、テープ本体は取れたのに糊だけが壁紙に残りました。ベタベタした灰色の帯が3本。指でこすると丸まって取れるかと思いきや、少し取れて、あとは壁紙の表面ごと薄く削れました。しかも夏を挟んだせいで、糊が溶けて壁紙の凹凸に入り込んでいる。
結局、無理をすると悪化すると判断して途中でやめました。今は薄い変色として残っています。退去時にどう見られるかは分かりませんが、自分でやった傷なので言い訳はできない。強い粘着のテープを、剥がす前提の場所に使わない。この記事で一番言いたいのはこれです。
養生テープは「弱いから」使う
入れ替えで買ったのが養生テープです。引っ越し業者や現場でよく見る、緑や白の薄いやつ。うちはPEクロスタイプの50mm幅を1巻き持っています。
養生テープの本質は、粘着力が意図的に弱いことです。数日から数週間貼って、剥がしたときに糊が残らないよう作られている。手でまっすぐ切れるので、はさみも要りません。
うちで使っている場面は3つ。ひとつは、家具を動かすときの扉の固定。引き出しや観音開きの扉を一時的に留めておくと、運んでいる最中に開いて指を挟むのを防げます。ふたつ目が、子どもが触るコンセントの一時的な目張り。カバーを買うまでのつなぎとして数週間貼っていました。3つ目が、ペンキではなく掃除の養生で、キッチンの換気扇を洗うときに周囲の壁を覆う用途です。
ただ、養生テープにも弱点があります。まず、貼りっぱなしにすると駄目です。うちは1箇所、半年放置した養生テープを剥がしたら、うっすら糊が残りました。剥がしやすさは「短期間なら」という条件付き。それと、屋外や熱のかかる場所では粘着が急に落ちます。ベランダで使ったら1週間で自然に剥がれていました。
マスキングテープは、印を付ける道具として使っている
もう1種類、常備しているのがマスキングテープです。文具の柄物ではなく、塗装用の18mm幅のやつ。
これは貼るためではなく、印を付けるために使っています。壁にフックを刺す位置を決めるとき、家具の脚の位置を床にマークするとき、電源タップのどのコードがどの機器かを書いておくとき。鉛筆で壁に線を引くわけにいかない賃貸では、テープが定規であり付箋です。
粘着力は養生テープよりさらに弱くて、壁紙に数時間貼る程度なら跡は残っていません。ただし紙なので水に弱い。洗面所や浴室の入口で使ったら、湿気でふやけて自然に落ちました。用途が完全に「乾いた場所での短時間」に限られます。
熱と水がかかる場所は、アルミテープに替えた
養生テープでもマスキングテープでも駄目だったのが、キッチンでした。
うちのコンロと壁のあいだに、幅2mmくらいの隙間があります。ここに油とパン粉が落ちて、掃除のたびに爪楊枝でほじくるのが地味に面倒だった。最初は養生テープで塞いだんですが、コンロの熱と調理中の湯気で、2週間ももたずに端から浮いてきました。剥がすときに、熱で変質した糊が少し残ったのも良くない。
そこで買ったのが、ニチバンのアルミテープです。幅25mmで50m巻き、約1,680円。耐熱と防水をうたっているタイプで、キッチンまわりの補修用途で紹介されていることが多い製品ですね。
貼ってみて、まず隙間の問題は解決しました。表面が金属なので油汚れが染み込まず、布巾で拭けば元通りになる。熱のかかる場所でも浮いてきません。半年貼っていますが、いまのところ端が反る様子もない。
もうひとつ効いたのが、幅25mmという細さでした。最初は太いほうが便利だと思っていたんですが、家庭の補修で塞ぎたいのはたいてい数ミリの隙間です。太いテープを細く切るのは切り口が汚くなるので、最初から細いほうが仕上がりがきれい。50m巻きなので、この用途なら当分なくなりません。
アルミテープの注意点
いいことばかりではないので、気になった点も書きます。
まず、粘着が強い。これは長所の裏返しで、剥がす前提の場所には使えません。うちは壁紙には貼っていません。冒頭の失敗を繰り返したくないので、貼ったのはコンロ横の金属面と、樹脂の縁だけです。賃貸の設備に貼る場合も、退去時に剥がして糊が残らないか分からない箇所は避けています。
次に、切り口が鋭い。アルミなので、はさみで切った端で指を切りかけました。子どもの手が届く高さには絶対に貼れません。うちが貼っているのはコンロ横で、床から80cm以上。今の月齢では問題ありませんが、つかまり立ちが始まったらキッチン自体に入れない対策のほうが先になります。
3つ目。曲面や凹凸には向きません。伸びない素材なので、丸いものに巻こうとするとシワが寄って、そこから浮きます。平らな面を塞ぐテープだと割り切ったほうがいい。
あと、これは念のためですが、ガス機器や給湯器そのものの補修に使うものではないと考えています。うちで貼っているのはあくまで、コンロ横の壁と天板の隙間という汚れ対策の範囲です。設備側の不具合は管理会社に連絡する、という線は変えていません。
残った糊を落とすときにやったこと
失敗した壁紙の件で、糊の落とし方も一応調べて試しました。結果は途中で撤退したので成功談ではありませんが、分かったことは書いておきます。
最初に試したのが、消しゴムでこする方法。糊が薄く残っている程度なら、これでぽろぽろ取れました。うちの壁紙も、3本のうち1本はこれでほぼ目立たなくなっています。ただ、こすりすぎると壁紙の表面のツヤが変わるので、力を入れずに5回くらいで様子を見るのが限界でした。
次にシール剥がし剤。これは壁紙には使いませんでした。溶剤が壁紙の印刷や表面のコーティングに何をするか分からず、目立たない場所で試そうにも、うちの壁紙は柄が全面に入っていて試せる場所がなかったので。金属やプラスチックの面に残った糊には有効で、洗濯機に貼ってあった値札のシール跡はこれできれいに消えました。素材が分かっている物にだけ使う、という運用です。
ドライヤーで温めて剥がす方法も試しました。テープ本体を剥がす段階では効きます。糊が柔らかくなるので、ゆっくり引けば残りにくい。ただ、すでに残ってしまった糊に対しては、温めると余計に伸びて広がりました。温めるのは剥がす前、残ってからでは遅いというのが体感です。次に何かを剥がすときは、最初からドライヤーを用意します。
3種類を使い分けるだけで足りた
今のうちの常備は、養生テープ、マスキングテープ、アルミテープの3種類です。合計しても2,500円くらい。布ガムテープは荷造り用に1巻きありますが、家の中の壁や家具には二度と使いません。
選び方はシンプルで、いつ剥がすかで決めています。数時間ならマスキング、数日から数週間なら養生、剥がす予定がなくて熱か水がかかるならアルミ。粘着力の強さは、剥がすまでの時間の裏返し。この対応関係を頭に入れてから、テープ売り場で迷わなくなりました。
賃貸で暮らす限り、貼ったものはいつか全部剥がします。剥がす日のことを考えて貼るようになったのが、壁紙を1箇所つぶした授業料でした。
この記事は家の修理の個別記事です。賃貸でどこまで自分でやるかは家の小さな不具合を自分で直す|賃貸でどこまでやるかで整理しています。

