電子と紙|どちらで買うか決めるルール

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電子で買うか紙で買うか、毎回3分くらい迷っていました。安いのは電子。場所を取らないのも電子。それでも紙で買うことがあるのは、物として都合がいい場面があるからです。この判断を毎回ゼロからやるのが面倒になって、ルールを作りました。中身がどうという話ではありません。重さと厚みと、置き場所があるかどうかだけで決めています。4ヶ月運用して、それなりに機能しているので書いておきます。

きっかけは、棚が埋まったこと

うちの作業部屋には幅60cm・4段の本棚が1本あります。技術書とA5判が中心で、入るのは110冊前後。昨年の時点で、この棚が9割埋まりました。

その時点で選択肢は3つでした。棚を増やす、本を減らす、これ以上紙で買わない。部屋の広さを測ると、もう1本置ける場所はありません。デスクの横に58cmのすき間があったのでそこに1本入れましたが、それも半年で埋まる見込みでした。

つまり置き場所の総量が先に決まっていて、それを超える分は電子で買うしかない。私にとっての「電子か紙か」は、思想の話ではなく物理の話でした。ここが決まってから、迷う時間が短くなりました。

買う前に見ている条件

紙で買うと決めているもの

ルールにしているのは3つです。

ひとつめ、デスクに開いたまま置いて、画面と行き来するもの。これは紙にしています。ノートPCのモニターと同じ画面に本を表示すると、切り替えのたびにウィンドウを行き来することになる。物理的に横に置けるのは紙の強みでした。うちのデスクは幅120cmで、モニターの右に幅25cmの余地があります。そこに置ける判型なら紙で買う。

ふたつめ、繰り返し同じページを開くもの。ページの端が汚れるくらい開くものは、紙のほうが速いです。電子でもしおりやジャンプの機能はありますが、私は指で厚みの見当をつけて開くほうが早かった。これは慣れの問題かもしれません。

みっつめ、人に貸す可能性があるもの。妻に渡すことがある本は紙です。これは単純に、うちが電子書籍のアカウントを分けているからで、共有できる仕組みを使っていれば変わる話だと思います。

電子で買うと決めているもの

逆に、次のものは迷わず電子にしています。

まず、判型がB5以上のもの。うちの棚の奥行きは23cmで、B5は幅18.5cm。入るには入りますが、この判型は1冊が重い。実測で900gを超えるものがありました。900gの本を持って移動する場面が、私の生活にはほぼありません。

次に、厚さが3cmを超えるもの。棚の1段の内寸が56cmなので、3cmの本を並べると18冊で埋まります。厚い本を紙で買うのは、棚の面積を大きく使う判断になる。同じ56cmに文庫なら37冊入るわけで、ここは明確にコストです。

3つめ、外で読む可能性が高いもの。カバンに入れて持ち歩くなら、タブレットかスマホのほうが軽い。うちのタブレットは約470gで、技術書1冊より軽いです。3冊分持ち歩くなら圧倒的に有利になります。

紙を選んだあとに要る道具

紙で買うと決めた本は、デスクの上に置くことになります。ここで問題になるのが、平積みにすると下の本が埋もれることでした。私はこれを3回やっています。

今は書見台に立てています。竹製のブックスタンドで、価格は約2,098円。デスクの右奥に置いて、そのとき参照している1冊をそこに乗せる。使わない本は棚に戻す、というだけのルールです。

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実測で約620gあるので、560gの技術書を乗せても後ろに倒れません。折りたたむと厚さ3cmほどになるので、使わない期間は棚のすき間に立てて収納できます。角度は数段階で変えられますが、うちはデスクの奥行きが60cmしかないので、いちばん立てた位置で固定して使っています。

不満を書くと、厚い本を開いたまま保持するのは苦手です。付属のクリップは薄い本なら効きますが、厚さ4cmの本を真ん中で開くと、ページが戻ろうとする力に負けます。私は主に、閉じた本を立てておく台として使っています。開いたまま固定したい人には、別の構造のものを探したほうがいいと思います。

あと、デスクの上に幅25cmの占有物が増えます。これは買う前に想像していたより効きました。デスクが狭い人は、置き場所を先に確保してから買ったほうがいい。私はマウスパッドを1回り小さいものに替えました。

ルールにしてから起きた変化

4ヶ月で買った本は31冊で、紙が9冊、電子が22冊でした。以前は感覚で半々くらいだったので、電子の比率が上がっています。

棚の空きは維持できています。9冊増えて7冊を手放したので、正味プラス2冊。棚が埋まる速度が明らかに落ちました。ただし、これは電子の側に何冊あるか把握できていないという別の問題を生んでいます。電子は場所を取らない代わりに、増えても気づかない。積読の管理という意味では、紙のほうがまだ扱いやすいと思っています。

あと、失敗もあります。厚さ3cmを超えるものは電子、というルールに従って買った本のうち2冊が、実際には手元で開きながら作業したいものでした。買い直してはいませんが、ルールを機械的に当てると外すことはあります。今は「デスクで開くか」を先に判断して、そのあと判型の条件を見る順番に直しました。

紙を電子に置き換えるのは、思ったほど簡単ではない

棚を空けるために、すでに持っている紙の本を電子に買い直すことも考えました。実際に3冊やっています。ただ、これは万能ではありませんでした。

まず、単純に二重の出費になります。3冊で約8,000円。紙のほうを売れば多少は戻りますが、うちの場合は買い取り価格が1冊300円前後でした。差額はそのまま損です。

次に、電子版が存在しない本があります。これは事前に調べないと分かりません。私は棚から10冊選んで買い直すつもりでいましたが、電子版があったのは6冊だけでした。残り4冊は紙のまま棚に残っています。

自炊、つまり自分で裁断してスキャンする方法もあります。調べてみると、裁断機とスキャナで初期費用が数万円かかるうえ、1冊あたり10分から15分の作業時間が要ると紹介されていることが多いです。私はやっていません。生後6ヶ月の子どもがいる家で、その作業時間を確保できる気がしなかったからです。時間も置き場所と同じで有限なので、ここは早めに諦めました。

電子で困っている点

置き場所の話ではなくなりますが、電子側の物理的な不満も書いておきます。

ひとつは、読む端末が必要なこと。うちのタブレットは470gで、これ自体は軽い。ただ充電が要ります。夜、子どもを寝かしつけたあとに読もうとして、残量が8%だったことが何度かありました。紙にはない失敗です。

もうひとつ、画面のサイズです。うちのタブレットは10.9インチで、B5判の本をそのまま表示すると縮小されます。拡大すれば読めますが、ページ全体を一度に見る使い方はしづらい。大きい判型を電子にするというルールは、この点だけは不利になっています。

今のところの落としどころ

結局、私のルールは「棚に空きがあるか」から始まっています。空きがあれば紙でもいい。なければ電子。そのうえで、デスクで開くものは紙を優先し、重いものと厚いものは電子に寄せる。

この順番になったのは、置き場所が有限だからです。2LDKの賃貸で、子どもの物が増えていく前提だと、本のために使える面積はむしろ減っていく。本をどう買うかは、家のどこに置けるかで決まる。身も蓋もないですが、4ヶ月やってみてこれ以上の判断基準は見つかっていません。

この記事は本の置き場所と道具の個別記事です。置き場所を決めるまでの全体は本が増えた家で置き場所を決めた|読む前に置き場所にまとめています。

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