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深夜、キッチンから「ポタ、ポタ」と聞こえるようになりました。3秒に1滴くらい。昼間は気づかないのに、家が静まると急に存在感が出る。しかも寝室のドアを開けていると、その音で子どもが目を覚ますことがあって、無視できなくなりました。
ネットで検索すると「パッキンを交換すれば直る」という記事がすぐ出てきます。ただ、調べていくと漏れている場所によって原因も対処もまったく別で、しかも賃貸だと自分でやる前に確認すべきことがある。私は結局パッキン交換はしていません。ここまでに調べたことを整理しておきます。
まず、どこから出ているのかを特定する
これをやらずにパッキンを買っても意味がありません。うちのキッチンはシングルレバーの混合水栓で、漏れる可能性がある場所は大きく4つあると説明されていました。
吐水口の先端、レバーの根元、蛇口本体が台に付いている付け根、そしてシンク下の給水管の接続部。同じ「蛇口の水漏れ」でも、先端からのポタポタと、レバーの下からじわじわ滲むのとでは原因が違います。
確認方法として紹介されていたのは、全体をいったん乾いた布で拭いて、しばらく置いて、どこが最初に濡れるかを見るというやり方でした。私はキッチンペーパーを何箇所かに巻いて30分放置しました。結果、濡れたのは吐水口の先端だけ。レバーの根元も台の付け根もシンク下も乾いたままでした。
この時点で、少なくとも給水管の緩みや本体内部の話ではないと分かります。ここまで15分。やっておいてよかった作業でした。
「締めれば止まる」が通じる場合と通じない場合
タイトルの疑問に対する答えですが、調べた範囲では場所によっては締め直しで止まる、ただし本体内部の劣化には効かないということのようです。
止まる可能性があるのは、ナットやキャップで締められている部分。吐水口の先端の泡沫キャップ、シンク下の給水管のナットなど、単に緩んでいるだけなら締め直しで解決する場合があります。振動や温度変化で少しずつ緩むというのは、理屈としても納得できる話です。
一方、ハンドル式の蛇口でハンドルを閉めても先端からポタポタ落ちる場合は、内部のコマパッキンが潰れているケースが多いとされていて、これは締めても止まりません。むしろハンドルを強く締めるほどパッキンが早く傷むという説明もあり、力任せは逆効果になります。
シングルレバーの場合はさらに厄介で、内部がカートリッジという部品になっていて、パッキン単体ではなくカートリッジごと交換する構造。部品はメーカーと品番で指定する必要があり、数千円するものが多いようです。
もうひとつ大事だったのが、締めすぎは別の故障を作るという点。モンキーレンチで力いっぱい締めると、樹脂の部品が割れたり、ネジ山を潰したりする。そうなると部品交換では済まなくなります。「増し締めは指で回して止まるところから少しだけ」という書き方をしている解説を複数見ました。
作業する前に止水栓を閉める
どの解説にも共通して書かれていたのが、作業前に必ず水を止めることでした。
キッチンならシンク下の扉を開けたところに、お湯と水の止水栓があるのが一般的です。マイナスドライバーで回すタイプが多い。ここが固くて回らない場合や、そもそも見当たらない場合は、玄関脇や共用廊下のパイプスペースにある元栓を閉める。
うちの止水栓は確認しました。シンク下の右奥に2つあって、マイナスの溝が切られています。試しに回そうとしたら、かなり固い。無理に回して止水栓側から漏れ出したら本末転倒なので、そこで止めました。長年動かしていない止水栓が固着していて、動かした結果そこから漏れるというのは、調べているとよく出てくる失敗パターンでした。
それと、閉めたあとは必ず蛇口を開けて水が出ないことを確認する。閉めたつもりで閉まっていない状態で分解すると、水が噴きます。
もうひとつ、蛇口を分解するなら排水口に蓋をしておく。小さいパッキンやネジを落とすと、そのまま流れていきます。これは工具箱のパーツトレイを持っていても防げない類のミスで、タオルを丸めて栓をするのが確実だと書かれていました。私は先端を外すだけの作業でも、念のためやりました。実際、網を外した拍子に一度落としています。
賃貸だと、直す前に連絡が先
ここが結論に直結しました。賃貸の蛇口は貸主の設備です。
調べると、給湯器や水栓などの設備の故障は、借主の過失でなければ貸主が修繕する義務を負うのが原則で、自分で勝手に修理・交換すると費用が自己負担になったり、退去時に原状回復を求められたりする可能性があるとされています。契約書に「修繕の前に連絡すること」と明記されている物件も多い。
加えて、集合住宅で水まわりを触るリスクがあります。失敗して階下に漏水させた場合、被害額は蛇口の値段とは比べものになりません。うちは3階なので、ここは冷静に考えました。
実際に管理会社に問い合わせたところ、「まず現地を見て、部品で直るなら業者手配」という返事でした。費用負担については状態を見てからという話です。この時点で、私が自分でカートリッジを買う理由がなくなりました。
逆に言うと、持ち家なら自分でやる価値は十分あるとも思います。単水栓のコマパッキンなら部品は数百円で、ウォーターポンププライヤーがあれば作業自体は10分程度と説明されていることが多い。カクダイなどから補修セットが売られていて、必要な部品が一式入っています。条件が違えば選択も変わります。
私がやったのは、先端の交換だけ
で、うちのポタポタです。濡れていたのは吐水口の先端だけでした。分解してみると、先端のキャップがねじ込みで付いていて、そこに網と小さなパッキンが入っている構造。網には白い水垢がびっしり付いていました。
掃除して締め直したら、滴の間隔が3秒から15秒くらいに伸びました。完全には止まらない。パッキンが硬くなっていたんだと思います。
そこで買ったのが、蛇口の先端に付けるシャワーヘッドのアダプタでした。680円。内ネジ外ネジ両対応で、22mmに合う金具が付いているもの。先端のキャップごと外して、これに置き換える形です。
結果、滴は止まりました。新しいパッキンが入ったからで、本質的にはパッキンを新品にしたのと同じことをしています。ついでに水流が切り替えられるようになって、シャワー状にすると洗い物の泡が流しやすい。これは想定していなかった副産物でした。
不満もあります。まず先端が重くなって、蛇口を左右に振ったときの動きが変わった。以前より慣性がついて、勢いよく回すと止まりたい位置を通り過ぎます。慣れの範囲ですが、最初の数日は違和感がありました。
それと、樹脂製なので熱いお湯を出すと本体が結構熱くなる。60度くらいの設定で使うと、首の部分を素手で持つのはためらいます。金属の蛇口本体を持てばいいだけの話ではありますが、子どもが手を伸ばす高さではないとはいえ、少し気にしています。
あと、これは元に戻せる範囲の変更だと考えて付けました。外したキャップは袋に入れて保管してあります。退去時に元に戻す前提です。取り外した純正部品を捨てないのは、賃貸でこの手のことをやるときの最低条件だと思っています。
放置していたらどうなったか、という点も少し調べました。1滴あたりの量は蛇口の状態で変わるので水道代を断定はできませんが、水道局の啓発資料では、わずかな漏れでも一ヶ月単位では無視できない量になると説明されています。金額よりも、うちの場合は夜中に音が鳴り続けることが実害でした。子どもが寝ている部屋のドアを閉め切れば聞こえないんですが、それだと様子が分からない。結局、直すのが一番早い解決でした。
最後に
「パッキンを替えれば直る」は、間違ってはいないけれど雑な説明でした。実際には、どこが漏れているかの特定、止水の確認、賃貸なら連絡の順番、この3つを踏んでから初めてパッキンの話になります。
私の場合は先端の部品を替えるだけで済み、680円と20分で夜のポタポタは消えました。もしレバーの根元や台の付け根が濡れていたら、迷わず管理会社に連絡していたと思います。
この記事は家の修理の個別記事です。賃貸でどこまで自分でやるかは家の小さな不具合を自分で直す|賃貸でどこまでやるかで整理しています。

