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浴槽とタイル壁の境目の白いゴム、あそこが黒くなっているのに気づいたのは、風呂掃除を私が担当するようになってからでした。それまで妻がやっていたときは気づかず、代わってから3日目に「これ、いつからだ」と思った。カビ取り剤を吹いて放置しても、色が薄くならない部分が残ります。
あの白いゴムはコーキング、あるいはシーリングと呼ばれるもので、表面のカビではなく内部まで入り込むと洗剤では戻らないらしい。打ち替えという作業になります。私はまだやっていないので、ここから先は調べたうえでの整理です。
黒いのはカビか、それとも別のものか
まず切り分けが必要でした。調べると、コーキングが黒く見える原因はいくつかあるようです。表面に付着した皮脂汚れや石けんカス、その上に繁殖したカビ、そしてゴム内部に菌糸が入り込んだ状態。
見分け方として紹介されていたのは単純で、塩素系のカビ取り剤を規定時間置いて洗い流し、それでも黒が残るなら内部まで入っている、という判断です。うちの場合、片面5cmほどの範囲が全く変化しませんでした。残りの部分は薄くなったので、そこは表面の汚れだったんだと思います。
ここで注意点として何度も見かけたのが、塩素系と酸性の洗剤を混ぜないこと。有毒なガスが発生します。浴室は狭くて換気が効きにくいので、カビ取り剤を使うときは換気扇を回して、窓があれば開ける。これは製品の注意書きにも必ず書かれています。うちの浴室に窓はないので、換気扇と脱衣所のドアを開けて空気の通り道を作りました。
打ち替えは、思っていたより手順が多い
自分でやる場合の手順を調べて、正直「これは半日仕事だな」と思いました。
まず古いコーキングをカッターで切って剥がします。両端に刃を入れて、ヘラで引き剥がす。次に残ったカスをきれいに取り除いて、脱脂して、完全に乾かす。この乾燥が甘いと新しいコーキングが密着しないという指摘が多かったです。浴室なので、乾かすだけで数時間から一晩という説明も見ました。
そのあとマスキングテープで両側の縁を作り、コーキング材をコーキングガンで打ち込み、ヘラで均し、テープを剥がす。剥がすタイミングは硬化する前で、遅れるとテープごと持っていかれる。そして完全硬化まで、製品にもよりますが24時間程度は水をかけられない。
つまりその日は風呂に入れません。生後半年の子どもがいる家で、風呂を1日止めるというのは地味に重い。ベビーバスはもう卒業しています。この一点で、私は当面やらないと決めました。
材料の選び方も一段ややこしい
ホームセンターのコーキング材の棚を見に行ったんですが、種類が多くて驚きました。シリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系。浴室の水まわりにはシリコーン系が向いていると書かれていることが多く、さらに防カビ剤入りのものが別に並んでいます。
色も透明、白、アイボリー、グレーとあって、既存の色に合わせる必要がある。うちの浴槽まわりは白でした。ただ「白」の中にも微妙な差があるようで、隣に打つと違いが出る、という話も読みました。
それと、シリコーン系は上から塗装ができないので、あとで塗り替える可能性のある場所には使わないほうがいい、という注意も見かけました。浴室のゴム部分なら塗装しないので関係ないんですが、こういう前提が製品ごとにあるのを知らずに買うのは怖い。
コーキングガンも要ります。安いもので1,000円台。カートリッジが1本500〜900円くらい。マスキングテープとヘラを足して、全部で3,000円前後というのが調べた範囲の目安でした。業者に頼むと浴室1箇所で1万円台から、という価格を掲げている会社が複数ありました。ここも幅が大きいので、頼むなら相見積もりを取ると思います。
硬化についても製品ごとに差があります。表面が乾いて触れるようになるまでが数十分から1時間程度、内部まで固まる完全硬化はさらに時間がかかる、という二段構えで説明されているものが多かったです。表面が乾いたから大丈夫だろうと水をかけると、中が固まっておらず後から縮む、という失敗談も見ました。ここは説明書きの数字をそのまま守るしかない部分だと思います。
賃貸で自分でやっていいのか
これが一番引っかかった点です。
コーキングの打ち替え自体は建物の構造をいじる話ではないので、原状回復で問題になるとは思いにくい。ただ失敗した状態のほうが、放置より悪い可能性があります。剥がす途中で浴槽のFRPや壁のパネルにカッターの傷を付けたら、それは自分でつけた傷です。表面がガタガタのコーキングを打ってしまえば、次に直すのは業者になります。
加えて、水まわりの防水は「見た目の問題」ではなく水が壁の中に入るかどうかの話です。素人が打ち直して隙間ができ、そこから水が入って下の階に影響が出たら、金額の桁が変わります。
調べていくと、賃貸の場合はまず管理会社に相談を、という書き方をしている記事が多かったです。私も同じ結論になりました。経年劣化と判断されれば貸主の負担で直る可能性がある。うちはまだ入居3年目なので、退去まで持たせる方向で考えています。
いまはテープで蓋をしている
打ち替えを保留する代わりに買ったのが、コーナー用の防水テープです。688円。浴槽と壁の境目に貼る、断面がL字に折れる柔らかいテープで、防カビ加工がされていて、剥がすときに糊が残りにくいと書かれているタイプ。
貼るにあたって効いたのは、貼る前に完全に乾かすことでした。湿ったまま貼ると端から浮きます。うちは風呂を使わない朝に、換気扇を回して2時間ほど放置してから貼りました。それでも角の部分は少し浮きます。カーブしている場所に真っ直ぐなテープを貼るので、当然といえば当然です。
良いのは、黒いコーキングが見えなくなること。これは精神衛生上かなり違います。悪いのは、テープと壁の隙間に新しく水が入る点で、要は問題を先送りしているだけだという自覚はあります。3ヶ月くらいで貼り替えるつもりで、剥がしたときに下がどうなっているかを見る予定です。
あと、貼り直しがきくと書いてあっても、一度剥がすと粘着は明らかに落ちます。位置決めは一発でやったほうがいい。私は5cmほどずれて貼り直し、その区間だけ端が浮きやすくなりました。
それと、テープを貼ったことで掃除の手順がひとつ増えました。境目をブラシでこすれなくなるので、テープの上を軽くスポンジで拭くだけになります。楽になったのか手抜きになったのか、微妙なところです。少なくとも黒い線を毎日見なくて済むという効果は確実にありました。
次に劣化するのはどこか
ついでに家じゅうのコーキングを見て回りました。浴槽まわり以外にも、洗面台と壁の境目、キッチンのシンクとカウンターの継ぎ目、それに窓のサッシまわりにも使われています。
洗面台の裏側は、歯ブラシで軽くこすったら黒が落ちました。ここは表面の汚れだった。キッチンのシンク周りは白いままで問題なし。ということは、うちで劣化しているのはお湯と洗剤が直接当たり続ける場所だけということになります。
だとすると、対策は打ち替えより先に使ったあとに水気を残さないことのほうが効くはずです。今は入浴後にスクイジーで壁の水を落として、換気扇を朝まで回すようにしました。電気代は24時間換気の延長分なので、月に数十円のレベルだと思います。これを始めてから、他の場所の黒ずみは進んでいません。
最後に
コーキングの打ち替えは、道具を揃えれば3,000円ほどでできる作業です。ただし乾燥待ちを含めると1日仕事で、失敗すると自分の過失になる。賃貸で、しかも小さい子どもがいる家では、そこまでの手間とリスクを取る場面ではないというのが今の判断です。
いつか持ち家に住むことがあったら、そのときは自分でやってみたい。少なくとも手順は頭に入りました。今は688円のテープと、風呂上がりのひと拭きで持たせています。
この記事は家の修理の個別記事です。賃貸でどこまで自分でやるかは家の小さな不具合を自分で直す|賃貸でどこまでやるかで整理しています。

