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洗面台の水が引かなくなりました。歯を磨いて水を出しっぱなしにすると、ボウルの底に3cmほど溜まって、止めてから20秒かけてゆっくり減っていく。完全に詰まってはいないけど、明らかに流れが悪い。
こういうとき、真っ先にパイプクリーナーを買いに行きたくなります。私も最初はそうしました。ただ薬剤は「溶けるもの」にしか効かないので、順番を間違えると1本無駄になる。実際に無駄にしたので、その順番を書いておきます。
手順1 どこが詰まっているのかを切り分ける
最初にやるのはこれです。道具も薬剤も要りません。
家じゅうの排水を順番に流します。洗面台、キッチン、浴室、洗濯機、トイレ。うちの場合、流れが悪いのは洗面台だけで、他は普通でした。1箇所だけなら、その器具の近くで詰まっている可能性が高い。逆に複数箇所が同時におかしいなら、その先の共用の縦管や建物側の配管が疑わしくなります。
集合住宅で複数箇所が同時に流れない、あるいは使っていないのに他の排水口から水が上がってくるような症状が出ているなら、自分でどうこうする話ではありません。管理会社に連絡するのが先です。共用部分の詰まりを自分でつつくと、下の階に影響が出る可能性があります。
この切り分けに5分。ここで「洗面台だけ」と分かったので、以降は洗面台に集中しました。
手順2 見えるゴミを全部取る
洗面台の排水口には、ヘアキャッチャーが入っています。うちのはポップアップ式で、レバーを上げると栓が上がるタイプ。この栓は上に引き抜けます。
抜いたら、想像の3倍の量の髪と、白いドロっとしたものが付いていました。石けんカスと皮脂が固まったものだと思います。これをティッシュで拭き取って、栓を戻して水を流したら、この時点で流れが半分くらい戻りました。
ここまで薬剤ゼロ。使ったのはティッシュとゴム手袋だけです。もしこの日にパイプクリーナーを買っていたら、その効果だと勘違いしていたはずです。
キッチンの場合はもう少し部品があって、ゴミ受けカゴの下に「排水トラップ」の椀型の部品が入っていることが多い。これも回して外せます。私は外して、内側にこびりついた油汚れをスポンジでこすりました。外す前に写真を撮っておくと戻すときに迷いません。私は1回、椀の向きが分からなくなって10分悩みました。
手順3 お湯を流す。ただし熱湯は使わない
油や石けんカスが原因なら、お湯で緩む場合があります。ただし温度に注意が必要でした。
排水管は多くが塩ビなどの樹脂で、熱湯を流すと変形や劣化の原因になるとされています。目安として60度程度までにするよう案内している資料が多かったです。給湯器の設定を40〜50度にしてしばらく流す、くらいがちょうどいい。
沸騰したやかんの湯を直接注ぐのはやめたほうがいい、というのは複数の水道業者のサイトで注意されていました。特にトイレは陶器なので、熱湯で割れるおそれがあります。ここは「熱いほど効く」と考えがちな部分なので、逆方向の注意が要ります。
うちは50度のお湯を洗面台に2分ほど流しました。多少改善しましたが、まだ完全ではない。次に進みます。
手順4 ラバーカップかワイヤー
ここからは道具の出番です。物理的に動かす方法が2つあります。
ひとつはラバーカップ、いわゆるスッポン。圧力で詰まりを動かします。洗面台で使うなら、オーバーフロー穴を塞ぐのを忘れないこと。ボウルの上のほうにある小さい穴です。ここが開いていると圧力が逃げて効きません。濡れタオルを押し当てて塞ぎます。
もうひとつがワイヤー。1,000円台から売られている、細いバネ状の線を排水管に押し込んでいく道具です。5mのものが一般的で、洗面台程度なら1〜2mも入れば十分届きます。回しながら押し込んで、引っかかる感触があったらそこで前後に動かす。
私はワイヤーを使いました。1.5mほど入ったところで抵抗があって、そこを何度か往復させたら、引き抜いたワイヤーの先に髪の塊が絡まってきました。これを取り除いたら、流れは完全に元通りです。
ワイヤーで気をつけたのは、無理に押し込まないこと。曲がっている部分で引っかかったときに力任せに押すと、管を傷つけたり、ワイヤーが管の中で折れたりするという注意を読みました。回しながら進めるのがコツで、抵抗が強いところで止めるのが正解です。
作業する場所の準備も書いておきます。洗面台の下は物置になっていることが多く、うちも掃除用品と洗剤の詰め替えが詰まっていました。ワイヤーを扱うと汚水が飛ぶので、全部出して、床に古タオルを敷いてから始めました。片付けの時間を含めると、実作業20分に対して前後の準備が30分。詰まりの解消そのものより、周辺の段取りのほうが長いというのが正直な感想です。
手順5 それでも駄目なら薬剤
ここまでやって改善しないなら、薬剤の出番になります。順番が最後なのは、薬剤は髪や油のようなものを溶かすためのもので、固形物には効かないからです。指輪やヘアピンが落ちて詰まっているなら、何本流しても意味がない。
使うなら、濃度の高い業務用寄りのものが売られています。パイプユニッシュのプロタイプのような濃縮タイプ。使うときの注意は2つで、放置時間を守ることと他の洗剤と混ぜないこと。塩素系と酸性のものが混ざると有毒なガスが出ます。同じ日に別の洗剤を使った排水口に流すのも避けたほうが無難です。
それと、放置しすぎるのも良くないという説明を見ました。溶けた汚れが再び固まる可能性があるためで、製品に書かれた時間を守る。長く置けば効くというものではないようです。
手順6 詰まらせない側に投資する
詰まりを直したあと、そもそも溜めない方向を考えました。うちで一番排水を汚しているのは、たぶん洗濯です。
子どもが生まれてから洗濯の回数が1日1回から2回に増えました。吐き戻し、離乳食、汗。洗剤の量も単純に倍です。洗濯排水は洗面所の防水パンから同じ系統に流れているので、ここが効いているはず。
それで洗剤を「緑の魔女」のランドリーに切り替えました。5Lを2個で5,780円。1回あたりのコストで見ると特別高くはありません。この洗剤は排水されたあとに配管内の汚れの分解を助ける設計とうたわれていて、パイプクリーナーの使用頻度が下がるという説明がされています。
正直に書くと、配管の中がきれいになったかどうかは目で確認できていません。切り替えて4ヶ月ですが、洗面台が再び詰まったことはない。ただそれがワイヤーで掃除したおかげなのか洗剤のおかげなのかは分けられません。断定できないことは断定しないでおきます。
使ってみて確実に言えるのは、香りがほとんどないこと。無香料に近く、柔軟剤の匂いが好きな人には物足りないと思います。妻は最初「洗った感じがしない」と言っていました。あと5Lのボトルが重い。実測で5.3kgあって、洗面所の棚には置けず、床に直置きしています。詰め替え用のポンプを別に買いました。
洗浄力そのものは、離乳食のにんじんの染みには弱いです。そこは部分洗いしてから回しています。
あとは月1回、排水口のヘアキャッチャーを外して洗うのを決まりにしました。カレンダーに入れています。3ヶ月放置したものを掃除するより、1ヶ月ごとに30秒かけるほうが圧倒的に楽で、これは実感として確かです。今回の詰まりも、要は3年分の蓄積でした。半年ごとの点検リストにも項目として足してあります。
最後に
薬剤を最後に回した結果、今回の詰まりは薬剤なしで解決しました。使ったのはゴム手袋とティッシュとワイヤー、それに50度のお湯だけ。かかった費用はワイヤー代の1,200円ほどです。
最初に買ったパイプクリーナーは、使わないまま洗面台の下に置いてあります。切り分けを先にやっていれば買わずに済んだ1本でした。順番を間違えると、直る前に金だけ減ります。
この記事は家の修理の個別記事です。賃貸でどこまで自分でやるかは家の小さな不具合を自分で直す|賃貸でどこまでやるかで整理しています。

