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内祝いの品物は30分で決まりました。カタログギフトにする、金額帯は相手ごとに2つに分ける、以上。そこまでは早かったんです。止まったのはそのあとで、添えるメッセージカードの文面を考えるのに2時間かかりました。しかも書き上がったものを翌朝読み返して、全部書き直しています。
ネットで拾える文例は山ほどあるのに、そのまま使うと嘘くさい。かといって自由に書くと今度は長すぎる。この記事は、私が20枚ほどカードを書いたあとで「最初からこう考えればよかった」と思った順番をそのまま書いたものです。なお、内祝いのマナーそのものは調べた範囲の話であって、地域や家によってかなり違います。そこは断ったうえで読んでください。
品物を決めた時点で、カードの役割はもう決まっていた
うちが選んだのは、価格帯の違うカタログギフトを2種類です。上の帯が8,000円台のもの、下の帯が3,000円台のもの。カタログギフトにした理由は単純で、贈った相手が20人を超えていて、一人ひとりの好みを把握しきれなかったからです。
実際に自分でも中身を確認したくて、1冊は手元に残して開いてみました。掲載点数が多いぶん、ページをめくる時間そのものがちょっとした体験になっている。ただ弱点もはっきりしていて、「相手のことを考えて選んだ感」はゼロです。当たり前ですが、選ぶのは受け取った人なので。
ここで気づいたんですが、それならカードのほうで補うしかない。品物が「選ぶ楽しさ」を担当するなら、カードは「あなただからこれを送っている」を担当する。役割分担がはっきりした時点で、書くべき内容がだいぶ絞れました。逆にいうと、名入れのお菓子みたいに品物側にメッセージ性がある場合は、カードはもっと短くていいはずです。
最初に書いた文面が、翌朝読めたものじゃなかった
一度目に書いたのは、検索して出てきた文例をつなぎ合わせたものでした。「このたびは温かいお祝いをいただき誠にありがとうございました」「心ばかりの品をお送りいたします」「今後ともよろしくお願い申し上げます」。全部どこかで見た文です。
問題は、それを20人分並べたときに誰に送っても成立してしまうことでした。宛名を差し替えれば全員に使える。それはつまり、受け取った側から見ても「誰にでも送っている文章」に見えるということです。妻に見せたら「印刷物みたいだね」と言われて、まあその通りでした。
もう一つ失敗したのが長さです。最初のバージョンは1枚に250字ほど詰め込んでいて、出産のときの状況とか、これからの抱負とか、余計なことを書いていました。カードの実寸に手書きで写してみたら、2枚目に折り返したうえに字がどんどん小さくなる。読み手の負担を考えていませんでした。結論として、カード1枚に収まる100〜120字が上限だと思っています。これは私が試した結果の数字で、マナーとして決まっているわけではありません。
結局この4つだけ書けば成立した
書き直しのときに決めた型があります。順番も含めてこれで固定しました。
- お礼(いただいたことへの感謝)
- 子どもの名前と読み方
- 相手にだけ当てはまる一文
- 結びのひとこと
3つ目が肝で、ここだけ全員違うものを書きました。会社の先輩なら「復帰後もご迷惑をおかけしますが」、学生時代の友人なら「そのうち顔を見せに行きます」、親戚なら「落ち着いたら連れて帰ります」といった具合です。1行だけです。1行だけなんですが、これがあるかないかで文章の温度がまったく変わりました。
名前の読み方を入れたのは、うちの子の名前が読み方に迷う字を使っているからです。祝いの席で名前を呼ぶときに困らせたくなかった。これは実用としてかなり効いていて、後日「読み方が書いてあって助かった」と言われたのが2人いました。
逆に削ったのが、出産の経緯です。何時間かかったとか、何グラムだったとか。身内には話したくなる情報なんですが、職場の人に送るカードに書くと重い。体重や出生日は書かない、というルールにしてから文面が一気に短くなりました。これも家によって考え方は違うはずで、うちの親戚は逆に知りたがっていたので、実家周りには別途メッセージアプリで送っています。
忌み言葉と句読点の話は、調べたけど深追いしなかった
調べてみると、お祝いごとのメッセージでは「切れる」「終わる」「失う」といった言葉を避ける、という説明をよく見かけます。加えて、句読点は「終止符を打つ」ことを連想させるので使わないという流儀も紹介されていることが多い。改行と空白で区切る、という書き方ですね。
これをどこまで守るかはかなり迷いました。実際に句読点なしで書いてみると、短い文なら読めるんですが、100字を超えると急に読みづらくなる。「ご出産のお祝いをいただき ありがとうございました」くらいの長さなら成立しますが、そこに一文足すと途端に息継ぎの場所が分からなくなります。
私の判断としては、目上の親戚には句読点を使わない、同世代の友人には普通に使うという運用にしました。根拠があるわけではなく、気にする可能性が高い相手にだけ合わせたという話です。この手の作法は地域や家の慣習で本当にばらつきがあるようで、正解を一つに決めようとしないほうがいい気がしています。妻の実家に確認したら「そんなの気にしたことない」と言われましたし、うちの祖母は逆にかなり気にする人でした。
手書きにするか印刷にするかで、また止まった
文面が決まったあと、今度は書き方で止まりました。20枚を全部手書きすると、単純計算で1枚5分でも100分かかります。しかも私は字が汚い。
試したのは3パターンです。全文手書き、全文印刷、そして本文は印刷で最後の一文と署名だけ手書き。実際にサンプルを3枚作って並べてみました。全文印刷は、読みやすいけれど請求書みたいに見える。全文手書きは温かいんですが、私の字だと10枚目あたりから明らかに崩れていて、後半の人に申し訳ない。結局、折衷案の3つ目を採用しました。手書きは1枚あたり30秒程度で済むので、20枚でも10分で終わります。
カード自体は、レトロ文房具のミニレターセットを使いました。「タイムスリッぷ」という名前で、昭和の家具や小物をかたどったダイカットの便箋と、そこから絵柄がはみ出す封筒が組みになっているもの。1セット396円です。同僚や友人にはこれを使って、目上の親戚には無地の縦書きカードを別に用意しました。
これを選んだのは、書ける面積が最初から決まっているからでした。型抜きされているぶん、実際に文字を置ける範囲は普通の便箋よりかなり狭い。100字を超えると入りません。長く書きすぎる自分の癖に対して、紙のほうが上限を決めてくれる。前の章で「100〜120字が上限」と書きましたが、この数字はこのカードの実寸から出たものです。
短所もあります。まず1セットの入り数が少ない。20人分をこれ一本でまかなおうとすると、何セットも買うことになります。私は途中で足りなくなって追加注文し、届くまで3日空きました。次に、絵柄が主張します。昭和の小物のイラストが好きな人には刺さりますが、内祝いという場面では砕けすぎだと感じる相手もいるはずで、私が親戚に使わなかったのはそのためです。あと、封筒から便箋がはみ出す作りなので、品物の箱に同梱すると角が折れやすい。私は最初の2通で折り目を付けてしまい、書き直しています。
誰に何を書いたか、記録しておかないと事故る
20人分を数日に分けて書いていたら、途中で「この人にはもう書いたか」が分からなくなりました。カードを封筒に入れて積んでいくので、外からは判別できない。
途中から、いただいた品と送った内祝い、カードの文面のうち相手に合わせた一文だけをノートに控えるようにしました。これを最初からやっておけば、書き直しのときに全体を見渡せたはずです。特に親戚間で内容が回覧される可能性を考えると、兄弟に送った文面が丸かぶりしていないかは確認しておいたほうがいい。うちは義理の姉妹2人に、ほぼ同じ一文を書いていたことに後から気づきました。
記録の道具はノートでも表計算でも何でもいいと思います。うちは育児日記を兼ねた市販のダイアリーの後ろのメモ欄を使いました。専用のノートを買うほどの量ではなかったので。ただ、メモ欄が5ページ分しかなくて、20人書いたら住所を書くスペースがなくなったのは誤算でした。
最後に
2時間迷った末に落ち着いたのは、「お礼」「名前」「その人にだけの一文」「結び」の4行だけという、拍子抜けするほど短い形でした。文例を探していた時間のほとんどは、書くべきでないことを書こうとして詰まっていた時間だったと思います。
相場も作法も、調べれば調べるほど「地域や家によって違う」に行き着きます。それなら、迷う部分は最小限にして、自分で決められる部分に時間を使うほうがいい。カードの3行目に何を書くかは、少なくとも誰かのマナー記事ではなく自分で決められる場所でした。
この記事は贈り物の個別記事です。内祝いで何に迷ったかの全体は出産内祝いで贈る側になった|半年で分かったことで振り返っています。

