※ この記事にはプロモーションが含まれています。
カバンに文庫を1冊入れて出かけると、帰る頃には角が丸くなっています。表紙の右下が斜めに折れて、白い紙の断面が出る。私はこれを3冊続けてやりました。本自体は読めるので実害はないんですが、棚に戻したときに1冊だけ形が違うのが気になる。ブックカバーを4種類試して、今はサイズ調整できる布のものを使っています。中身の話ではなく、持ち運びで本がどう傷むかという物の話です。
カバンの中で本が傷む原因は3つあった
在宅勤務が中心なので、毎日持ち歩くわけではありません。それでも、子どもの健診の待ち時間や、妻と交代で出る用事のときに1冊入れていきます。月に10回くらい。
傷み方を観察すると、原因は大きく3つでした。ひとつは角の圧迫。カバンの中で本が斜めに入っていると、底や側面にぶつかった角に力が集中します。文庫のカバーは紙一枚なので、これで簡単に折れる。
ふたつめが摩擦です。うちのバックパックの内側はナイロン地で、歩くたびに本の表紙とこすれます。ツルツルした光沢のあるカバーほど、こすれた跡が白く残りやすいと感じました。
3つめが水分。夏場、汗をかいたシャツと同じ空間に本を入れておくと、湿気で表紙が波打ちます。ペットボトルの結露も同じです。私は一度、汗拭きシートの袋から漏れた液で本の下端を濡らしたことがあります。乾いても、その部分だけ紙が波打ったまま戻りませんでした。
本を守るというのは、角と表面と水分を守るということでした。この3つが分かってから、選ぶ基準がはっきりしました。
試して外した3つ
1つめ|書店でもらう紙のカバー
いちばん手軽です。無料だし。ただ、紙なので摩擦には勝てません。1週間持ち歩くと角がよれてきます。あと、折り返しの幅が本の厚さに合っていないと、読んでいる途中で外れる。これは3日でやめました。
2つめ|透明のビニールカバー
水分と摩擦には強いです。1枚100円くらいで買えるのも良かった。ただ、うちの環境では2つ問題がありました。まず、夏場に本の表紙とビニールの間で結露のような曇りが出たこと。これは私の使い方が悪かった可能性もありますが、直射日光の当たる車内に置いた日に起きました。
もうひとつ、角の保護にはならないこと。ビニールは薄いので、外から力が加わればそのまま本に伝わります。守れているのは表面だけでした。
3つめ|革製の高いブックカバー
4,000円くらいの革のカバーも買いました。質感は良いです。今も持っています。ただ、うちでは常用にならなかった。理由は重さで、実測で185gありました。文庫本が150gなので、カバーのほうが重い。本より重い装備を、本を守るために足すのは本末転倒でした。
あと、革は文庫専用サイズだったので、新書や四六判には使えません。うちは持ち歩く本の判型が固定されていないので、これが致命的でした。
サイズを調整できる布のカバーに落ち着いた
今使っているのは、サイズをオーダーできるタイプの布製ブックカバーです。価格は約1,490円。文庫、新書、四六判、B6、A5、コミックなど、複数の判型に対応した仕様のものを選びました。
判型を選べるのが決め手でした。うちは持ち歩く本が文庫のときもあれば、四六判のときもある。専用サイズを判型ごとに買うと、1,490円が4つで6,000円近くになります。フリーサイズで調整できるものなら1つで足りる。
重さは実測で42gでした。革の185gと比べると4分の1以下です。文庫に付けても、体感でほとんど変わりません。この差は毎回カバンに入れるかどうかの判断に直結します。軽いから、迷わず付けたままにできる。
角の保護については、布1枚ぶんの厚みが増えるだけですが、これが意外と効きました。3ヶ月使っていて、表紙の角が折れたことは一度もありません。布が力を受け止めて、その分だけ本に伝わる力が減っているんだと思います。紙のカバーとの差は、たぶん厚みと張りの違いです。
不満は3つある
まず、名入れができる仕様のものを選んだんですが、私はこれを使いませんでした。人前でカバンから出すことを考えると、名前が入っているのは少し抵抗があった。贈り物なら良い機能だと思います。自分用に買うなら、名入れなしを選んで問題ないと感じました。
次に、布なので水には弱いです。ビニールカバーのように水をはじきません。うちは飲み物と同じ側のポケットに本を入れないルールで運用していますが、雨の日に濡れる可能性はある。防水を最優先するなら、この選択は違うと思います。
3つめ、厚い本への対応です。フリーサイズとはいえ、折り返しで調整する構造なので、厚さ3cmを超えると余裕がなくなります。うちで試したところ、厚さ2.5cmくらいまでは問題なく、3cmでかなりぎりぎりでした。それ以上の本には別のものが要ります。
あと細かい点ですが、布に一度しわが付くと取れにくいです。うちのものは開封時に折りじわがあって、1週間くらいは目立ちました。今は使っているうちに馴染んでいます。アイロンをかけていいかは表示を確認したほうがいいと思います。
汚れについても書いておきます。布なので、手の脂や食べ物の汚れは付きます。うちは子どもの離乳食の時間帯に本を触ることがあるので、3ヶ月で袖口あたりが触れる部分がうっすら黒ずみました。洗えるかどうかは製品の表示次第ですが、私は中性洗剤で部分的に手洗いして、陰干ししています。1回洗って形は崩れていません。革だとこの気軽さはないので、ここは布の利点だと思っています。
カバンの入れ方も変えた
カバーだけで解決したわけではありません。並行して、カバンへの入れ方も見直しました。
いちばん効いたのは、本を立てて入れることです。以前は空いているところに斜めに突っ込んでいました。斜めに入ると、下になった角1点に全体の重さがかかる。背表紙を下にして垂直に立てると、力が背の面全体に分散します。うちのバックパックにはノートPC用の仕切りがあって、そこに一緒に立てるとちょうど収まりました。
もうひとつ、荷物の量です。子どもと出かけるときは、おむつやミルクの道具でカバンがぱんぱんになります。この状態で本を足すと、確実にどこかで圧迫される。今は、荷物が多い日は本を持たないことにしました。持って行っても待ち時間に読めないことのほうが多いので、実害はありません。
本が傷むかどうかは、カバーより先にカバンの中の余裕で決まります。順番としては、入れ方を直してからカバーを足すほうが効率がいいと思います。
結局、何を守りたいかで選ぶものが変わる
4種類使ってみて思ったのは、ブックカバーは目的がはっきりしないと選べないということです。水から守りたいならビニール、質感が欲しいなら革、角を守って軽くしたいなら布。全部を満たすものは、少なくとも私は見つけられませんでした。
私が優先したのは、毎回付けたくなる軽さと、判型が変わっても使えることでした。持ち歩く頻度が月10回で、本の判型が固定されていないという条件から出た答えです。毎日同じ判型を持ち歩く人なら、たぶん革の専用サイズのほうが満足度は高い。実際、私の革のカバーは今、家で読む文庫専用として使っています。無駄にはなっていません。
1,490円で、3冊分の角の折れが防げていると考えれば、悪くない出費だと思っています。本の状態を気にするなら、持ち歩き方から見直すのが先で、カバーはその一部という感覚です。
この記事は本の置き場所と道具の個別記事です。置き場所を決めるまでの全体は本が増えた家で置き場所を決めた|読む前に置き場所にまとめています。

