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ドライバーは1本あれば足りると思っていました。プラスのやつ。実際、引っ越してから半年はそれでなんとかなっていたんです。破綻したのは、テレビ台の背板を留め直そうとしてネジ頭を2本潰したとき。原因は力でも腕でもなく、単純にドライバーの先端が大きすぎたことでした。ネジには番手があって、合っていないドライバーを使うと必ず舐めます。当たり前の話なんですが、私は知らずに1年半暮らしていました。何本必要だったのか、うちの実物で数えた結果を書きます。
家の中のネジを実際に数えたら4種類あった
気になったので、休日に家じゅうのネジを見て回りました。ドライバーで回せそうなものだけ、ざっと。
まず、家具の組み立てネジ。ダイニングテーブル、テレビ台、本棚、ベビーベッド。ここは十字のプラスで、大きさはいわゆる2番が中心でした。プラスドライバーで一番よく使うサイズです。次に、家電の裏ぶたや電池ぶたのネジ。加湿器のフィルターカバー、体温計、子どものおもちゃ。これは1番から、もっと小さいものだと0番以下でした。3つ目が、私の仕事まわり。ノートPCの底面、外付けSSDのケース、Nintendo Switchのコントローラ。ここはトルクス(星形)と、極小の十字が混ざっています。4つ目が、家具の六角ボルト。これはドライバーでは回りません。
つまり、1本で足りるわけがなかった。プラスだけでも最低3サイズ、それにトルクスと六角が加わる。ネジの種類の話ではなく、同じ十字でもサイズが違うというのが私の最大の見落としでした。
番手が合わないと何が起きるか
プラスドライバーの番手は、小さいほうから0番、1番、2番、3番という並びです。家庭で出番が多いのは1番と2番。組み立て家具はほぼ2番で、精密機器は1番より小さい領域です。
合っていないとどうなるか。2番を1番のネジに当てると、先端がネジ溝の底まで入りません。浅く引っかかった状態で回すので、力が溝の壁の上のほうにだけかかる。すると十字の角が削れて、丸い穴になります。これが「ネジを舐める」状態。私が潰した2本はまさにこれでした。
逆に、小さすぎるドライバーを大きいネジに使うと、先端のほうが先に負けます。ドライバーの刃先がねじれて丸くなる。100円ショップで買った2本セットのプラスは、半年でこうなりました。返品はしていませんが、今思えばあの時点で買い直すべきでした。
舐めたネジは、輪ゴムを噛ませる、専用の滑り止め液を使う、といった対処法が紹介されていますが、うちのテレビ台のネジは輪ゴムでは回りませんでした。結局そのネジ穴は諦めて、隣に別の位置で留め直しています。背板なので実害はないものの、直せなかった失敗としてはっきり残っています。
3種類のドライバーを使い比べた
100円ショップの2本セット
プラスとマイナスが1本ずつで110円。結論から言うと、緊急用としては悪くないけれど常用には向きませんでした。刃先の硬度が足りず、少し固いネジで力をかけると先端が変形します。あと、グリップが細くてトルクがかからない。ネジを緩めるときに一番力が要るのは最初のひと回しなんですが、そこで手のひらが滑ります。
ホームツールセットに入っている汎用ドライバー
家庭用の工具セットを1つ持っておくと、2番相当のプラスとマイナスはたいてい入っています。グリップが太いので力は入るし、家具の組み立てならこれで完結します。うちは4,880円ほどのセットを使っていて、家具のネジ締めの9割はこの1本で足ります。
ただ、精密側はカバーできません。刃先が大きいので、体温記録用の温湿度計の電池ぶたみたいな小さいネジには物理的に入らない。ここが埋まらないまま、しばらく爪や包丁の先で回そうとして、案の定ネジ穴を1つ傷めました。危ないのでやめたほうがいいです。
精密ドライバーセット
最終的に買い足したのが、ビットが138本入っている精密ドライバーセットです。約3,680円。アルミのグリップに、S2鋼のビットを差し替えて使うタイプで、トルクス、六角、ポジドライブ、Y字、三角といった特殊形状まで一通り入っています。
使ってみて一番ありがたかったのは、グリップの後ろが回転すること。人差し指を尻に当てて押さえたまま、親指と中指でくるくる回せるんです。小さいネジは力よりも回転数が要るので、この構造だと明らかに速い。子どものおもちゃの電池交換が、体感で半分の時間になりました。うちは電池ぶたにネジがあるおもちゃが3つあって、単4を月に2回は替えているので、この差は地味に効きます。
不満もあります。まず、138本のうち私が実際に使ったのは、半年で11種類でした。トルクスのT5とT6、プラスのPH0とPH00、あとは六角の小さいの。残りは一度も出番がありません。ケースが大きいぶん、収納の場所を取ります。あと、ビットが磁石で保持されるタイプなので、ケースをうっかり傾けるとビットが数本ずれて、どこに何が入っていたか分からなくなる。番号の刻印が小さくて、私は老眼ではないですが薄暗い場所だと読めません。
それと、これは仕様なのですが、グリップが細いので固く締まった大きいネジには使えません。トルクをかけるとビットのほうが心配になります。精密は精密、家具は家具で分ける前提の道具です。1本で全部やろうとして失敗した人間が言うのもなんですが、ここは分けるのが正解でした。
マイナスドライバーは、ネジを回す以外で使っている
意外だったのがマイナスです。うちの家にあるネジで、マイナスのものは数えて2箇所しかありませんでした。カーテンレールの端の部品と、古い延長タップのカバー。それだけ。
じゃあ要らないかというと、月に何回か使っています。用途がネジ回しではなくて、こじ開けとこそげ落とし。ベビーチェアのプラスチックカバーを外すとき、缶のフタが固いとき、家具の脚に貼ったフェルトの残りを剥がすとき。要は硬くて薄い板として使っています。
ただ、これをやるとドライバーの先端は確実に傷みます。本来の使い方ではないので当然です。私はホームツールセットに入っていたマイナスをこの用途専用にして、ネジを回すつもりはもうありません。精密セットのマイナスビットでこれをやると刃先が欠けるので、そちらは絶対に使わないようにしています。荒く使う道具と、精度が要る道具を分けるのは、ドライバーに限らず正解でした。
ビットの規格は、買う前に見ておくと迷わない
精密セットを買うときに、私が比較で見たのは3点でした。
1つ目がビットの材質。S2工具鋼と書かれているものが多くて、うちのセットもS2です。安価なセットにはCR-V(クロムバナジウム鋼)のものもあって、こちらは粘りがあるぶん硬さでは劣ると紹介されていることが多い。小さいネジを高いトルクで回す場面では、先端が変形しにくいほうが安心です。
2つ目が軸径。精密ドライバーのビットは4mm径が主流で、これが合っていると別売りのビットや電動ドライバーと共用できることがあります。うちは電動ドライバーも持っているんですが、あちらは6.35mmの六角軸なので互換はありませんでした。買う前に確認しておけばよかった点です。
3つ目が、延長シャフトとフレキシブルシャフトの有無。家具の裏や、壁との隙間が5cmしかない場所でネジを回す場面が実際にありました。うちのセットには短い延長軸が付いていて、テレビ台の裏で1回だけ助かっています。年に1回の出番でも、無いと詰むタイプの付属品です。
結局、何本あればよかったのか
うちの答えは、太いプラス2番が1本、太いマイナスが1本、そして精密用のビットセットが1つ。この3つで、この半年に発生した修理は全部片付いています。
順番としては、まず家庭用の工具セットを買って、精密なネジで困った時点で精密セットを足す、が無駄がないと思います。私は逆に、安いドライバーを買っては潰すのを2回繰り返してから両方買ったので、110円と330円を捨てました。金額は大したことないけれど、その間にネジを3本ダメにしているので、実損はもう少し大きい。
ネジ1本のために工具を選ぶのは面倒に見えますが、逆です。合った工具を当てると、固いと思っていたネジがあっさり回る。力任せにしていた頃の自分に、それだけ伝えたい。
この記事は家の修理の個別記事です。賃貸でどこまで自分でやるかは家の小さな不具合を自分で直す|賃貸でどこまでやるかで整理しています。

