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おさがりをもらう側になって最初に分かったのは、服そのものより、置き場所のほうが先に問題になるということでした。うちは今年の6月に妻の姉から段ボール2箱を受け取って、そこから2ヶ月ほど、リビングの端に箱が居座っていました。中身は悪くない。むしろ良い。ただ、開けた瞬間に「これをどこに収めるのか」が解けなくなったんですよね。
もらう前にやっておくべきだったことがはっきりしたので、その話を書きます。子どもは生後6ヶ月、いま着ているのは70と80です。
段ボール2箱が玄関に置かれた日
義姉の子は5歳と3歳。上の子のときから服を取ってあって、うちに第一子が生まれたと聞いて送ってくれました。事前に「けっこう量あるけど大丈夫?」とは聞かれていて、私は何も考えずに「助かります」と答えています。
届いたのは、みかん箱くらいの段ボールが2つ。持った感じで片方が7kgくらい、もう片方が5kgくらいでした。玄関からリビングまで運ぶのに、妻と2人がかりで往復した時点で、量の感覚を完全に見誤っていたことに気づきました。
うちは2LDKの賃貸で、子どものものを置く場所は寝室のクローゼット下段と、リビングの3段チェストだけです。そこはすでに、新生児期から買い足してきた肌着とロンパースで埋まっています。空きスペースはほぼゼロ。段ボールは開けられないまま、テレビの横に3週間置かれることになりました。
中身を数えたら62着あった
意を決して中身を全部出して、床に並べて数えました。結果、62着。内訳をざっくり言うと、80サイズが12着、90が18着、100が20着、それ以上が12着くらい。あとは靴下と帽子が十数点。
ここで気づいたのが、いま着られるサイズがほとんど入っていないという当たり前の事実です。義姉の子はもう5歳と3歳ですから、手元に残っていたのは大きいサイズが中心になる。70はゼロ、80が12着。うちの子が80をしっかり着るのは、たぶん今年の冬から。90に至っては1年以上先です。
つまりうちが受け取ったのは、「今すぐ使えるもの」ではなく「1年後から3年後に使うもの」でした。おさがりは基本的にそうなります。相手の子が大きくなっているから譲れるわけで、当然といえば当然なんですが、もらう前は「服が増える」としか思っていませんでした。
状態も見ました。62着のうち、そのまま使えそうなのが45着くらい。首まわりが伸びているもの、前身頃に落ちない染みがあるものが12着ほど。プリントがひび割れているものが5着。私は状態の悪い17着を写真だけ撮って処分することにしました。義姉には「全部ありがたく使わせてもらいます」と伝えていますが、正直に言うと全部は使っていません。ここは黙っておく判断をしました。
ありがたいと置き場所がないは両立する
おさがりの話で厄介なのは、感謝と困りごとが同時に発生することです。もらってよかったのは本当。置き場所がないのも本当。この2つは矛盾しません。
うちの場合、45着を保管するのに必要なスペースは、たたんで積んで、だいたい幅40cm×奥行40cm×高さ50cmくらいでした。衣装ケース1つ分。それを1年以上、生活空間のどこかに置き続けることになります。賃貸の2LDKで、この体積を確保するのは軽い話ではありませんでした。
私が失敗したのは、もらう返事をする前に、家の空き容量を測らなかったことです。エンジニアの仕事だと、データを受け取る前に受け皿のサイズを確認するのは基本中の基本なのに、家では何もしていない。「服だから畳めばなんとかなる」と思っていました。なりませんでした。
次に誰かからおさがりの話が来たら、私はまず「どのサイズが何着くらいですか」と聞きます。失礼な質問に聞こえるかもしれませんが、量が分かれば置き場所を先に用意できる。用意できなければ、量を絞ってもらう相談ができます。受け取ってから困るより、受け取る前に相談するほうが、たぶんお互いにとってましです。
選別に使った3つの基準
45着を「残す」「保留」「返す・回す」に分けるとき、私が使った基準は3つでした。
- その季節にそのサイズを着る計算が合うか。80の半袖は、うちの子が80になる時期が冬なので、ほぼ着ないまま終わる
- 肌に直接触れるものかどうか。肌着とスタイは、状態が良くても新品を買う方針にした
- 枚数が足りているか。ロンパースはすでに12枚あるので、おさがりで増えても回転が上がらない
この3つで、45着が28着まで減りました。残り17着は義姉に事情を話して、別の家庭に回してもらっています。全部抱え込まないことが、結果的に一番ありがたい対応だったと思っています。
収納を先に決めたら、おさがりが怖くなくなった
28着に絞ってもなお、置き場所は足りませんでした。それで買ったのが、引き出し式のプラスチック収納ケースです。日本製の「プラスト」というシリーズで、ほこりの入りにくい壁タイプの半透明。1つ約1,280円でした。クローゼットの下段に積んで、いま着ないサイズをそこに寝かせておく前提で選んでいます。
選んだ理由ははっきりしていて、積み重ねられることと、同じものを後から買い足せることです。うちの寝室のクローゼット下段は、幅が74cmしかありません。そこに収まる奥行と高さで、足りなくなったら同じ型を1つ増やせるもの。この条件で探すと、意外と選択肢が絞られました。おさがりの上のサイズは引き出しにたたんで入れ、いま着る70と80だけはリビングのチェストに残す、という分け方にしています。壁タイプというのは引き出しの周囲が囲われている構造のことで、1年以上しまいっぱなしにする服にはこれが効きます。前に使っていたオープンな棚は、半年で肩のあたりに薄くほこりが乗りました。
不満もあります。1つの引き出しに入るのは、たたんだ80サイズで13〜14着が限界でした。28着を収めるつもりが1つでは足りず、結局もう1つ買い足して合計約2,560円。最初から2つ買う前提で計算しておけばよかったです。あと、積み重ねる方式なので、下の段を開けたいときに上の段が邪魔になる場面がある。うちは上に軽いもの、下に重いものを入れて頻度で並べ替えました。それと半透明とはいえ、透けて見えるのは服の色の塊だけで、何サイズが入っているかまでは分かりません。
それでも、置き場所が決まったことの効果は大きかった。箱がなくなったというより、次にもらったときの判断ができるようになったのが本当の変化です。引き出しの残り容量が見えるので、「あと何着なら受け取れる」が数字で言える。
引き出しにサイズを書いた紙を貼った
もうひとつやったのが、引き出しの前面にマスキングテープを貼って、油性ペンで「80」「90」と書くことです。100円もかかっていません。地味ですが、これが一番効きました。
おさがりの管理でしんどいのは、中を開けないと何サイズが入っているか分からない点です。うちは3週間のあいだに、段ボールを4回開け直しています。そのたびに全部出して、また戻す。1回15分として、1時間を無駄にしました。サイズが外から見えるだけで、この作業がゼロになります。
妻とのやり取りも変わりました。前は「あの水色のカバーオールどこ?」から始まっていたのが、今は「80の引き出し」で終わる。探し物の会話が減ったことのほうが、収納が増えたことより体感の効果は大きかったです。育児中の15分は、そのまま自分の睡眠時間から引かれていくので。
渡す側になる日のことを考えるようになった
うちの子が70と80を卒業したら、今度はこちらが渡す側になります。そのとき何をするかは、もうだいたい決めました。
まず、渡す前にサイズと枚数を先に伝える。「80が15着くらいあるけど、何着いる?」と聞く。相手に断る余地と、絞る余地を残しておきたい。今回、私は「全部いります」としか言えず、結果として17着を義姉に返すことになりました。あの往復は、最初に量を聞いていれば起きていません。
それと、状態の悪いものは自分の側で処分してから渡す。もらった62着のうち17着は使えませんでした。捨てる判断を相手にさせるのは、思っていた以上に負担のかかることです。染みの付いたロンパースを手に取って「これは捨てます」と決めるのは、他人の思い出を勝手に処分している感覚があって、地味に気が重い。
季節も伝えたいところです。80の半袖が12着あっても、うちの子が80になるのは冬。サイズが合っていても季節が合わなければ着ないまま終わるというのは、今回もらってみて初めて実感しました。渡すときは「この12着は夏物です」と一言添えるだけで、相手の計算がだいぶ楽になるはずです。
最後に
おさがりは、たぶん多くの家庭で「ありがたいけど、ちょっと困る」という扱いになっていると思います。うちもそうでした。困った原因は相手ではなく、受け皿を用意していなかったこちら側にあります。
いま義姉から「まだ箱あるけどいる?」と聞かれたら、私は「80と90を10着ずつくらいなら」と答えられます。断るのではなく、量を決めて受け取る。これが2ヶ月かけて出た結論でした。子どもが90を着る頃には、また同じ判断をすることになりますが、そのときは段ボールを3週間放置しなくて済むはずです。
この記事は子ども服の個別記事です。半年で何を失敗したかの全体は子ども服の買い方が分かってきた|半年で失敗した順に並べるにまとめています。

