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家中の照明をLEDに替えたら電気代が下がるはず。そう思って1年かけて入れ替えたんですが、検針票の数字は下がりませんでした。むしろ上がっています。理由ははっきりしていて、同じ期間に子どもが生まれて、エアコンの使用時間が倍以上になったからです。
照明の節電効果がゼロだったという話ではありません。計算上は効いているけれど、家全体の変動に埋もれて見えない。この記事は、その「見えない効果」を紙の上で計算し直して、どこまで意味があったのかを確認したメモです。
まず、電気代の計算式を確認した
照明の電気代は単純です。消費電力(W)÷1000×点灯時間(h)×電気料金の単価。それだけ。
単価は契約プランによって違いますが、目安として1kWhあたり31円という数字がよく使われています。これは全国家庭電気製品公正取引協議会が示している目安単価として紹介されていることが多い数字です。実際のうちの明細を見ると、燃料費調整額や再エネ賦課金が乗るので、単純な従量単価とは一致しません。あくまで比較用の物差しとして使います。
この式で、白熱電球60W(実測ではなくカタログ値)とLED電球7.8Wを比べます。1日5時間、30日点けた場合。
白熱の場合、60÷1000×5×30=9kWh。31円をかけて約279円。LEDだと7.8÷1000×5×30=1.17kWhで、約36円。差は月243円です。年間だと約2,900円。1箇所あたりで、です。
うちの場合、そもそも白熱がなかった
ここで問題が出ます。うちの賃貸には、入居時点で白熱電球が1個もありませんでした。全部LEDか蛍光灯です。2020年代の物件だとそういう家は多いと思います。
つまり、私がやった「照明の入れ替え」は、LEDからLEDへの置き換えがほとんどでした。7.8Wを7Wに替えても、月の差額は3円です。年間36円。節電目的でLEDからLEDに買い替えるのは、はっきり無意味だという結論になりました。
唯一まともに効いたのが、洗面所の直管蛍光灯です。20W形が2本で、器具込みの実消費はもう少し大きい。ここをLEDに替えたことで、計算上は月に100円前後の差が出ているはずです。ただし、これは器具ごと管理会社に交換してもらったもので、私が自分でやった工事ではありません。器具の配線が絡む交換は電気工事士の資格が要る範囲なので、そこは連絡して対応してもらいました。
効いたのは消費電力より、点いている時間だった
計算をやり直して気づいたのは、式の中で自分がコントロールできるのは時間の項だけだということです。W数はもう下限に近い。時間は、まだ削れる余地がありました。
うちで一番の無駄は、玄関と廊下の消し忘れでした。子どもを抱いて帰ってくると、手がふさがっているのでスイッチを触れない。点けっぱなしのまま部屋に入って、そのまま数時間。妻に指摘されるまで気づかないというのを、月に何度もやっていました。
7Wの電球を3時間余計に点けても、電気代は月に20円程度です。金額としては誤差です。でも、消し忘れが気になってストレスになるほうが問題でした。それで人感センサーライトを入れました。
こまめに消すのが正しいのか、という話
調べていて気になったのが、「照明はこまめに消すと寿命が縮むから、短時間なら点けたままのほうがいい」という説です。蛍光灯についてはよく言われる話で、点灯のたびに電極が消耗するという理屈でした。
LEDについては、蛍光灯ほど単純ではないようです。点滅そのものが素子を痛めるという話は見かけない一方で、点灯時に電源回路に負荷がかかるという説明はある。実際、うちで最初に壊れたLED電球は、家の中で一番オンオフの回数が多い洗面所のものでした。ただ、それが原因だと切り分けたわけではありません。
電気代の観点だけで言えば、LEDは点灯時の突入電流が電気代に影響するほどのものではないので、消したぶんだけ得です。数十秒でも消したほうが安い。ただ、その差は1回あたり0.01円のオーダーなので、気持ちの問題以上のものにはならないというのが計算した結果でした。
人感センサーライトを玄関と廊下に置いた
買ったのが、屋内用の人感センサーライトの2個セットです。クーポンが出ていて、1個あたり600円台。3色モードで、白・暖色・中間が切り替えられます。
配線は不要で、内蔵バッテリーをUSBで充電する方式。付属のマグネット金具を両面テープで壁に貼って、本体をくっつける形です。賃貸なので、剥がせるタイプの両面テープを別途用意しました。うちは玄関の靴箱の側面と、廊下のクローゼットの上に付けています。
使ってみた実感としては、玄関は完全に成功、廊下は微妙でした。
玄関は、ドアを開けて入った瞬間に点きます。抱っこしたままでも手が要らない。20秒ほどで自動的に消えるので、消し忘れという概念がなくなりました。夜遅く帰ったときに、天井の照明を点けずに済むのも良かったです。
廊下がいまひとつな理由はセンサーの反応範囲です。うちの廊下は幅が狭くて、真下を通ると反応が一拍遅れる。歩き終わる頃に点くことがあります。センサーの検知角度が横方向に広い設計のようで、正面から近づく動きには強いけれど、真下を横切る動きは苦手なのだと思います。設置場所を2回変えましたが、完全には解決していません。
もうひとつの不満が充電です。うちの使用頻度だと、だいたい1ヶ月半から2ヶ月でバッテリーが切れます。切れると当然点かない。壁から外して、USBケーブルをつないで、数時間充電して、また貼る。この手間が地味に面倒です。乾電池式なら電池交換で済みますが、それはそれで電池代がかかる。節電のために手間を増やしている感は否めません。
1年分の数字を並べてみる
正直に数字を出します。うちの電気使用量は、2025年の同じ月と比べて増えています。月によりますが、20%から30%くらい多い。内訳は明細では分かりませんが、増えた要因は明白です。
在宅勤務でエアコンを1日中つけるようになったこと。子どもが生まれて、室温を一定に保つようになったこと。加湿器と空気清浄機が常時稼働していること。この3つの前では、照明の数十円は誤差にもならない。
家中の照明を計算し直すと、うちの照明全体の消費は月に5kWh前後、金額にして160円くらいという見積もりになりました。仮に照明を全部消しても、月160円しか下がらない。ここを削る努力の費用対効果は、極めて低いという結論です。
それでも替える理由があるとしたら
じゃあ照明を替える意味はないのかというと、そうは思っていません。ただし、理由が電気代ではなくなります。
私の場合は、色を揃えたかった、暗い場所を明るくしたかった、消し忘れをなくしたかった。この3つです。結果として電気代が少し下がるのは、おまけくらいの位置づけ。最初から「電気代のために」と考えると、投資額を回収する前に飽きます。
もし今、白熱電球や古い蛍光灯が家に残っているなら、話は変わります。60Wの白熱が5箇所あれば、年間1万4,000円ほどの差になる計算です。その場合はLED化に明確な経済合理性があります。うちには残っていなかった、というだけの話でした。
最後に
電気代の話をするときは、まず自分の家に何が何個あるかを数えるところから始めるべきでした。私はそれをやらずに「LEDにすれば安くなる」という一般論だけで動いてしまった。数えてから計算すれば、5分で「これは効かない」と分かったはずです。
照明で削れるのは、うちだと月160円が上限。エアコンの設定温度を1度動かすほうが、たぶん効きます。そちらはまだ検証していないので、機会があれば別で書きます。
この記事は照明の個別記事です。家の明かりを1年でどう変えたかは家の照明を1年かけて変えた|明るさより配置で振り返っています。

