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家の照明を1年かけて入れ替えました。結論から書くと、効いたのは「明るくしたこと」ではなく「明かりの数を増やして低い位置に散らしたこと」でした。天井のシーリングライトを高いものに買い替える前に、テープライトや小さなライトを足したほうが、体感の変化は大きかったんです。
前提を先に書いておきます。我が家は妻と私と、生まれて5ヶ月の子どもの3人。都内近郊の2LDK賃貸で、リビングダイニングが約12畳、寝室が6畳、私の作業部屋が5畳ほど。賃貸なので配線工事はできません。天井は引掛シーリングなので、そこにぶら下がるものなら自分で交換できる。逆に言うと、ダウンライトを増やすとか、壁にスイッチを足すといった工事はすべて不可。この制約の中で1年やった記録です。
最初にやったのは「一番明るいシーリングライト」を買うことだった
去年の秋、子どもが生まれる前の準備でリビングの照明を替えました。当時の判断基準は単純で、畳数表示が大きいものを選べば失敗しない、というものです。12畳のリビングに、14畳対応と書かれた製品を付けました。
結果、明るくはなりました。ただ、部屋の印象は良くならなかった。天井の真ん中に強い光源が1つあるだけなので、部屋の隅、特にソファの後ろとダイニングテーブルの端が暗いままなんですよね。中央だけが白く光っていて、周辺が沈む。写真を撮ると分かりやすくて、テーブルの上の料理に自分の頭の影が落ちます。
そのころ、夜に妻とテレビを見ていて「なんか会議室みたいだね」と言われました。それが正しい表現だったと思います。明るさの総量は足りているのに、居心地は悪い。ここが出発点でした。
明るさは足りていた。足りなかったのは配置だった
照度計のアプリを入れて、リビングの何ヶ所かを測ってみました。正確な機器ではないので絶対値は当てになりませんが、同じ条件で比べる分には参考になります。
天井の真下、床から70cmのテーブル面はかなり明るい。一方、そこから2mほど離れた壁際は、数値が半分以下になっていました。光は距離の二乗で弱くなるので、1つの光源で12畳全体を均一に照らすのは物理的に無理なんです。当たり前のことなんですが、実際に数字で見るまでピンときていませんでした。
ここで方針を変えました。天井のライトをさらに強いものに替えるのではなく、暗いところに小さい明かりを足す。合計の消費電力はほとんど変わらないか、むしろ減る方向で、部屋の見え方だけを変える。この1年やったのは基本的にこれだけです。
天井は「安い調光調色」で十分だった
方針転換のあと、天井のシーリングライト自体は、むしろ安いものに替えました。楽天でよく見かける調光調色のLEDシーリングライトで、1,000円ちょっと。リモコンが付いていて、明るさが10段階、色温度も切り替えられるタイプです。
この価格帯を選んだ理由は3つあって、まず調光と調色ができれば、天井の役割は「全体をぼんやり底上げすること」で足りると判断したこと。次に、賃貸なので引っ越しのときに外して処分する可能性があること。そして、リモコンが1つ付いていれば、夜に子どもを抱いたまま片手で暗くできること。
Amazon側だと、Coizaberaというブランドの6畳用28W・3600lmの製品が同じような位置づけで、5年保証が付いている分こちらのほうが安心感はあります。値段は数倍しますが、天井のものは高い場所にあって交換が面倒なので、保証を買うという考え方も理解できます。私は安いほうを選んで、壊れたら買い直す方針にしました。
不満もはっきりあります。安いシーリングライトは、リモコンの反応が渋いことがある。うちのものは、ソファの端から斜めに向けると1回目で反応しないことが週に何度かあります。それと調色の段階が粗く、電球色と昼白色の中間あたりが自分の好みに合いませんでした。中間を細かく詰めたい人は、この価格帯だと厳しいと思います。
あとカバーの取り付けが少し固くて、最初に付けるとき10分ほど格闘しました。回して爪をはめる形式なんですが、脚立の上で頭上に向かって力を入れる作業なので、正直あまり気持ちのいい作業ではありません。これは1人でやらず、2人でやったほうがいいです。
足したのは3種類。順番にも意味があった
天井を据え置きにしたうえで、1年かけて足していったものが3種類あります。
1つ目はテープライト。テレビの裏と、キッチンの吊り戸棚の下に貼りました。テレビ裏は暗い壁が明るくなるだけで、画面とのコントラストが下がって見やすくなる。吊り戸棚の下は、まな板の上に自分の影が落ちなくなるので、実用的な効果が大きかったところです。
2つ目はフロアランプと小さいスタンド。ソファの横と、ダイニングの隅。天井から2mも離れて弱くなっていた場所に、直接光源を置きました。夜、子どもが寝たあとはこの2つだけ点けて、天井は消しています。
3つ目はセンサーライト。廊下と洗面所のコンセントに挿すタイプ。深夜の授乳やおむつ替えで移動するとき、スイッチを探さなくていいのが想像以上に楽でした。
この順番は偶然ではなくて、効果が大きい順に足していったつもりです。ただ振り返ると、センサーライトを最初にやるべきだったと思っています。1,000円ちょっとで、夜間の動線が変わる。効果の大きさに対して値段が一番安かったのがこれでした。
足していく過程で気づいたのは、明かりを増やすと、天井を点ける時間が減るということです。以前は帰宅してまず天井のスイッチを入れていました。いまはフロアランプから点けて、必要なときだけ天井を足す。1日のうち天井を100%で点けている時間は、たぶん1〜2時間くらいまで減りました。夕飯の支度と食事のあいだだけです。
それに、光源が分散していると、片方が切れても生活が止まりません。以前、天井のライトが点かなくなった夜があって、あのときは本当に何もできなかった。いまは同じことが起きても、フロアランプで夕飯は食べられます。冗長性という言い方をすると大げさですが、明かりが1つしかない部屋はけっこう脆いです。
失敗もいくつかある
まず、間接照明を狙って買った小型のクリップライトを1つ返品しています。壁に向けて光を反射させるつもりで買ったんですが、光が拡がらず、壁に楕円形の明るい斑点ができただけでした。反射で拡散させるには、光源自体がある程度広がっているか、壁までの距離が要る。クリップライトのように光が絞られているものは向いていませんでした。1,900円の勉強代です。
それと、シーリングライトの畳数表示を信じすぎたのも失敗のうちに入ります。うちのリビングは壁紙が白ではなく、少しグレーがかったベージュ。天井も同系色です。同じ製品を白い壁の部屋に付けたときと比べると、跳ね返ってくる光の量が違う。畳数表示は部屋の色や形を織り込んでいない数字なので、あくまで出発点として見るものだと今は思っています。同じ12畳でも、細長い部屋と正方形に近い部屋では、必要な光源の数が変わります。
もうひとつ、寝室に調光できないタイプの電球を付けてしまった時期があります。深夜に子どもの様子を見るのに、100%か消灯しかない状態。真っ暗の中でスマホの画面を明かり代わりにする日が2週間ほど続きました。寝室は明るさより「弱く点けられること」が要件で、そこを最初に外していた。すぐに調光できる電球に替えました。
照明と目の疲れや眠りの関係については、いろいろな説明を見かけますが、私は自分の体で比較実験をしたわけではないので断定はしません。夜は色温度の低い光のほうが落ち着くとされている、という程度に受け止めて、実際は「そのほうが自分たちが快適だったから」という理由で運用しています。
1年やって残った基準
いまの我が家の照明は、リビングに天井1つと床置き2つ、キッチンに手元灯1つとテープライト1本、廊下と洗面所にセンサーライト、寝室に調光できる電球。合計の光源数は7つに増えましたが、消費電力の合計はむしろ下がっています。天井を100%で使う時間が減ったからです。
いま人に聞かれたら、こう答えると思います。先に測って、暗い場所を特定する。そこに小さい明かりを足す。天井を買い替えるのは最後。これで、うちは1年でだいたい満足のいく状態になりました。かかった費用は全部合わせて2万円弱。最初に「一番明るいシーリングライト」を買っていたときの1台分と、そう変わらない金額です。
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