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蛍光ペンで一番困っていたのは、裏写りでした。ノートの片面に線を引くと、裏のページにうっすら色が出る。両面を使う前提で書いているので、これが地味にストレスでした。それと、引いた線が乾く前に手が触れて、指の側面が黄色くなる。この2つを解決したくて、固形タイプのマーカーを試しました。液体ではなく、クレヨンのような固形の芯で線を引くタイプです。半年使った結果を書きます。
そもそも線を引きすぎていた
道具の話の前に、使い方の話をします。私は蛍光ペンの使い方が下手でした。
資料を読みながら「大事そう」と思ったところに線を引く。1ページ読み終わると、半分くらいが色つきになっている。全部が大事ということは、何も大事ではないのと同じです。あとで見返しても、どこを見ればいいか分からない。
これを直すために、自分でルールを決めました。1ページに引ける線は3本まで。読み終わってから引く。読みながら引かない。この2つです。
読みながら引くと、その文が重要かどうかを判断する材料が足りません。3ページ先まで読んで初めて「さっきのあれが結論だった」と分かることが多い。だから読み終わってから戻って引く。手数は増えますが、線の意味は明らかに濃くなりました。
ルールを決めてから、蛍光ペンの消費量が激減しました。以前は3ヶ月で1本使い切っていたのが、今は半年経ってもまだ残っています。これはこれで、道具を選ぶ意味が薄れる話でもあるんですが。
液体タイプの困りごと
それでも道具を替えたのは、裏写りが解決しなかったからです。
普通の蛍光ペンは水性インクを紙に染み込ませます。紙が薄いと、当然裏まで届く。私が使っているノートは1枚あたりの厚みが薄いタイプで、蛍光ペンの黄色は裏からはっきり見えました。青やピンクだともっと目立つ。
紙を厚いものに替えるという解決策もあります。実際、ロディアのような裏抜けしにくい紙のノートだと、蛍光ペンでもほとんど気になりません。ただ、私が線を引きたい対象は印刷した資料が多くて、そっちはコピー用紙です。コピー用紙は薄いので、どうやっても裏に出ます。
もうひとつが乾き待ちです。線を引いてすぐページをめくると、反対のページに色が移る。数秒待てばいいだけの話なんですが、資料を読んでいるリズムの中で数秒待つのは意外とストレスでした。
固形マーカーを買ってみた
そこで買ったのが、繰り出し式の固形蛍光マーカーです。WEMATEというブランドの9本セットで、価格は1,299円くらい。1本あたり145円くらいの計算になります。
構造はリップクリームに近くて、軸の底を回すと蛍光色の固形芯が出てくる。この芯を紙に押し当てて線を引きます。芯の太さは6mmくらいで、太めの蛍光ペンと同じくらいの線幅になりました。
使ってまず驚いたのが、本当に裏写りしないことです。インクではないので紙に染み込まない。コピー用紙に引いても、裏を見ると何も見えません。これは期待どおりでした。
乾き待ちもゼロです。引いた直後に指でこすっても、色が伸びません。固形なので当たり前といえば当たり前なんですが、蛍光ペンで手を汚さなくなったのは快適でした。線を引いてすぐページをめくれる。
あと、これは想定していなかったんですが、キャップがないので置きっぱなしにできます。液体の蛍光ペンはキャップを閉め忘れると乾いて使えなくなる。私は過去に3本くらいこれで駄目にしています。繰り出し式は乾く要素がないので、回して引っ込めるのを忘れても壊れません。
正直な短所
いい話ばかり書きましたが、不満は少なくありません。
まず、線がきれいに引けません。固形の芯は紙との摩擦が大きいので、すーっと引くというより、押しながらこする感じになります。定規に沿わせても、線の端がガタつく。液体の蛍光ペンで引いた線と比べると、明らかに雑な見た目です。ノートを人に見せる用途なら気になると思います。
次に、細かい部分に引けない。芯が6mm幅の四角い形状なので、1、2文字だけ強調するといった使い方は苦手です。芯の角を使えばある程度細く引けますが、角はすぐ丸くなります。私は「文の一部だけ」ではなく「その文全体」を塗る使い方に変えました。
3つめは、削りカスが出ること。固形なので、こするたびに微量の粉が紙に残ります。手で払えば取れる程度ですが、ノートを閉じるとページの間に落ちる。机の上にも溜まるので、週に1回くらい拭いています。
4つめ、これが一番の不満なんですが、繰り出しすぎると折れます。芯を出しすぎた状態で強く押し当てると、根元からポキッといく。私は最初の1ヶ月で2本折りました。芯は2mmくらいだけ出して使うのが正解で、慣れるまでは折ると思っておいたほうがいいです。
あと、9本セットというのは私には多すぎました。実際に使っているのは黄色とオレンジの2本だけ。ピンクや紫は半年で一度も使っていません。9本で1,299円という価格は魅力的なんですが、使う色が2、3色なら、その分だけ単色で買ったほうが合理的かもしれません。
色は減らしたほうがいい
色数の話をもう少し書きます。
私は最初、色に意味を持たせようとしました。結論は黄色、根拠はオレンジ、疑問は青、といった具合に。これは1週間ももちませんでした。線を引く瞬間に「これは結論か根拠か」を分類する手間が発生して、読むリズムが止まる。
今は黄色1色です。オレンジは、黄色で引いた中でさらに重要なものにだけ重ねて引く。実質2段階だけ。これで十分でした。
色を減らすと、視覚的にも読みやすくなります。5色使ったページは、正直言って見づらい。目がどこに行けばいいか分からない。1色なら、色がついているところだけ見ればいい。
この考え方は付箋のときと同じで、道具の種類を増やすより、判断する回数を減らすほうが結果的に使う量が増えるという話です。
液体タイプを完全にやめたわけではない
固形マーカーが万能かというと、そうでもありません。私の机には液体の蛍光ペンも1本残っています。
使うのは、線をきれいに引きたいときです。手帳の週の区切りに線を引くとか、人に渡す資料に印をつけるとか。見た目が問われる場面では液体のほうが圧倒的に上です。
それと、細い線が必要なとき。0.5mmや1mm幅で引けるペン先を持つ製品もあって、単語1つを囲むような使い方はこちらでないとできません。
逆に固形が向いているのは、自分しか見ない資料に、速く、汚れずに引きたい場面です。私の場合は印刷した仕様書やAPIドキュメントがこれに当たります。裏面も使うので、裏写りしないことがそのまま紙の節約になっている。
半年使っての結論
1,299円で9本というのは、試す価値のある値段だと思います。少なくとも裏写りと乾き待ちという2つの不満は、確実に消えました。
ただ、線の見た目にこだわる人には勧めません。固形マーカーの線は、どうやってもきれいにはならない。私は自分しか見ない紙にしか引かないので許容できていますが、ここは好みが分かれると思います。
紙との相性もあります。私が試した範囲では、コピー用紙と一般的なノートの紙では問題なく発色しました。逆に、コート紙のようなツルツルした表面だと乗りが悪くて、色が薄くまだらになります。写真やパンフレットの紙に引くのは向いていません。それと、インクジェットで印刷した文字の上に引くと、まれに文字がわずかにこすれることがありました。レーザープリンタの出力では起きていません。
買うなら、まず自分が蛍光ペンをどこに引いているかを見直すほうが先かもしれません。私の場合、道具を替えたことより「1ページに3本まで」というルールを決めたことのほうが、結果的には効いていました。道具は、そのルールを守りやすくしてくれた程度の役割です。
この記事は文房具の個別レビューです。紙に戻ってきた理由と道具の全体は画面ばかりの毎日で紙に戻った|使っている道具で振り返っています。

