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ボールペンを選ぶ基準は2つあると思っています。書き味で選ぶか、替芯の入手しやすさで選ぶか。この2つは両立するようでいて、実際に何本か買うとけっこう衝突します。私は書き味だけで選んで失敗した経験があって、今は替芯を先に見るようになりました。ペン立てに3本しか入っていない今の状態に落ち着くまでに、たぶん15本くらい買っています。
書き味で選んで失敗した1本
2年ほど前、文具店で試し書きをして、その場で一番なめらかだったペンを買いました。海外メーカーのもので、価格は3,000円ちょっと。金属軸でずっしりしていて、紙の上を滑る感触が明らかに違いました。
問題は3ヶ月後です。インクが切れました。替芯を探したところ、国内の量販店には置いていない。ネット通販では見つかりましたが、1本1,200円で、しかも海外発送で届くのに2週間かかる表示。3,000円のペンの替芯が1,200円というのは、感覚的にかなりきつい。
結局、替芯を1回だけ買って、それが切れたときに使うのをやめました。今は引き出しの奥にあります。ペン本体は全く壊れていないので、これは製品の問題ではなく、私が買う前に替芯のことを一切考えなかったせいです。
この経験から学んだのは、ボールペンは本体を買っているようで、実際は替芯の供給ラインを買っているということでした。毎日使うなら、本体の値段より替芯が近所で買えるかのほうが効いてきます。
替芯の入手しやすさをどう測るか
私が今使っている判断基準は、身も蓋もないんですが「近所のコンビニか、駅前の文具店に替芯が置いてあるか」です。
これを満たすのは、国内メーカーの定番シリーズにほぼ限られます。三菱鉛筆のジェットストリーム、パイロットのアクロボール、ゼブラのサラサあたり。このへんは替芯が単独でぶら下がって売られています。価格も1本100円前後から、多色用でも数百円の範囲。
逆に言うと、限定色や海外モデル、あるいは新しく出たばかりのシリーズは、この基準では落ちます。私は限定デザインのペンを買いたくなる気持ちがあるんですが、そういうときは軸だけ限定で中身が定番の替芯、という組み合わせを選ぶようにしています。
もうひとつ見ているのが、替芯の規格が他社と互換かどうか。たとえば4C規格と呼ばれる細い替芯は複数メーカーが出していて、多機能ペンの中身を入れ替えられることがあります。ただ、これは長さや太さが微妙に違って入らないケースもあるので、確実ではありません。私も一度、入ると思って買った替芯が3mm長くて、ノックが戻らなくなりました。
いま使っているのは多機能ペン1本
試行錯誤の結果、今のメインはジェットストリームの4&1です。黒赤青緑の4色ボールペンとシャープペンが1本にまとまっているタイプ。価格は1,000円くらいで、名入れをしてくれる店もあります。
ボール径は0.38mm、0.5mm、0.7mmから選べて、私は0.5mmを使っています。最初に0.38mmを買って、細すぎたので0.5mmに変えました。方眼ノートに小さい字を書くなら0.38mmでもいけるんですが、私の場合はメモを速く書くので、細いと紙に引っかかる感じがあった。0.7mmはインクが出すぎて、裏抜けが気になる場面がありました。
使ってみて良かったのは、色の切り替えが早いことです。軸の側面に4色分のスライドと、上部にシャープのノックがある構造。図を描きながら「ここだけ赤」というときに、ペンを置かずに親指で切り替えられる。単色ペンを4本並べていた頃と比べると、明らかに色を使う回数が増えました。
あと、シャープペンが1本に入っているのが地味に効いています。私は消せる必要がある場面がたまにあって、そのためだけにシャープペンを別に持つのが面倒でした。今は1本で済んでいます。ただし0.5mm芯で、芯を入れる場所が上部のノックを外した中なので、補充がやや面倒です。
正直な不満を3つ
まず重さと太さです。私の個体は実測で約24gありました。単色のジェットストリームが11g前後なので、倍以上あります。軸の直径も太くて、長時間書くと親指の付け根が疲れる。私は1回に書く量が数行なので問題になりませんが、ノートを何ページも埋めるような使い方には向かないと思います。
次に、色を切り替えたつもりが切り替わっていないことがある。スライドを最後まで押し切らないと前の色のままなので、書き始めてから「あ、まだ黒だ」となる。慣れの問題ではあるんですが、月に何回かはやっています。
3つめは替芯のコストです。4色分の替芯を全部替えると、本体より高くなる場合があります。多色多機能用の0.38mm黒5本セットで数百円という価格帯なので、黒だけならそこまでではない。ただ、私の使用ペースだと黒だけが先に切れて、他の3色は半分以上残っている状態になります。黒だけ買い足す運用になるので、まとめ買いのセットが実質的な消耗品です。
あと細かい話ですが、名入れをすると当然ながら返品や交換がしにくくなります。私は名入れなしで買いました。人に贈るなら名入れは良い選択肢だと思いますが、自分用で書き味を確かめていない段階なら、まず名入れなしを1本試すほうが安全です。
書き味の話をもう少し
替芯を優先すると書き味を諦めることになるかというと、そこまで極端ではありません。国内の定番シリーズは、ここ10年でかなり書き味が良くなっています。
私が単色時代に使い比べた範囲では、なめらかさは低粘度油性インクが強い。ジェットストリームがこの代表格で、初めて使ったときは油性なのにこんなに軽く書けるのか、と思いました。書き出しのかすれも少ない。
一方で、線のくっきりさならゲルインクのほうが上です。私はサラサを1年ほど使っていた時期があって、黒の濃さは明らかにこちらが濃かった。ただ、乾くのが遅い。左手で書く人や、書いた直後に手をページに置く人は、こすれて汚れます。私は右利きですが、それでもノートを閉じるのが早すぎて反対ページに写ったことが何度かありました。
もうひとつ、ゲルインクは減りが速いです。同じ0.5mmでも、体感としてゲルは油性の半分から3分の2くらいの寿命でした。正確に計測したわけではないので断定はしませんが、替芯を買う頻度は明らかに増えました。替芯の入手性という点では、頻度が高いほど「近所で買えるか」の重要度が上がります。
私ならこう選ぶ
使う量で分けるのが分かりやすいと思っています。
1日にノート1ページ以下しか書かないなら、書き味重視で好きなものを選んでいい。インクが切れるまで1年以上かかるので、替芯の入手性はそこまで問題になりません。私が3,000円のペンで困ったのは、当時は仕事のメモを全部手書きにしていて、3ヶ月で使い切ったからです。
毎日それなりに書くなら、定番シリーズから選ぶほうが後々楽です。替芯が近所で買えて、切らしても翌日には復帰できる。私はこの安心感のために、多少の書き味は妥協していい派になりました。
そして、色を使い分ける習慣があるなら多機能ペン、そうでないなら単色。多機能ペンは太くて重い代わりに、机の上のペンが1本になります。私は減らすほうを優先しました。ペン立てに残っている3本は、この多機能ペンと、製図用のシャープペン、それと蛍光マーカーが1本だけです。
最後にひとつ、意外と効いた工夫を書いておきます。同じペンを2本買って、1本は机、1本はリビングに置くようにしました。子どもを見ながらリビングにいる時間が長いので、そこにペンがないと結局書かないんですよね。1,000円のペンなら2本買っても2,000円です。書く場所にペンがある状態を作るほうが、1本を吟味するより効果がありました。
この記事は文房具の個別レビューです。紙に戻ってきた理由と道具の全体は画面ばかりの毎日で紙に戻った|使っている道具で振り返っています。

