シャープペンシル|製図用に手を出した

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シャープペンシルに869円出したのは、たぶん高校生のとき以来です。それまでは多機能ペンに入っているシャープ機能で足りていました。手を出した理由は単純で、図をたくさん描くようになって、線の太さが安定しないのが気になり始めたから。製図用と呼ばれるタイプのペンを何本か見て、最終的にクルトガのローレットモデルを買いました。1年ほど使った実感を書きます。

そもそも何が不満だったのか

多機能ペンのシャープ機能で困っていたのは3点でした。

ひとつめは、芯が偏って減ること。シャープペンの芯は、書いているうちに片側だけが削れて斜めになります。すると線の太さが最初と最後で変わる。0.5mmで書き始めたはずが、途中から0.8mmくらいの太さになっている。図の中に細い線と太い線が混在すると、あとで見たときに「これは意味のある区別だっけ」と考えてしまう。

ふたつめは、グリップが滑ること。多機能ペンの軸はツルツルしたプラスチックで、力を入れると指が下にずれます。冬場の乾燥した手だと特にひどい。

3つめは、ペン先が見えにくいこと。多機能ペンは先端が太いので、線を引く場所が指と軸の陰に入ります。方眼のマス目に合わせて線を引きたいのに、狙った位置が見えない。

この3つを全部解決するとなると、専用のシャープペンを買うしかないという結論になりました。

製図用シャープペンとは何か

調べてみると、製図用と呼ばれるシャープペンにはいくつか共通する特徴があるようです。

ペン先が細長い金属パイプになっていること。これは定規に当てて線を引くための形状で、ペン先が定規の縁に密着します。それと同時に、書いている位置が見えやすい。グリップに滑り止めの加工があること。ローレットと呼ばれる金属の細かい溝や、ゴムのグリップが多いようです。あとは、重心が低めに設計されていて、先端側が重いこと。

もともとは製図板の上で線を引くための道具なので、CADが普及した今は本来の用途で使う人は少ないはずです。ただ、線の見やすさと持ちやすさは普通のノート書きでも効きます。文具店でも「製図用」として一般の売り場に並んでいることが多い印象でした。

候補として比べたのは、ぺんてるのグラフギア500と、三菱のクルトガ ローレットモデルの2本です。グラフギア500はローレット加工の金属グリップで、いわゆる正統派の製図用。価格は500円前後で見かけました。

クルトガを選んだ理由

最終的にクルトガのローレットモデルにしたのは、芯が偏る問題を機構で解決しているからでした。

クルトガというのは、書くたびに芯がわずかに回転する仕組みが入ったシャープペンです。紙にペン先を当てて離す動作のたびにギアが回って、芯が少しずつ向きを変える。結果として芯が円錐形に削れていって、片減りしにくい。

ローレットモデルはこの機構を金属グリップの軸に載せたもので、価格は869円くらい。標準の樹脂軸モデルが500円前後なので、300円ちょっとの差です。

三菱鉛筆 クルトガ ローレットモデル(0.5mm)M5-1017 1P-□ シャープペンシル シャーペン ペン 細字 定番 製図 勉強 ノー

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実物は思ったより重かったです。実測で約20g。樹脂の標準モデルが11g前後らしいので、倍近い。この重さは書いているときに効きます。筆圧をかけなくてもペン自体の重さで線が引けるので、力が抜ける感じがある。

グリップは金属に細かい溝が刻んであって、指がまったく滑りません。これは想像以上でした。冬の乾燥した手でも滑らない。持つ位置が固定されるので、長く書いても持ち方が崩れにくい。

1年使って分かった良い点

いちばん恩恵を感じているのは、やはり線の太さが揃うことです。

方眼ノートに画面遷移図を描くとき、四角を10個くらい並べます。以前は最初の四角と最後の四角で線の太さが目に見えて違っていたんですが、今はほぼ揃う。同じ0.5mmの芯で書いているのに、こんなに違うのかと思いました。

それと、芯を出す回数が減りました。片減りしていると先が尖った状態を保つためにこまめにノックする必要があるんですが、クルトガは削れ方が均一なので、そこまで頻繁に出さなくていい。1ページ書くのに以前は10回以上ノックしていたのが、今は4、5回で済んでいます。

ペン先の視認性も期待どおりでした。金属パイプが4mmくらい突き出ている形状なので、書いている点がよく見える。方眼の交点に合わせて線を引くとき、狙いがつけやすい。

あともうひとつ、これは想定していなかったんですが、机から転がり落ちなくなりました。グリップのローレットが引っかかるからだと思います。以前の多機能ペンは何度も床に落として、そのたびに拾っていました。

不満もある

まず、重さは万人向けではないと思います。20gという重量は、軽いペンに慣れている人には確実に重い。私は最初の1週間、書き終わりに手首が疲れました。今は慣れましたが、合わない人は合わないはずです。店頭で持てるなら持ってから買うほうがいい。

次に、クルトガの機構は筆圧をかけて紙から離す動作で回ります。つまり、一筆書きで長い線を引き続けると回りません。私のように短い線と文字が多い用途では効きますが、長い曲線を描くイラスト用途だと恩恵は小さいと思います。

3つめは、機構がある分だけ内部が複雑なことです。芯が中で折れたとき、普通のシャープペンより取り出しにくい。私は1回、芯を詰まらせて分解する羽目になりました。クリーニングピンが付属していますが、それでは届かない位置で折れていて、先端のパイプを外して裏から押し出しました。組み直すときにギアの向きが分からなくなって、15分くらい格闘しています。

あと、ローレットの溝に手の脂と黒鉛が溜まります。半年くらい使うと、溝が黒っぽくなってくる。私は歯ブラシと中性洗剤で洗いましたが、金属なので水洗いできるのは救いです。

芯の選び方で印象が変わる

本体を買ったあとで気づいたんですが、シャープ芯の硬度で書き心地がかなり変わります。

私は最初、家にあったHBを使っていました。方眼ノートに図を描くと、線が薄い。特にクルトガは筆圧をかけなくても書けるぶん、HBだと物足りませんでした。

Bに替えたら、これがちょうど良かった。線が濃く出て、消しゴムでもちゃんと消える。2Bも試しましたが、私には濃すぎて手が汚れました。ノートの反対ページに写るレベル。

芯は40本入りで200円台から買えるので、1種類ずつ試しても大した出費になりません。本体を1,000円かけて選んだのに芯が合っていない、という状態は普通に起こると思います。私も半年くらいHBのまま使っていて、Bに替えたときに「最初からこうすればよかった」となりました。

いま机の上でどう使っているか

役割としては、消す可能性があるものは全部このシャープペンです。図の下描き、計算、レイアウトの検討。ボールペンは消せないので、確定した内容や短いメモに使っています。

ジェットストリーム 名入れ ボールペン 名入れ ジェットストリーム 4&1 0.38mm 0.5mm 0.7mm 刻印 4色 uni 三菱鉛

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正直に言うと、869円のシャープペンで劇的に何かが変わったわけではありません。書けるものは同じです。ただ、図を描く回数は明らかに増えました。道具のストレスがないと、面倒だと感じる閾値が下がるんだと思います。以前は「文字で書いたほうが早いか」と考えていた場面で、今はとりあえず四角を描いている。

これから買うとしたら、0.3mmのモデルも試してみたいと思っています。方眼の5mmマスに書き込む文字が今より小さくできそうなので。ただ0.3mmは芯が折れやすいという話をよく見るので、私の筆圧だと折りまくる可能性が高い。しばらくは0.5mmのままです。

この記事は文房具の個別レビューです。紙に戻ってきた理由と道具の全体は画面ばかりの毎日で紙に戻った|使っている道具で振り返っています。

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