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うちのキッチンが暗い原因は、照明の性能ではなくて位置でした。天井のシーリングライトが調理する人の背中側にある。だから包丁を使うとき、まな板の上に自分の頭と肩の影がそのまま落ちます。天井のライトを明るいものに替えても、この影は濃くなるだけで消えません。
賃貸の2LDKなので、キッチンに配線を足す工事はできません。できるのは、コンセントから電源を取るか、充電式のものを置くか。その範囲で手元灯を1台入れて、半年ほど使っています。良かった点と、はっきりした不満を書きます。
キッチンで影が邪魔になるのは4ヶ所だった
まず、どこが暗いのかを整理しました。手元が見えなくて困る場面を1週間メモしてみると、だいたい4つに集約されます。
ひとつめがまな板の上。玉ねぎのみじん切りや、鶏肉の筋を取るとき。ふたつめがシンクの中。洗い物で、コップの内側に汚れが残っているかどうかが見えない。3つめがコンロの鍋の中。うちのコンロの上には換気扇のフードがあって、その下は完全に影になります。4つめが吊り戸棚と引き出しの中。奥のほうに何があるか見えない。
このうち、天井の照明でどうにかなるものはひとつもありませんでした。全部、体か家具が光を遮っていることが原因です。だから解決策は「前から光を当てる」しかない。
買ったのはセンサー付きのバーライト
選んだのは、SOAIYのセンサーライトです。細長いバー状の多目的灯で、手をかざすと点灯・消灯するタッチレス検知が付いている。調光と調色ができて、値段は3,000円弱でした。
これを選んだ決め手は、タッチレスであることです。キッチンで明かりを操作したくなるタイミングは、だいたい手が濡れているか汚れているときなんですよね。肉を触った手でスイッチを押したくない。手をかざすだけで点くのは、想像より快適でした。
取り付けはマグネットと両面テープの両方が付属していて、うちは吊り戸棚の下面に両面テープで貼っています。貼る前に一度、養生テープで仮止めして半日使ってみました。これはやってよかった。最初に貼ろうとしていた位置だと、光がシンクの手前までしか届かず、コンロ側が暗いままだったんです。手を動かす範囲と、光が当たる範囲は、実際に立ってみないと合っているか分からない。
いまは吊り戸棚の下面、手前から3cmほど奥に貼っています。手前ぎりぎりだと、立ったときに光源が直接目に入ってまぶしい。3cm下げるだけで視界から隠れて、光だけが手元に届きます。
半年使って、良かったところ
一番の変化は、まな板の上の影が消えたことです。光が前から来るので、影は体の後ろに落ちる。玉ねぎを切っているときに手元が見えている、というだけのことなんですが、包丁を使う不安がひとつ減りました。
次に、色温度を変えられるのが思ったより効いています。調理中は白めにしておく。食材の色で判断していることが多いので、ここをオレンジにすると熟れ具合や焼け具合が分かりにくくなります。逆に、夜に子どもが寝たあとで洗い物をするときは、一番暗い設定にして電球色に落とす。天井を点けずに洗い物が終えられるようになったのは、この製品を買って一番よかったところかもしれません。
タッチレスも、慣れると手が勝手に動くようになります。キッチンに入って、右手を上に振って点ける。1日に10回近くやっている動作ですが、スイッチを探す時間がゼロになった。
それと、うちは平日の夕飯を夫婦で交代制にしていて、片方が子どもを抱いて、片方が調理をします。抱っこしたまま片手で何かをする場面が多いので、片手でできる動作が増えるかどうかが道具の評価をかなり左右する。壁のスイッチを押しに行くのと、手を振るのとでは、抱っこ中の負担がまるで違います。この点だけで言えば、センサー付きを選んだ判断は正しかった。
不満もはっきりある
まず誤反応します。吊り戸棚を開けるときや、上の棚から調味料を取るときに、手がセンサーの前を通って消える。料理の途中で急に暗くなるのは、けっこう腹が立ちます。センサーの位置を把握して手の軌道を変えれば減りますが、ゼロにはなりません。妻はこれが嫌で、最初の1ヶ月は使うのを避けていました。
次に、明るさが十分とは言えないこと。バー1本ぶんの光なので、照らせる幅はだいたい30〜40cm。うちのシンクとコンロを1本でカバーするのは無理でした。手元灯は「全体を明るくする道具」ではなく「一点を照らす道具」だと割り切ったほうがいいです。うちは、コンロ側にはあとから別の明かりを足しています。
3つめに、油汚れが付きます。当たり前ですが、キッチンに置いているので表面に油が薄く乗る。月に1回はアルコールで拭いていますが、樹脂のカバーなので強く擦れません。3ヶ月目あたりから、拭いても取れない曇りが少し出てきました。
この曇りは明るさにも効いていて、買った当初と比べると、同じ設定でも少し暗く感じます。数値で測ったわけではないので気のせいかもしれませんが、透明なカバーの前に薄い膜が乗っているわけなので、落ちていないほうがおかしい。キッチンの照明は、汚れで性能が落ちる前提で選ぶべきでした。カバーが外せて丸洗いできる構造なら、もっとよかったと思います。
あと充電式である点は、良し悪しがあります。コードがないのは取り回しが楽ですが、使いたいときに切れていることが月に1回くらいある。うちは週末にまとめて充電する運用にして落ち着きましたが、電源から取れる位置なら、素直に有線のほうがいいと思います。
コンロ側は別の方法で埋めた
手元灯1本で足りなかったコンロ側は、テープライトで補いました。1mで1,800円ほどの、コンセントに挿すタイプ。換気扇のフードの内側の縁に貼っています。
これで鍋の中が見えるようになりました。ただ、貼る位置には注意が必要で、コンロの真上は熱と油が直撃します。うちはフードの手前側の縁、火から40cm以上離れたところに貼りました。それでも半年で両面テープが弱ってきているので、いずれ貼り直しが要ると思います。キッチンに貼るものは消耗品だと考えておいたほうがいい。
もっと素直な選択肢として、Amazonだと山善のキッチン手元灯があります。幅35.4cmで460ルーメン、昼白色の固定。センサーも調色もない代わりに、コンセントから電源を取る有線タイプで、価格も似た水準です。誤反応も充電切れも起きないという意味では、こちらのほうが道具として素直だと思います。私は調色が欲しかったのでセンサー付きを選びましたが、いま同じ選択をするか聞かれると、少し迷います。
手元灯を入れる前にやったほうがいいこと
買う前に、暗いと感じる場面を数日メモすることを勧めます。私はそれをやったおかげで、4ヶ所のうち3ヶ所は手元灯で解決して、残る1ヶ所は別の手段が要ると事前に分かりました。逆に、これをやらずに「キッチンが暗いから」で買っていたら、1本で全部が明るくなると期待して、たぶんがっかりしていたはずです。
照明と目の疲れの関係については、手元が暗いと疲れやすいとされる説明をよく見かけますが、自分で確かめたわけではないので断定はしません。ただ、手元が見えていないと単純に危ない。包丁を使う場所なので、私はそちらの理由で入れました。3,000円弱で、包丁を使うときの不安が減るなら、悪くない買い物だったと思っています。
この記事は照明の個別記事です。家の明かりを1年でどう変えたかは家の照明を1年かけて変えた|明るさより配置で振り返っています。

