ちらつきと演色性|安い電球で気づいたこと

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2年前に買った1個300円くらいのLED電球を、スマホのカメラ越しに見たら、画面に横縞が流れていました。肉眼では気づかなかったちらつきが、カメラでは見えた。これが照明を真面目に見直すきっかけでした。

そのあと、同じ場所に高演色をうたう電球を入れて比べています。結論としては、ちらつきと演色性は別の話で、安い電球はその両方で妥協していることが多いという理解に落ち着きました。ただ、どちらも「気にならない人には一生気にならない」種類の差でもあります。

スマホのカメラで確認できる

ちらつき、いわゆるフリッカーは、LED電球の中の電源回路が交流を直流に変換しきれていないと出ます。電源周波数に応じて明るさが細かく上下していて、それが目には残像でつながって見える。

確認方法は簡単で、スマホのカメラを起動して、電球を画面に映すだけです。うちの安い電球は、画面に横方向の縞が流れました。同じ条件で、パナソニックのシーリングライトを映してもほとんど出ない。カメラのシャッター速度と光の点滅が干渉して縞になる現象なので、機種や設定で見え方は変わります。それでも、家にあるもので比較できるという意味では十分でした。

もうひとつ試したのが、手を左右に速く振る方法です。ちらつきのある光の下では、手の残像が複数枚に分かれて見えることがあります。うちの安い電球ではうっすら分かりましたが、正直これは分かりにくい。カメラのほうが確実です。

ちらつきと目の疲れの関係については、そういう指摘があるとされている、という程度にとどめておきます。私の家で何かを測ったわけではないので、断定できません。ただ、カメラで撮った写真に縞が入るのは実害です。子どもの写真を室内で撮ることが増えたので、これは無視できませんでした。

演色性は、写真を見ると分かる

演色性は別の指標です。Raという数値で表されて、100に近いほど自然光の下での見え方に近いとされています。一般的なLED電球はRa80前後、高演色をうたう製品はRa90以上を表記していることが多いです。

実感として一番差が出たのは、食べ物でした。離乳食を作るようになって、にんじんとかぼちゃの茹で加減を見る機会が増えたんですが、Ra80クラスの電球の下だと、オレンジ系の色が沈んで見える。茹ですぎたのかどうかが判断しにくい。高演色の電球に替えたら、色の違いがはっきり分かるようになりました。

あとは肌の色です。子どもの顔をスマホで撮ったときに、安い電球の下だと妙に黄色くくすんだ写真になりました。ホワイトバランスを直しても、なんとなく不健康に見える。演色性が低いと、そもそも反射している光に特定の波長が足りていないので、あとから補正しきれないという説明を見かけました。これは自分の写真フォルダを見返して納得した部分です。

ダイニングにGU10のスポットを入れた

それで買い替えたのが、GU10口金のスポットライト用LED電球です。7WでRa90以上、ビーム角36度、直径50mmのJDR形。1個880円くらいでした。電球色と昼白色があります。

LED電球 GU10 7W ビーム角36° JDR φ50 直径50mm LED Ra90以上 スポット照明 電球色 昼白色 高演色性 ハロ

LED電球 GU10 7W ビーム角36° JDR φ50 直径50mm LED Ra90以上 スポット照明 電球色 昼白色 高演色性 ハロ

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うちはダイニングの天井に、引掛シーリングに挿すタイプの簡易ダクトレールを付けています。工事は不要で、賃貸でも原状回復できる範囲。そこにスポットを2灯下げて、食卓を照らす形にしました。GU10は差し込んで回すだけの口金で、E26のようにねじ込むわけではありません。ここは慣れが要ります。

使ってみて良かったのは、ビーム角36度という絞りが食卓とよく合うことでした。テーブルの上だけを明るくして、周囲は落とす。料理の色がはっきり出ます。演色性の効果というより、光を必要な場所に集めている効果のほうが大きいと思います。

不満もあります。まずこの絞りは、部屋全体を照らす用途にはまったく向きません。ダイニング全体を明るくしようとすると足りない。うちはシーリングライトと併用しています。単体で置き換えるつもりで買うと失敗します。

それと、GU10は日本の家庭では口金の入手性が高いとは言えません。近所のホームセンターで見たときは置いていませんでした。E26やE17なら駅前の店でも買えますが、GU10は基本的にネットで買うことになります。切れたときにすぐ調達できない、というのは地味なリスクです。

3つめ。私が買ったものは調光非対応でした。ダクトレール側に調光機能がないので実害はありませんでしたが、調光したいなら対応品を選ぶ必要があります。GU10の高演色で調光対応、となると選択肢がかなり減ります。

高演色に替えて、ちらつきはどうなったか

肝心のちらつきです。高演色をうたっていても、フリッカーが少ないとは限りません。この2つは別の設計項目なので、Ra90の表記があってもちらつく製品はあり得ます。

私が買ったGU10は、スマホのカメラで見た限り、前の安い電球よりは縞が薄くなりました。ただ、完全にゼロではありません。角度と距離によっては、うっすら出ます。「フリッカーフリー」と明記されている製品でなければ、そこは期待しないほうがいいというのが今の理解です。

ちなみに、明るさを絞ったときにちらつきが出やすい、という話もよく見かけます。うちのリビングのシーリングライトを一番暗くしてカメラで見ると、全灯のときより縞が目立ちました。調光の方式によるものらしく、ここは製品の作りの問題なので、使う側で対処するのは難しそうです。

色温度と演色性を、しばらく混同していた

恥ずかしい話ですが、私は最初、演色性と色温度を同じものだと思っていました。まったく別です。

色温度は光の色みで、ケルビン(K)で表します。電球色が2700K前後、昼白色が5000K前後、昼光色が6500K前後。これは「オレンジっぽいか、白っぽいか」の話です。対して演色性は、その光に照らされた物の色が正しく見えるかどうか。同じ2700Kの電球色でも、Ra80のものとRa90のものがあります。

この違いが分かっていなかったせいで、以前「電球色にしたら料理が美味しそうに見えない」という間違った結論を出したことがありました。実際には色温度の問題ではなく、演色性の低さが効いていた可能性が高い。暖色にしたのに沈んで見える、と感じたらRaの数値を見る。これは覚えておいて損がない対応関係だと思います。

ただし、Raという数値にも限界があるようです。Raは代表的な色票の平均で計算される値なので、赤の再現性が悪くても平均でごまかせてしまうという指摘を複数の解説で見かけました。より細かくはR9という指標を見るとよい、といった話も出てきます。ここは私の理解が追いついていない領域なので、そういう指標があるらしい、という紹介にとどめます。

どこまでこだわるかの線引き

1年ほど両方を使い分けてみて、私が今どう線引きしているかを書きます。

食卓と洗面所、それに写真を撮る場所は高演色にする。色を見る場所です。ここは880円と300円の差を払う価値があると思っています。差額は1個580円。うちは3箇所なので1,740円で、これは一度払えば数年もつ話です。

廊下、クローゼット、トイレは安いままでいい。色を判断しない場所ですし、滞在時間も短い。ここに高演色を入れても、私には違いが分かりませんでした。実際、廊下は300円のままです。

ちらつきについては、写真や動画を撮る部屋だけ気にすることにしました。子どもを撮るリビングと、たまに仕事で画面を録画するデスク周り。それ以外は、正直そこまで気にしていません。

最後に

演色性もちらつきも、言われてみないと気づかない差です。私も、スマホのカメラで縞を見るまでは何とも思っていませんでした。気づいてしまうと戻れないタイプの差でもあるので、今の照明で困っていないなら、無理に確認しないほうが幸せかもしれません。

それでも確認したい人は、カメラを向けるところから始めるのが一番安く済みます。お金がかからないうえに、5秒で終わります。

この記事は照明の個別記事です。家の明かりを1年でどう変えたかは家の照明を1年かけて変えた|明るさより配置で振り返っています。

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