見せる収納と隠す収納|子どもがいる家での使い分け

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見せる収納と隠す収納は、インテリアの趣味の話として語られがちです。でも子どもがいる家だと、判断基準はかなり実務的になります。うちの場合、決め手は「触られて困るか」と「1日に何回触るか」の2つだけでした。おしゃれかどうかは3番目です。生後6ヶ月の子どもがいて、賃貸の2LDKで壁に穴が開けられない。この条件で1年ほど試して、どこを見せてどこを隠したのか、その線引きを書きます。結論としては、部屋ごとに答えが違いました。

判断の軸を、好みから危険度と頻度に変えた

最初は雰囲気で決めていました。キッチンの調理器具は吊るしたほうがかっこいい、リビングは生活感を消したい、という感じで。

これが破綻したのは、子どもが寝返りとずりばいを始めた頃です。床から60cmくらいまでの高さにある物は、遅かれ早かれ触られる。今はまだ届いていなくても、つかまり立ちが始まればもう1段上まで射程に入る。そう考えると、「見せる」という選択は同時に「手の届く場所に置く」という選択でもあるんですよね。

そこで軸を2つに整理しました。ひとつは危険度。刃物、薬、洗剤、細かい部品、電池。これは高さに関係なく隠す、というより閉じる。もうひとつは使用頻度。1日に3回以上触る物は見せる、週1回以下は隠す。

この2軸で分けると、けっこう機械的に決まります。包丁は毎日使うけれど危険なので隠す。ガーゼは毎日何度も使うし危なくないので見せる。迷ったのは市販薬くらいでした。

見せてよかった物、隠すべきだった物

見せて正解だったのは、ガーゼ、おしりふき、体温計、爪切り、リビングで使う文房具。どれも片手で取れる場所に、蓋なしの浅いトレーに入れて置いています。抱っこしたまま片手で取れるかどうかが、この判断の全部でした。

逆に、失敗したのがキッチンでした。調理器具をS字フックで吊るして見せる収納にしていたんです。ここは子どもの手が届かないので危険度は問題ない。問題は油とホコリでした。半年ほどでフックにかけたトングの持ち手がべたつき始めて、結局全部洗って引き出しにしまい直しました。

コンロまわりの見せる収納は、油煙が届く範囲かどうかで判断しないといけなかった。うちのキッチンは対面式ではなく壁付けで、換気扇の吸い込みも強くありません。同じ見せる収納でも、家の条件で成否が変わる例だと思います。

それと、リビングの充電ケーブル。見えるところに置いていたら、子どもが手を伸ばすようになった時点でアウトでした。今は引き出しの中です。

浴室は隠しようがないので、見せる方向に振った

いちばん考えたのが浴室です。うちのユニットバスは1216サイズで、収納らしい収納は備え付けの棚が1枚だけ。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、子ども用のソープ、洗顔、それにお風呂のおもちゃ。とても1枚には載りません。

床に置く方式は最初にやめました。ボトルの底がぬめるからです。実際、置き型のラックを使っていた時期は、週に1回は底面を洗っていました。子どもと入る時間帯は片手がふさがっているので、床にボトルが並んでいると単純に踏みます。

そこで壁に浮かせる方向で探して、行き着いたのがマグネット式のバスルームバスケットでした。ディスペンサーラックとしても使えるタイプで、価格は4,510円ほど。

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浮かせたことで、ボトルの底のぬめりはほぼなくなりました。水が切れるので、掃除の回数が週1回から月1回くらいに減っています。それと、位置を自由に変えられるのが子育て中はありがたい。子どもを座らせて洗う位置に合わせて、バスケットを下にずらす。抱っこしたまま片手でボディソープを取れる高さにできます。

ただし注意点があって、うちの浴室は壁の一部しか磁石が付きませんでした。ユニットバスの壁は鋼板の上に化粧を施したものと、樹脂パネルの両方が使われていることがあるようで、うちは正面の壁は付いて、ドア側の壁は付かなかった。買う前に磁石を当てて確認しておくべきでした。

もうひとつ、耐荷重の問題があります。詰め込みすぎるとゆっくりずり落ちます。うちは一度、詰めすぎて夜のうちに5cmほど下がっていました。表記の耐荷重を守れば問題ないものの、家族が勝手に物を追加すると簡単に超えます。それと4,510円という価格は、正直な話このサイズの樹脂かごとしては安くありません。マグネットと設計にお金を払っている感覚です。

お風呂のおもちゃだけは別扱いにした

浴室で最後まで決まらなかったのが、お風呂のおもちゃです。今のところ手のひらサイズのものが4つ。これをバスケットに一緒に入れると、水を吸うタイプのおもちゃが下に溜まって乾かない。

今は網目の細かい別のかごを用意して、湯船から離れた位置に掛けています。ボトル類と同じ場所にまとめないほうが、乾き方の管理はしやすい。おもちゃは水抜き穴があるものを選んで、使い終わったら振って水を出す。それでも中でカビが育つという話は聞くので、数ヶ月おきに買い替える前提で安いものにしています。

賃貸で「浮かせる」手段を洗い出した

穴を開けられない前提だと、浮かせる方法は限られます。マグネット、吸盤、粘着フック、突っ張り、あとはドアや扉に引っ掛けるタイプ。

うちで実際に使えたのは、浴室のマグネット、洗面所の突っ張り棒1本、キッチンのシンク下扉に引っ掛けるタイプ。吸盤はいくつか試して、全部落ちました。壁面に細かい凹凸のあるユニットバスでは吸盤が効きにくいらしく、これは早々に諦めています。粘着フックは、退去時に跡が残るのが怖くて使っていません。

結果として、賃貸で見せる収納をやるなら、まず何が貼り付くかを調べるところからになります。私は100円ショップのマグネットを1つ買って、家じゅうの壁に当てて回りました。冷蔵庫の側面、玄関のドア、洗濯機の側面、浴室の壁。この4箇所が使えると分かって、そこから収納を考え直しています。

見せる収納の代償

見せる収納には確実に代償があります。ひとつはホコリと汚れ。もうひとつは、視界に入る情報量が増えることです。

後者は個人差があると思いますが、私は仕事中にダイニングテーブルを使っているので、視界に物が多いと集中しづらい。なので、リビングで見せているのは実際には5点だけにしています。それ以上は隠す側に回す。

ホコリのほうは、実測というほどではないですが感覚としてはっきりあります。リビングのトレーに置いたガーゼの箱は、2週間で表面が白っぽくなる。引き出しの中の物は3ヶ月放っておいてもきれいなままです。見せる収納にした物は、そのぶん掃除の対象が増えると考えたほうがいい。うちはトレーごと持ち上げて拭ける形にして、週末の掃除に組み込みました。

妻とはここで一度もめました。妻は「使う物が見えていないと存在を忘れる」タイプで、私は「見えていると気が散る」タイプ。落としどころとして、リビングは私の基準、洗面所とキッチンは妻の基準、と場所ごとに主導権を分けました。家全体を1つのルールで統一しないほうが、この手の対立は収まりやすいです。

最後に

1年やってみて残ったのは、見せる隠すを部屋単位で決めない、ということでした。同じリビングの中でも、床から60cmまでは隠す、それより上は見せる、という高さで切る。浴室は全部見せる。キッチンはコンロから1m以内は隠す。

この線引きは、子どもの成長でまた動きます。つかまり立ちが始まったら60cmの線は上がるし、自分で物を取るようになったら逆に下げる部分も出てくるはずです。今の答えが半年後も正しいとは思っていません。

この記事は収納の個別記事です。何をどこに置くかを決め直した全体は物が増えた家の収納|1年で入れ替えたものにまとめています。

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