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衣替えが重いのは、量が多いからではありません。判断の回数が多いからです。1枚ずつ手に取って、今季も着るか、来季まで寝かせるか、もう手放すか。これを100枚以上に対してやると、実作業の時間より頭が疲れる。うちは去年まで、春と秋にそれぞれ半日つぶしていました。今年の春は作業時間が40分まで縮んで、その理由がわりとはっきりしているので手順として書き残しておきます。賃貸の2LDKで、押入れとクローゼットの寸法が動かせないという前提です。
まず、衣替えという作業を分解する
去年の秋、作業しながら何に時間を使っているのか記録してみました。使ったのはスマホのタイマーで、工程ごとに止めては書く。合計3時間20分の内訳はこうなりました。
クローゼットから全部出すのが15分。仕分けの判断に1時間40分。畳むのが35分。箱に詰めるのが20分。押入れに積むのが10分。残りは休憩と、途中で子どもが泣いて中断した分です。
圧倒的に仕分けの判断が重い。しかもこの1時間40分の大半は、「これ来年も着るかな」で止まっている時間でした。手は動いていない。ここを削らないと、収納用品をいくら変えても衣替えは軽くなりません。
手順1 箱を先に決めて、入る量を固定する
今年変えたのは順番です。以前は「服を仕分けて、その量に合う箱を用意する」でした。今は逆で、箱の数を先に決めてから仕分けます。
うちの押入れは上段の奥行きが約80cm、幅が約170cm。ここに手前と奥の二層で箱を積むと、使えるのは幅方向に4列、奥行方向に2つ、高さ方向に2段。理論上は16箱入りますが、布団と季節家電で半分は埋まるので、衣類に割けるのは6箱と決めました。
6箱に入らない量は持てない。この上限を先に置くと、さっきの「来年も着るかな」が「6箱の枠を使う価値があるか」に変わります。これは判断としてずっと速い。実際、今年の春は仕分けが25分で終わりました。
逆に言うと、収納を無制限に増やせる家ではこの手が効きません。賃貸で押入れの寸法が固定されているのは、この場合むしろ味方です。
手順2 仕分けは3択にして、迷ったら残す箱へ
仕分けの分類は3つだけにしました。今季着る、来季まで寝かせる、手放す。4つ以上にすると判断が遅くなります。
それと、迷ったものは全部「来季まで寝かせる」に入れる、というルールを作りました。手放すかどうかをその場で決めない。代わりに、寝かせた箱を次の衣替えで開けたとき、1年間一度も出番がなかった服は問答無用で手放します。判断を1年先送りにして、そのときには自動で答えが出ている状態にする。
この方式に変えて、今年の春は6枚を手放しました。妻のぶんも含めて、迷った記憶はゼロです。前は1枚ごとに悩んで、結局2枚しか減らなかった。
手順3 5面開くフタ付きボックスに詰める
詰める箱は、今年から折りたたみ式の収納ボックスに替えました。フタ付きで、前面と側面も開く5面開閉タイプ。中身が見える窓が付いていて、価格は4,280円ほどでした。
これに替えた理由は、押入れの奥に積んだ箱を開けるのが面倒だったからです。従来の衣装ケースは上フタ式なので、上に何か載っていると開けられない。積み替えが発生する。5面開くタイプは、積んだまま前面から中身を出せます。
これが効いたのは衣替えの当日ではなく、その間の期間でした。9月の頭に急に涼しくなって薄手のニットが必要になったとき、以前なら押入れから箱を2つ下ろして開けて、また積み直していた。今は前面を開けて1枚抜くだけ。2分もかかりません。衣替えを軽くするというのは、当日の作業を速くすることではなく、間の取り出しを可能にすることだったんだと思っています。
使わないときに折りたためるのもありがたい。うちは箱の数を6と決めているので、シーズンによっては2箱余ります。畳んで押入れの隙間に立てておけるので、空箱が場所を食わない。
不満は2つ。ひとつはキャスターが付いているモデルだと高さの計算が変わることで、押入れ上段に積むならキャスターは邪魔になります。うちは下段用にだけキャスター付きを使い、上段は外して使っています。もうひとつは、生地に芯材が入っているとはいえ布製なので、満載にすると側面がやや膨らむこと。ぴったり4列で計画すると入らない場面があります。実測より2cmほど余裕を見たほうがいい。
詰める順番は「重い・使わない」から下
箱の中の積み方にもルールを決めました。下に厚手で当分使わない物、上に薄手で急に必要になりそうな物。前面から開けたときに、まず出てくるのが取り出す可能性の高い服になります。
これも最初は逆をやっていました。畳んだ順にどんどん積んでいくので、たまたま最後に畳んだコートが一番上に来る。前面を開けても目的の物が下敷きになっていて、結局全部出す。取り出す側の順序で詰めるという当たり前のことを、2シーズン気づかずにやっていました。
それと、箱の側面に中身をひとことだけ書いた紙を貼っています。「妻・夏トップス」くらいの粒度。細かく書くと更新できなくなるので、誰の何かが分かれば十分です。窓から中は見えるものの、押入れの奥に積むと窓の角度的に見えにくいので、この一言が地味に効きます。
圧縮袋に全部入れた年の失敗
手順を書いたので、失敗も書いておきます。3年ほど前、圧縮袋にすべて突っ込んだ年がありました。かさは確かに半分以下になった。押入れがすかすかになって満足していたんです。
問題は翌春でした。ウールのニットが型崩れして、肩のあたりが妙な形で固まっていた。ダウンも膨らみが戻りきらない。それと、袋に4、5枚まとめて入れていたので、1枚だけ取り出したいときに全部開けることになる。開ければ当然また掃除機で吸い直しです。
今は、圧縮するのは綿とポリエステルのかさばる物だけ、という線引きにしています。ウール、ダウン、ニット類は圧縮しない。素材で分けるだけで、翌春の後悔がほぼなくなりました。
防虫と湿気は、箱の中に一緒に入れる
押入れは湿気がたまりやすいので、箱の中に防虫剤と除湿剤を1個ずつ入れています。防虫剤は服の上に置く、というのが一般的な説明ですね。成分が下に降りるためだそうです。除湿剤は逆に下に敷いています。
除湿剤は春と秋の入れ替えのタイミングでまとめて交換しています。半年で1サイクル。6箱ぶんで6個なので、まとめ買いすれば1回500円くらいです。押入れ全体に置く大型のものも1つ入れていますが、箱の中に個別に入れるほうが効いている実感があります。箱がある程度密閉されているぶん、外に置いた除湿剤は箱の中まで面倒を見てくれないんですよね。
あとは、詰める前に必ず洗ってから完全に乾かすこと。生乾きのまま半年閉じ込めると、次に開けたときの匂いがかなり厳しい。これは1回やって学びました。夏物のTシャツを部屋干しで半乾きのまま詰めて、春に開けたら箱ごと匂う。全部洗い直しで、その年は衣替えが二度手間になりました。
最後に
3時間20分が40分になった一番の要因は、収納用品ではなく「箱の数を先に決めた」ことでした。道具は、その決めた枠を運用しやすくするために効いてくる。順番が逆だと、たぶんどんな箱を買っても時間は減らなかったと思います。
子どもの服はまた別問題で、こちらはサイズが3ヶ月ごとに変わるので衣替えという概念があまり当てはまりません。60から70に上がったときは、ほぼ全入れ替えでした。ここはまだ最適な形が見えていないので、もう少し試してから書きます。
この記事は収納の個別記事です。何をどこに置くかを決め直した全体は物が増えた家の収納|1年で入れ替えたものにまとめています。

