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菜箸とトングを兼ねるものを1本入れたら、コンロ横に立てている道具が5本から3本になりました。効果としては地味なんですが、持ち替えの回数が減ったぶん、片手が空く時間が増えたのが我が家では大きかった。子どもを抱いたまま料理をする時間帯があるので、そこがそのまま生活の質に効いてきます。
前提を書いておくと、我が家は妻と私と生後5ヶ月の子どもの3人。都内近郊の2LDK賃貸で、コンロはガス、食洗機あり。料理は分担していて、平日の夕飯は交代制です。片方が抱っこ、片方が調理という形が定着していて、この条件が道具の評価をかなり左右しています。
菜箸が5膳出てきた話
キッチンの道具を全部出して並べたとき、菜箸が5膳ありました。長さ30cmの木のものが3膳、33cmが1膳、それにシリコンの先端がついた樹脂のものが1膳。
なぜ5膳もあったのか考えたんですが、答えは単純で、洗って乾かすのが間に合わないから予備を足していたんです。木の菜箸は食洗機に入れられないので手洗い。洗ったあとは水切りカゴで半日乾かす。その間に次の料理が始まるので、もう1膳出す。それを繰り返して5膳になっていました。
しかも状態が良くない。先端が黒ずんでいるものが2膳、根元が割れかけているものが1膳ありました。木は水を吸うので、しっかり乾かさないとこうなります。分かっていても、夜の洗い物のあとに菜箸を1本ずつ拭いている余裕はありませんでした。
木の菜箸をやめた
結論として、木の菜箸は全部手放しました。理由は食洗機に入れられないこと、これだけです。
木の菜箸自体は良い道具だと思っています。軽いし、鍋を傷つけないし、熱も伝わりにくい。値段も安い。ただ我が家の場合、食洗機に入らない道具は必ず洗い物として夜のシンクに残ります。残ると片付けが終わらない。終わらないと、翌朝のキッチンが荒れた状態から始まる。この連鎖を切りたかった。
同じ理由で、木の柄がついた道具はほぼ全部入れ替えました。まな板も、木のものから食洗機に入るサイズのものに替えています。方針として一貫させたほうが、運用が楽です。
菜箸とトング、役割はどう違うのか
買い替える前に、自分がどちらをどの場面で使っているか整理してみました。
菜箸は、細かいものを扱うときと、混ぜるとき。目玉焼きの白身を寄せる、卵を溶く、揚げ物の衣をつける、盛り付けの微調整。先端が細くて2点で挟めることに価値がある道具です。
トングは、重いものと量のあるものを扱うとき。パスタを湯から上げる、肉の塊を裏返す、サラダを和える。挟む面積が広くて、力がかかる。菜箸でステーキをひっくり返そうとして落としたことがある人なら分かると思います。私は2回やりました。
つまり両方いる。ただ、実際の調理では場面がころころ切り替わるので、そのたびに持ち替えるのが面倒でした。炒め物を混ぜて、肉を裏返して、また混ぜる。この間に菜箸とトングを2回持ち替えている。持ち替えるたびに、いま持っているほうを置く場所が要ります。
この「置く場所」が地味に厄介で、油のついた菜箸を調理台に直接置けないので、小皿を1枚出すことになる。その小皿がまた洗い物として増える。道具が1つ増えると、洗い物が1つでは済まないことがあるというのは、このとき初めて意識しました。菜箸置きを買うという選択肢もありましたが、それはそれで洗うものが増えます。
もうひとつ、トングを使わなくなった理由として、うちのトングがバネの力で常に開こうとするタイプだったことがあります。引き出しに入れると場所を取るし、ロック機構が甘くて勝手に開く。取り出すときに他の道具に引っかかって、一緒に3本くらい持ち上がってくる。使う前から少し面倒な道具でした。
1本で両方をやるものに変えた
買ったのは、山崎実業のシリコーン菜箸トングという製品です。先端がシリコンで、菜箸として2本に分けて使うこともできるし、そのままトングのように挟んで使うこともできる形。SとレギュラーのS2サイズが入ったセットを1,100円ほどで買いました。
半年ほど使ってみて、良かった点をいくつか。まず、持ち替えが減りました。炒め物を混ぜる動作も、肉を裏返す動作も、同じ1本でできる。数えてみたら、夕飯1回で3〜4回あった持ち替えがほぼゼロになりました。1回2秒として、大した時間ではありません。ただ、持ち替えのたびに一度手を離す必要があったのが消えたのは、体感としてはっきり違います。
次に、先端がシリコンなのでフライパンを傷つけません。うちのフライパンはコーティングのあるタイプで、金属のトングを使うのが怖かった。以前は金属のトングを使うたびに「いま削ってないよな」と気にしていたので、その心配がなくなったのは精神的に楽です。
そして食洗機に入れられる。これが買った最大の理由です。菜箸5膳のうち、乾燥待ちで手が回らないものが常に2〜3膳あった状態から、洗い物と一緒に投げ込んで終わる状態になりました。
あとサイズが2つあるのが、思ったより効いています。Sのほうは離乳食を作るときや、小さいフライパンで卵を焼くときに使う。レギュラーは炒め物とパスタ。長さが違うだけなんですが、鍋の大きさに合っていないと熱いか届かないかのどちらかになるので、2本あると場面ごとに選べます。
不満もはっきりある
一番の不満は、先端が滑ることです。シリコンは金属より柔らかいので、つるっとした食材――特に茹でたパスタや、油を吸った春雨あたりは滑ります。金属のトングならしっかり掴めていたものが、2回に1回落ちる。慣れれば力の入れ方で調整できますが、最初の1週間はストレスでした。
それと、細かい作業は木の菜箸に劣ります。先端がシリコンで丸みがあるぶん、豆をひとつ摘まむような繊細な動きは苦手。盛り付けの最後の微調整は、いまでも樹脂の細い菜箸を1膳だけ残して使っています。完全に1本化はできませんでした。
あともうひとつ、シリコンは匂いを吸います。カレーを作った翌日、先端をかすかにカレーの匂いがすることがありました。食洗機で洗っても完全には抜けない。気になる人は気になると思います。うちは、しばらく日に当てると軽くなることに気づいてから、そこまで問題視しなくなりました。
耐熱についても一応確認しました。シリコン部分には耐熱温度の表示があって、うちは揚げ物には使わないようにしています。180度前後の油に長く入れる用途は想定されていないはずなので、揚げ物のときだけは金属のトングを別に出す。ここは道具を1本に絞りきれなかった部分です。年に数回のことなので、割り切っています。
価格については、1,100円で2サイズなら妥当だと思っています。木の菜箸を5膳買うより安いくらい。ただ、シリコン部分はいずれ劣化するはずなので、木の菜箸のように10年使う道具ではないという前提は必要です。
置き場所を変えたら、さらに効いた
最後に、道具そのものより効果があったことを書いておきます。置き場所です。
以前は引き出しの中に菜箸を寝かせて入れていました。使うたびに引き出しを開けて、取り出して、閉める。この動作は両手を使います。片手で子どもを抱いていると、そもそも引き出しが開けにくい。
いまはコンロ横に立てて、1秒で取れる状態にしています。本数を3本に絞ったので、この置き方が成立するようになりました。道具を減らすことの本当の効果は、出しっぱなしにできる本数まで減ることかもしれません。
菜箸とトングは、単体で見れば数百円から千円台の、地味な道具です。ただ、料理中に一番手に持っている時間が長い道具でもある。5膳を3本に整理して、置き場所を変えただけで、夕飯を作る動作がひとつずつ短くなりました。半年経って、これは効いた買い替えだったと思っています。
この記事はキッチン道具の個別レビューです。何を残して何を捨てたかはキッチンの道具を入れ替えた|使う頻度で選び直すにまとめています。

