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同じ日に同じ子どもを撮っているのに、写真の出来が2つにきれいに割れていました。窓際で撮ったものと、それ以外。原因を調べていくと、機材の差ではなくて、単純に明るさの差でした。窓際の写真は1000分の1秒でシャッターが切れているのに、部屋の奥だと30分の1秒。光の量が30倍違うということです。
そこから3ヶ月ほど、照明まわりをいろいろ試しました。うまくいったこと、金をかけたのに効かなかったこと、そして1,167円の撮影ボックスを買った話です。
まず、部屋の明るさを数字で測ってみた
感覚で話しても仕方ないので、スマホの照度計アプリで測りました。正確な計測器ではないので絶対値は参考程度ですが、場所ごとの比較には使えます。
晴れた日の昼、窓から1メートルの床で約2,500ルクス。同じ部屋の窓から4メートル、テレビの前あたりで約280ルクス。夜、シーリングライトを最大にした状態で約350ルクス。昼の窓際と夜の室内で、およそ7倍の差がありました。
この差がそのまま写真に出ます。カメラは足りない光をISO感度で補うので、暗いほど画像が粗くなる。あるいはシャッターを遅くして補うので、被写体が動くとぶれる。うちの夜の写真がざらついていた理由は、機材の性能ではなくて、単に光が足りていなかっただけでした。
効いた工夫と、効かなかった工夫
一番効いたのは、金のかからない話です。撮る位置を窓に寄せること。窓から3メートルの場所から1メートルの場所に移動するだけで、明るさが8倍近くになります。光は距離が2倍になると4分の1になるので、当たり前といえば当たり前なんですが、実際に数字を見るまで意識していませんでした。
次に効いたのが、窓を背にしないこと。逆光になると顔が暗く写るので、子どもと窓のあいだに自分が立たない位置関係を意識するようにしました。窓に対して斜め45度くらいから撮ると、顔に自然な陰影が付いて、いちばん自然に見えます。
逆に、期待したのに効かなかったのがシーリングライトの買い替えです。8畳用から12畳用に替えて、明るさは350ルクスから480ルクスになりました。数字は上がったんですが、写真はほとんど変わりません。理由は光の向きで、天井から真下に落ちる光は、目の下や顎の下に濃い影を作ります。明るくすると影も濃くなるだけでした。1万円ちょっと使って、写真については得るものがなかった。部屋自体は明るくなったので、完全な無駄ではないですが。
レースのカーテンについても書いておきます。直射日光が入る時間帯は、光が強すぎて顔に硬い影が出ます。レースを閉めると、窓全体が面光源になって、影が一気に柔らかくなる。照度は2,500ルクスから1,400ルクス前後まで落ちますが、写真としては閉めたほうが明らかに良かったです。明るさより、光が広い面から来ているかどうかが効いている、というのはここで実感しました。
スマホのフラッシュも試して、これははっきり駄目でした。正面から強い光を当てるので、顔が平たく写って、背景だけ真っ暗になります。あと、5ヶ月の子どもに向けて焚くと、単純に嫌がりました。2回でやめています。
撮影ボックスを買ったのは、子どもの写真のためではなかった
買ったのは、W22×D23×H24センチの小さい撮影ボックスです。折りたためる箱の内側が白くて、上面にLEDが仕込んである。1,167円でした。
正直に書くと、これで子どもを撮ることはできません。サイズ的に、入るのは手のひらサイズのものだけです。私が使っているのは、子どもの持ち物の記録でした。初めて履いた靴、名前入りのスタイ、生まれた日の新聞、産院でもらった小さいカード。こういうものを、後から見返せる形で撮っておきたかった。
実際に使ってみると、これがかなりきれいに撮れます。中の白い面に光が反射して、四方から回り込むので、影がほとんど出ない。同じ靴をテーブルの上で撮った写真と並べると、別物でした。テーブルだと木目や生活感が写り込むんですが、ボックスの中は背景が白一色なので、被写体だけが残ります。
この構造は子どもを撮るときの考え方にも応用が利きました。光は直接当てるより、白い面で反射させたほうが柔らかくなる。うちでは、夜の撮影時に白いバスタオルを壁に垂らして、そこにデスクライトを向けて、跳ね返った光で子どもを照らすようにしています。ボックスの中で起きていることを、部屋のサイズでやっているだけです。
撮影ボックスの、使いにくいところ
不満は3つあります。まずLEDの色。うちのものは色温度が固定で、少し青白い。ミルクの缶みたいな白っぽいものを撮ると、やや冷たい印象になります。カメラのホワイトバランスで調整すればいいんですが、毎回それをやるのは面倒です。色温度を変えられるモデルもあるので、そこは選ぶ余地があります。
次に電源。USB給電なので、コンセントの近くでしか使えません。ケーブルの長さは実測で115センチ。うちはリビングのテーブルまで届かなくて、延長ケーブルを足しました。
3つ目が畳んでも意外とかさばること。折りたたむと厚さ4センチくらいの板状になりますが、面積は24センチ角のまま。棚の隙間には入りません。うちはテレビ台の下に立てて置いています。月に2、3回しか使わないものなので、この置き場所を確保する価値があるかは人によると思います。
撮影ボックスで、そこそこきれいに撮るための手順
何度か撮っているうちに、失敗のパターンが決まってきました。ひとつが影が真下に落ちて被写体が沈むケースです。上面のLEDだけだと真上からの光になるので、靴のような立体物は接地面が真っ黒になります。うちは箱の前面を開けて、そこからデスクライトを斜めに当てる、という足し方で解決しました。光源を2つにするだけで、ぐっとそれらしくなります。
もうひとつがホワイトバランス。白背景のはずなのに、撮った写真が青っぽい灰色になることがよくありました。カメラが白い面を見て自動補正しようとして、逆に転ぶらしいです。私は白熱電球のマークに固定して撮るようにしてから、安定しました。ここは機種によって挙動が違うと思うので、何枚か試して決めるのが早いです。
あと、地味に効いたのが撮る角度でした。真上から撮ると平面的になるので、少し斜め上、45度くらいから撮ると立体感が出ます。スタイやカードのような平たいものだけは、真上から撮ったほうがきれいでした。厚みのあるものは斜め、平たいものは真上。この使い分けで、撮り直しがかなり減っています。
照明を足すなら、どこから手を付けるか
3ヶ月やってみた順番でいうと、まず撮る時間帯と場所を変えるのが最優先です。ここは0円で、効果が一番大きい。うちは家族写真を昼間の窓際と決めてから、失敗写真が半分以下になりました。
次が、白い面を用意すること。専用のレフ板を買ってもいいですが、うちは白いバスタオルとA3のスチレンボードで足りています。合わせて500円くらい。光を足すより、あるものを跳ね返すほうが安くて自然です。
それでも足りない場合に、初めて光源そのものを増やす段階になります。小型のLEDライトが3,000円台からあって、色温度を3200Kから5600Kあたりまで変えられるものが多いようです。私はまだ買っていません。理由は、いまの運用で困っている場面が月に1、2回しかないからです。
物撮り専用でよければ、撮影ボックスは1,000円台なので試しやすいと思います。ただ、これを買っても子どもの写真は明るくなりません。用途がはっきり分かれる道具なので、そこだけ間違えないほうがいいです。私は最初、これで室内の暗さ問題が全部解決すると思って買っていて、届いた箱の小ささを見て自分の勘違いに気づきました。
この記事は写真まわりの個別記事です。増え続ける写真をどう管理するかは子どもの写真が増えすぎた|整理の仕組みを作るで整理しています。

