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水切りかごを捨てて4ヶ月経ちました。今のところ、戻す気配はありません。
きっかけは掃除でした。かごの下に敷くトレイに水が溜まって、そこがぬめる。週に一度は外して洗っていたのに、それでも角のところに白い汚れが残る。子どもが生まれて、キッチンに立つ時間そのものが細切れになってから、この「かごを洗う時間」が捻出できなくなりました。
ただ、水切りかごを置かない生活が万人に合うとは思っていません。うちが成立しているのは食洗機があるからで、条件が違えば結論も変わる。その前提を含めて書きます。
食洗機があると、水切りかごに載るものが限られてくる
まず前提の話から。うちは深型の食洗機を使っていて、平日の食器はほぼ全部そこに入ります。だから水切りかごに載っていたのは、食洗機に入れられないものだけでした。
具体的には、木のまな板、鉄のフライパン、包丁、あとは妻が気に入っている漆の椀。それから哺乳瓶と搾乳器のパーツ。数えてみると、1日に手洗いするものは平均して8点前後です。8点のために、幅40センチ・奥行25センチの場所を常時占領していたことになります。
この計算をした日に、外してみようと決めました。かごを一時的に片付けて、代わりに何を使うかは決めないまま2日過ごしてみた。結果、清潔なタオルを畳んで置くだけでも、意外と回ることが分かりました。ただしタオルは1日で湿ってしまうので、それを毎日洗うのは現実的じゃない。そこで珪藻土のマットに行き着きます。
買ったのは、バスマットとして売られていた珪藻土マット
買ったのは珪藻土のマットで、2,480円でした。売り場としてはバスマットのカテゴリにあるもので、Lサイズが60センチ、Mサイズがもう少し小さい。うちが選んだのはMサイズで、シンク横の作業スペースに置いています。
キッチン用として売られている水切りマットもありますが、価格と厚みを比べたときに、バスマット用のほうが厚くて吸水量が多そうに見えました。実際、置いてみると水を吸う速度は明らかです。洗ったばかりのフライパンを載せると、周囲に広がった水が数十秒で見えなくなります。
ノンアスベストの表記があるものを選びました。数年前に一部製品でアスベスト混入が問題になったことがあって、そこは気にしています。今流通しているものはまず表示があるはずですが、確認はしたほうがいい。
かごをやめる前に、2週間だけ試した方法
いきなり捨てたわけではありません。かごを一度シンク下にしまって、2週間だけマットなしで生活してみました。使ったのは、洗って畳んだフェイスタオルを2枚重ねたもの。これで足りるかどうかを見るためです。
分かったのは、量の問題ではなくタイミングの問題だということでした。朝食のあとに洗った器が乾ききる前に、昼の分が来る。タオルは湿ったまま。夕方には明らかに水を吸わなくなっていて、伏せた皿の下に水が溜まります。
タオルを1日2枚使えば解決しますが、それは洗濯物が増えるということです。うちは子どものスタイとガーゼで、すでに洗濯機を回す回数が1日1回から2回に増えていました。ここにキッチンのタオルを足すのは、明らかに後退です。
だから「かごをやめる」の本当の条件は、かごの代わりが乾き続けることでした。1日中吸い続けて、翌朝には元に戻っている何か。珪藻土を選んだのはそこです。逆に言えば、タオルで回る家ならタオルでいい。うちは回りませんでした。
4ヶ月使って分かった、珪藻土マットの限界
良いところばかりではありません。むしろ、置かない生活を勧める記事にありがちな「快適になりました」だけで終わらせたくないので、不満から書きます。
いちばんの弱点は吸水が追いつかない瞬間があることです。鍋を洗って、そのまま伏せて置くと、鍋の縁から一気に水が落ちる。マットの一箇所に集中するので、そこだけ色が濃くなって、しばらく戻りません。連続で3つ以上の大物を洗うときは、途中で布巾を挟まないと厳しい。
次に、立体的に置けないこと。かごなら縦に立てられた皿が、マットでは寝かせるしかありません。面積は有限なので、置ける数はかごより確実に少ない。うちは手洗いが8点前後だから成り立っているだけで、手洗いが20点ある家庭ではまず無理だと思います。
それから、割れます。珪藻土は硬いようで脆い。うちのはまだ無事ですが、洗って壁に立てかけようとして手が滑り、床に落としかけたことが一度ありました。あのとき落ちていたら割れていたと思います。取り扱いはガラス製品に近い感覚です。
手入れは「乾かす」ではなく「削る」
珪藻土マットの手入れは、洗って乾かすというより、表面を整えるという発想でした。使っていると吸水力が落ちてきます。表面の穴が皮脂や洗剤カスで塞がるからです。
うちの場合、2ヶ月目に水を垂らしたときの吸い込みが目に見えて遅くなりました。付属していた紙やすりで表面を軽く削ったら、初日に近い状態に戻ります。削ると細かい粉が出るので、これはベランダでやっています。所要時間は3分ほど。頻度は今のところ2ヶ月に1回です。
あとは週に1回、立てかけて裏まで乾かします。敷きっぱなしにすると、マットとカウンターの間に水が残る。ここを放置すると黒い点が出ます。実際、最初の月に一度出しました。気づいてすぐ削ったので消えましたが、かごのぬめりから逃げたつもりが別の汚れを呼んでいたわけで、少し笑ってしまった。
置かないほうがいい家、置いたほうがいい家
4ヶ月やってみて、向き不向きははっきりしていると思っています。
置かない選択が合うのは、食洗機があって手洗いが10点以下の家。あるいは一人暮らしで、そもそも食器の総量が少ない家。マットなら使わないときに立てて片付けられるので、作業スペースを広く使いたい人にも向きます。うちは離乳食の準備で調理台を広く使いたい時間が増えたので、これがかなり効きました。
逆に、食洗機がなくて家族4人ぶんを手洗いしているなら、かごを外すのは無理があります。マットに載りきらないぶんを布巾で拭くことになって、結局その布巾を毎日洗う手間が増えるだけ。かごを洗う手間と、布巾を洗う手間を交換しているにすぎません。
哺乳瓶がある家も、少し考えたほうがいいです。うちは1日に4〜5本を消毒しますが、消毒後のパーツは清潔な場所に置きたい。珪藻土のマットは表面を毎日は洗えないので、ここだけは専用の乾燥ラックを別に置いています。結果として、水切りかごをやめたのに哺乳瓶用のラックは増えた。トータルで見れば場所は減っていますが、完全にゼロにはなっていません。
それから、伏せた食器がすぐ乾くかどうかは家の環境にも左右されます。うちは在宅勤務で日中も換気扇を回すことが多く、キッチンの空気が動いている。締め切った部屋だと、マットの上に伏せた茶碗が半日乾かないこともありえます。
やめてよかったこと、戻すとしたら
かごをやめて一番よかったのは、掃除の対象がひとつ消えたことです。かごとトレイと、その下のカウンター。3面あった掃除箇所が、マット1枚と、その下を週1回拭くだけになりました。
失敗もひとつ書いておきます。最初、Lサイズの60センチを買おうとしていました。大きいほうが安心だと思ったからです。届く前に、シンク横の作業スペースを測ったら、幅が48センチしかなかった。60センチは物理的に置けません。注文を変更してMサイズにしましたが、あと1日気づくのが遅かったら返送していたと思います。珪藻土マットは硬い板なので、はみ出したぶんを折って使うことができません。この点はシリコンの水切りマットとまったく違います。
2,480円で、4ヶ月分の「かごを洗う気力」を買ったと思えば悪くない出費です。ただ、これは道具が優れているというより、うちの食器の量と食洗機の有無がたまたま噛み合っただけの話でもある。
子どもが離乳食を本格的に食べ始めて、手洗いの点数が今の倍になったら、私はたぶんかごを戻します。そのときは戻すことを失敗だとは思わないつもりです。道具を減らすこと自体が目的になると、生活のほうが窮屈になる。今はマットで足りている、というだけの話として書いておきます。
この記事はキッチン道具の個別レビューです。何を残して何を捨てたかはキッチンの道具を入れ替えた|使う頻度で選び直すにまとめています。

