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結論から書くと、私は2年近く24時間換気のスイッチを切っていました。そして去年の冬、寝室の窓のサッシに水がたまっているのを見て、元に戻しました。
止めていた理由は、寒かったから、音が気になったから、電気代がもったいない気がしたから。この3つです。いま振り返ると、3つとも「調べずに思い込んでいた」だけでした。特に電気代は、実際に測ってみたら我が家では月100円もいっていませんでした。この記事は、止めていた期間に何が起きて、何を直したかという記録です。
切っていた2年間にやっていたこと
入居したのは2024年です。2LDKの賃貸マンションで、洗面所の壁に「24時間換気」と書かれたスイッチがありました。入居して最初の冬、洗面所に立つと足元がすうっと冷たい。給気口から外の空気が入ってくるので、当たり前といえば当たり前なんですが、当時はその仕組みを理解していませんでした。
それでスイッチを切りました。切ると足元の冷たさは消えます。実際に快適になったので、そのまま2年ほど切りっぱなしにしていました。さらに悪いことに、リビングの給気口にホコリがたまるのが嫌で、養生テープで半分ほど塞いでいた時期もあります。いまとなっては、これがいちばんまずい判断でした。
一般的に、2003年の建築基準法の改正以降に建てられた住宅には、居室の空気が1時間に0.5回入れ替わる換気設備の設置が求められている、とされています。うちの物件もそのつもりで設計されているはずで、給気口から入って浴室やトイレの換気扇から抜ける、という空気の道が最初から引かれている。その入口を私はテープで塞いでいたわけです。出口だけ止めたのではなく、入口も細くしていたので、家の中の空気はほとんど動いていなかったと思います。
寝室のサッシに水がたまっていた
気づいたのは去年の12月です。朝、寝室のカーテンを開けたら窓の下のレール部分に水が線のようにたまっていました。指でなぞると、はっきり濡れている。ガラス面も下から3分の1くらいまで曇っていました。
その日、温湿度計を寝室に持っていって測ったら、朝6時で室温18.5度、湿度68%でした。大人2人と赤ちゃん1人が一晩を過ごした部屋です。人は寝ているあいだにも水分を出しますし、加湿器も回していた。それを外へ出す経路がなかったんですよね。
もうひとつ、においにも気づきました。日中ずっと在宅で仕事をしていて、昼に一度外へ出て戻ってくると、玄関を開けた瞬間に生活のにおいが分かる。自分の家のにおいって普段は気づかないんですが、いったん外の空気を吸ってから戻ると分かるんです。ミルクと、洗濯物と、ゴミ箱の混ざったようなにおいでした。
この2つが決め手になって、給気口のテープを剥がし、24時間換気のスイッチを入れ直しました。翌朝、寝室の湿度は58%まで下がっていました。サッシの水は、その週のうちに出なくなりました。
電気代は、思っていた額の10分の1以下だった
戻すにあたって、いちばん引っかかっていたのが電気代です。1,800円くらいのワットチェッカーを買って、洗面所の換気扇を計測してみました。
結果は常時2.8W。24時間で67Wh、30日で約2kWhです。電力量料金を1kWhあたり31円で計算すると、月63円。年間で760円ほどでした。私はなんとなく「月1,000円くらいかかっているんじゃないか」と思い込んでいたので、10分の1以下だったことになります。
寒さのほうは、正直ゼロにはなりません。給気口から外気が入る以上、その分は冷えます。ただ、給気口の位置を確認したら、リビングのものはエアコンの真下に近い場所にありました。エアコンの風が当たる位置なので、入ってきた空気がすぐ暖められる。逆に洗面所の給気口は暖房のない場所なので、そこだけが冷たい。寒いのは家全体ではなく、給気口の周りだけだったんです。洗面所には小さなパネルヒーターを置いて、朝の身支度の時間だけ回すようにしたら気にならなくなりました。
音の原因は、ファンじゃなくてフィルターだった
止めていた理由の3つめ、音の話です。切る前は「ゴーッ」という低い音が常にしていて、寝室のドアを閉めても聞こえていました。
戻したときに、ついでに換気扇のカバーを外して中を見てみました。浴室の換気扇の内側に、灰色の綿のようなホコリが層になって付いていました。厚さで言うと3mmくらい。羽根の1枚1枚にも付いています。これを掃除機で吸って、羽根を中性洗剤で拭いて戻したら、音がはっきり小さくなりました。
スマホの騒音計アプリで測ったので正確な値ではありませんが、掃除前が42dB前後、掃除後が36dB前後という表示でした。数字の精度はともかく、体感でも「言われれば聞こえる」レベルまで落ちています。つまり私が嫌だった音は、換気の音ではなく汚れの音だったわけです。2年間切っていた理由が、掃除を1回サボっていたことだったというのは、なかなか間抜けな話です。
キッチンのレンジフードにもフィルターを貼った
換気の流れを気にするようになって、次に手をつけたのがキッチンです。うちのレンジフードは整流板の奥に金属のフィルターが入っているタイプで、入居時から一度も外していませんでした。外したら、油とホコリが混ざったものが網目を埋めていて、光にかざしてもほとんど透けない状態でした。
これを重曹とお湯で1時間ほどつけ置きして洗ったんですが、完全には落ちません。2時間くらい格闘して、8割方きれいになったところで諦めました。同じことを年に何度もやりたくないので、使い捨てのフィルターを貼ることにしました。
買ったのは、マグネットの枠と不織布フィルターがセットになったスターターセットです。3,080円ほど。枠を磁石でレンジフードに固定して、その上に不織布を挟む形なので、交換は不織布だけを取り替えれば済みます。
いい点は、交換が1分で終わることと、フィルター本体が汚れなくなったことです。3ヶ月使って、金属フィルターを外して確認したら、ほとんど汚れていませんでした。
短所も書いておきます。まずサイズが合うかどうかを先に測る必要があること。うちは幅が合わずに、フィルターを1枚カットして使っています。カットすると不織布の切り口がほつれるので、そこはあまり気持ちよくない。それと、揚げ物をよくする月は1ヶ月ももたないです。目が詰まってくると吸い込みが落ちるので、油の使用量が多い時期は交換頻度が上がります。我が家の実績で、普段は2〜3ヶ月、揚げ物を月に4回以上した月は1ヶ月ちょっとでした。
あと、これは製品の問題ではないんですが、マグネットが付く素材かどうかは事前に磁石を当てて確認したほうがいいです。ステンレスでも磁石が付かない種類があります。うちは付きましたが、賃貸で入る前に確認できるものでもないので、そこは運でした。
いまの運用に落ち着くまで
いま回しているルールは3つだけです。24時間換気は切らない。給気口は塞がない。そして換気扇のカバーとフィルターは3ヶ月に1回掃除する。カレンダーに3月・6月・9月・12月の第1土曜で繰り返し予定を入れています。
これに加えて、朝に5分だけ窓を対角線上に2箇所開けています。24時間換気は空気を「ゆっくり」入れ替えるものなので、料理のにおいのように一気に出したいものには向いていません。ゆっくり出す仕組みと、一気に出す方法を両方持っておく、という整理です。
冬に窓を開けると寒いので、赤ちゃんがいる部屋は避けて、リビングと寝室を交代で開けています。5分で室温は1.5度くらい下がりますが、暖房を入れていれば10分ほどで戻ります。
最後に
止めていた2年間、私は「換気を止めたぶん、暖房代が浮いている」と思っていました。実際には、月63円を節約するために結露と生活臭を引き受けていたことになります。それに、音が嫌だったのなら掃除をすればよかっただけでした。
もし同じようにスイッチを切っている人がいたら、まずワットチェッカーで実測してみるのをおすすめします。1,800円で、自分の思い込みが数字で否定されます。私はそれで戻しました。
この記事は部屋の空気の個別記事です。温湿度をどう管理しているかの全体は部屋の空気を測って分かったこと|温湿度計を置いたにまとめています。

