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結論から書くと、我が家は三徳包丁1本でずっとやってきて、去年から2本になりました。増えた1本はペティナイフです。ただ、これは「1本では足りない」からではなくて、洗う手間を減らしたかったという理由でした。順番に書きます。
前提として、うちは食洗機があってコンロはガス。料理は妻と分担していて、平日の夕飯は交代制です。子どもが生まれてからは、片方が抱っこ、片方が調理という形が定着しました。この「一人で全部やる」という条件が、道具の評価を結構変えます。
3年間、三徳1本で本当に足りていた
使っていたのは1万円しない三徳包丁です。刃渡り165mm、ステンレス、食洗機対応。これで肉も魚も野菜も切っていました。パンだけはパン切りナイフを別に持っていますが、それ以外の場面で「切れなくて困った」という記憶がほとんどない。
包丁を2本3本と揃えたくなるのは分かります。私も一時期、牛刀と出刃と柳刃を調べていた時期がありました。ただ、家庭の料理でやることを冷静に書き出すと、玉ねぎを切る、鶏もも肉を一口大にする、キャベツを刻む、豆腐を切る、このあたりが9割です。刃渡り165mmの三徳は、この9割に全部対応できる形をしています。
三徳が苦手なのは、かぼちゃのような硬いものと、リンゴの皮むきのような細かい作業。前者は正直いまも苦手で、電子レンジで2分温めてから切るという逃げ方をしています。後者は、ピーラーがあるので実質困りません。
刃渡りは165mmか180mmか
買うときに一度悩んだのがここでした。180mmのほうが白菜やキャベツを一気に切れて楽そうに見えたんです。ただ、うちのまな板が食洗機に入るサイズなので幅が限られていて、180mmだと刃先がまな板からはみ出す。実際に店頭で並べてもらって、165mmにしました。
使ってみた感想としては、この選択で正解でした。キャベツ半玉を切るときにわずかに窮屈さを感じる程度で、それ以外の場面ではむしろ取り回しが良い。包丁のサイズはまな板のサイズに合わせて決めるべきで、単体で選ぶものではないと思っています。うちのように収納も食洗機も小さい家では、165mmが上限に近い。
それでも2本目を買った、地味な理由
2本目を買った直接のきっかけは、離乳食が始まったことでした。生後5ヶ月から離乳食の準備を始めて、にんじんを5mm角に刻んだり、鶏ささみを細かくしたりする作業が増えたんです。これを165mmの三徳でやると、単純に刃が長すぎて扱いにくい。
もうひとつ大きかったのが洗い物です。うちは離乳食用の食材と大人用の食材を、なるべく別の道具で切りたい。同じ包丁を使い回すと、そのつど洗う必要があります。夜の忙しい時間帯に、シンクで包丁を洗って拭くのが地味にストレスでした。2本あれば、両方まとめて食洗機に放り込んで終わりです。
買ったのはペティナイフ。刃渡り120mm台の小さいやつで、3,000円ほどでした。1年近く使って、離乳食以外でもフルーツを切るときや、ネギを少しだけ刻むときに手が伸びています。三徳を洗う気になれない日の逃げ道として、思ったより出番が多い。
つまり我が家の答えは、「1本で切れる。でも2本あると洗い物が減る」でした。切れ味の問題ではなく、運用の問題として2本目に価値がある、という結論です。
セットで買うのが正解になる条件
ここまで書いておいて何ですが、私は一度セット買いで失敗しています。新生活のときに買った調理器具10点セットに包丁が入っていて、それが1年で切れ味を失いました。研ぐ気にもなれない品質で、結局買い直しています。1万円台のセットの中の包丁は、包丁単体としては1,500円くらいの価値しかない、というのがそのときの実感でした。
逆に、包丁だけのセットは話が別です。三徳とペティとピーラーが揃った3点セットのようなものは、私が結局2年かけて1本ずつ買ったものと中身が同じになります。最初から必要な構成が分かっているなら、まとめて買ったほうが合理的です。
グローバルの三徳3点セットは、私が2本目を検討していたときに候補として調べたものです。刃と柄が一体のオールステンレスで、継ぎ目がないから汚れが溜まらない、という構造。実際、うちの包丁は柄と刃の境目に水が残るのが気になっていて、そこが解決されるのは魅力に見えました。価格は2万3,000円ほど。
ただ、これを買わなかった理由も書いておきます。まず、私にとっては金額が大きい。2万3,000円は、我が家のキッチン道具の予算感からするとかなり上のほうです。それから、オールステンレスは持ち手が滑るという話をレビューで何度か見ました。濡れた手で使う場面が多い家では、そこは実際に握ってから決めたいところです。重量バランスと握りは、スペック表では判断できません。
もうひとつ、ステンレス一体構造は洗いやすい反面、柄の内部が空洞のタイプは軽く感じるという指摘もあります。重い包丁のほうが力を入れずに切れると感じる人もいるので、ここは好みが割れる部分です。私は結局、量販店で似た形のものを握ってから決めようと思って、いまも保留にしています。
食洗機に入れられるかどうかで、寿命の話が変わる
我が家の基準として一番大きいのがこれです。食洗機対応と書かれていない包丁は、うちでは戦力になりません。手洗い前提の道具は、夜のシンクに残ります。残るとその日の片付けが終わらない。それだけの理由で、使用頻度が落ちていきます。
ただし、食洗機対応の包丁でも「入れないほうが長持ちする」のは事実です。高温と洗剤で刃の表面は少しずつ傷みますし、木の柄はまず割れます。うちの三徳は食洗機対応のステンレス柄で、2年ほど毎日入れていますが、柄には問題なし、刃は切れ味がやや鈍った程度。寿命を数年縮めて、毎日の3分を買っていると考えれば納得できる取引です。
逆に、料理が趣味で研ぎも楽しめる人なら、食洗機は使わないほうがいい。ここは本当に生活スタイルの分岐点で、どちらが正しいという話ではないと思っています。
ひとつ実務的な注意点を書いておくと、食洗機のカゴに包丁を入れる場所が意外とありません。うちの機種は箸やスプーンを立てるポケットに包丁を刺す形になるんですが、刃先が上を向くのが怖くて、必ず刃を下にして入れています。これをやると洗い上がりがやや甘い。妻とここで一度揉めて、「刃は下、迷ったら手洗い」というルールに落ち着きました。子どもがハイハイを始めたら、また運用を見直すつもりです。
研ぎをどうするか、で3回失敗した
包丁の話でいちばん失敗したのは、研ぎです。最初に買ったのは砥石。1,500円くらいのやつで、動画を見ながら試して、切れ味を完全に殺しました。角度が一定に保てないんです。2回目はシャープナー。引くだけのタイプで、たしかに一時的には切れるようになるんですが、1週間ほどで元に戻りました。
いまは年に1回、近所の刃物店に研ぎに出しています。1本1,000円ちょっと。往復で1週間ほど預けることになるので、その間は2本目のペティが本当に助かりました。ここでも「2本あると運用が回る」という話に戻ってきます。
もし1本だけで運用するなら、研ぎに出している間の代替をどうするかは先に考えておいたほうがいいです。私は1回目のときに何も考えておらず、1週間ずっとペティ1本で夕飯を作るはめになりました。キャベツの千切りをペティでやると、それなりに時間がかかります。
いま同じ質問をされたら
「1本で足りるか」と聞かれたら、切ることだけを考えるなら足ります、と答えます。165mmの三徳1本で、家庭料理の9割は問題ありません。ただ、洗い物の回数を減らしたい人と、研ぎに出す予定がある人は2本目を買ったほうが生活が楽になる。これが私の結論です。
順番としては、まず三徳を1本、できれば食洗機対応のものを買う。半年使って、洗うのが面倒だと感じた場面を数えてみる。それが週に2回以上あるなら、2本目の出番です。最初から3本4本を揃える必要は、少なくとも我が家の料理の範囲ではありませんでした。
予算の話も付け加えておきます。私は三徳に8,000円、ペティに3,000円で、合計1万1,000円。年1回の研ぎ代が2本で2,500円ほどなので、5年使うとして総額は2万3,000円くらいになる計算です。最初に3点セットへ2万3,000円を出すのと、金額としてはほぼ同じところに着地する。どちらが得かではなく、いつ払うかの違いでしかないと気づいてから、高いセットを頭ごなしに否定するのはやめました。
ただ我が家の場合は、一気に払わなくてよかったと思っています。1本目を使ってみて初めて「刃渡りは165mmが上限」「柄の付け根に水が残るのが嫌」という自分の条件が言語化できたからです。その条件を持たないまま2万円を出していたら、たぶんまた別の不満を見つけていました。
この記事はキッチン道具の個別レビューです。何を残して何を捨てたかはキッチンの道具を入れ替えた|使う頻度で選び直すにまとめています。

