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加湿器の掃除をサボると、まず水の減りが遅くなります。次に、運転音が変わる。最後に、タンクの底に白い塊が張り付いて取れなくなります。私はこの順番を、去年の冬に一通り体験しました。
結果として、スチーム式の内部にこびりついた水垢を落とすのに、クエン酸洗浄を3回繰り返すはめになりました。最初から月1回やっていれば1回で済んだ話です。この記事では、うちで実際にやっている手入れの手順と頻度を書きます。
サボった結果、何が起きたか
去年の12月に使い始めて、掃除を一度もせずに2月まで回しました。約10週間です。
最初に気づいたのは1月半ばで、タンクの水がいつもの日数で減らなくなったことでした。以前は2日で空になっていたのが、3日もつようになった。得した気分になったのですが、実際は加湿量が落ちていただけです。温湿度計の数字も、以前より2%ほど低いところで頭打ちになっていました。
次に運転音。沸騰するまでの時間が長くなり、途中でカタカタと硬い音がするようになりました。ヒーター部分に付いた水垢が熱で動く音だと、後から調べて分かりました。
2月に入って、ようやく蓋を開けて中を見ました。内側の底に、白いかさぶたのようなものが一面に張り付いていました。爪でひっかいても取れない。スポンジでこすってもびくともしない硬さで、ここで初めて自分がまずいことをしていたと理解しました。
これは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムが、加熱で析出して固まったものです。物理的にこすり落とすのはほぼ無理で、酸で溶かす必要があります。
クエン酸洗浄でやったこと
使ったのは、加湿器メーカーが出している洗浄用のクエン酸でした。30gの分包が4包入って880円ほど。スーパーで売っている食用や掃除用のクエン酸でも成分は同じですが、私は分量を量るのが面倒だったので分包を選びました。1回分がそのまま入るのは、地味に続けやすい要素です。
手順は説明書のとおりです。タンクを満水にして、クエン酸を1包入れる。よく溶かしてから、洗浄コースで運転する。うちの機種だと1時間半ほどかかります。終わったら中の水を捨てて、2回すすぐ。
1回目は、白い塊が7割くらい残りました。2回目でだいぶ薄くなり、3回目でようやく指でこすれば落ちる状態に。合計で4時間半、洗浄コースを回したことになります。時間としてはそれだけですが、待っている間その部屋の加湿ができないので、乾燥した日にやると少し困りました。
クエン酸の注意点も書いておきます。塩素系の洗剤と一緒に使ってはいけません。混ぜると有害なガスが出ます。これはパッケージにも大きく書かれています。私はキッチンの漂白剤と同じ棚に置いていたので、置き場所を分けました。
あと、においが残ります。洗浄後の1回目の運転では、わずかに酸っぱい感じの蒸気が出ました。すすぎを2回に増やしたらほぼ消えたので、面倒でもすすぎは省略しないほうがいいです。
今やっている頻度
反省して、今は3段階に分けています。
毎日やるのは、タンクの水を捨てて入れ替えることだけ。前日の水を継ぎ足さない。これは超音波式でもスチーム式でも共通です。朝、コーヒーを淹れるついでにやると忘れません。時間にして20秒くらい。
週に1回は、タンクの内側をスポンジで洗います。これも数分で終わります。ポイントは、水を抜いた直後の柔らかいうちにやること。乾いて固まってからだと落ちにくくなります。うちは土曜の朝に固定しました。
月に1回がクエン酸洗浄です。カレンダーに繰り返し予定を入れて、通知が来たらやる。忘れる自信があったので、仕組みで解決しました。実際、1シーズンで4回やって、白い塊はまったく育たなくなりました。
方式によって、やることが変わる
ここは間違えやすいところなので分けて書きます。
スチーム式は、水を沸かすのでヒーター部分に水垢が集中します。だからクエン酸洗浄が中心になる。逆に、フィルターがないタイプが多いので交換部品は少なめです。
超音波式は、水を加熱しません。かわりに、タンクの水がそのまま霧になって出ていきます。うちで使っている卓上のものは、タンクが300mlと小さいこともあって、毎日の水替えと拭き取りが手入れの中心。振動板という小さな金属部分に水垢が付くと加湿量が落ちるので、綿棒で拭くようにしています。これは週1回。
気化式はフィルターが主役です。うちにはありませんが、調べるとフィルター自体もクエン酸に浸けて洗うよう案内している機種が多く、そのうえで1シーズンから2シーズンで交換とされています。フィルター代が年間2,000円から4,000円ほどかかる前提で考えたほうがよさそうです。
手入れを続けるために変えたこと
正論として月1回やるべきだと分かっていても、やらなくなるのが人間です。実際、私は1シーズン目に完全に忘れていました。だから2シーズン目は、意志ではなく段取りのほうを変えました。
ひとつめは、道具を加湿器のそばに置くこと。クエン酸の箱を洗面台の下にしまっていたときは、取りに行くのが面倒でやりませんでした。今は加湿器の後ろに直接置いてあります。見た目は良くないですが、手を伸ばせば届く場所にあるかどうかで実行率がまったく違いました。
ふたつめは、やる日を決めること。うちは毎月1日の夜と決めています。加湿器を止めても困らない時間帯で、かつ日付で覚えられる。頻度ではなく日付で決めたほうが、私には続きました。「月1回」だと、いつやったか忘れて先送りになるので。
3つめは、洗浄中にやることを決めておくこと。1時間半かかるので、その間に加湿器の設置場所を拭いたり、温湿度計の電池を確認したりしています。待ち時間を別の作業に充てると、洗浄そのものが億劫でなくなりました。
ちなみに、シーズンの終わりにやる片付けも一度失敗しています。4月に使い終わったあと、水を少し残したまま押し入れにしまったんです。秋に出したら内部に薄い膜のようなものができていて、結局クエン酸洗浄と丸1日の乾燥をやり直すことになりました。しまう前に、タンクも本体も完全に乾かす。これは書き残しておきます。
掃除しやすさは、買うときの評価項目
1シーズン手入れをしてみて思ったのは、加湿性能より掃除のしやすさで機種を選ぶべきだったということでした。
うちのスチーム式は、上蓋を外すと中が完全に見えるシンプルな構造です。これは正解でした。手が入るし、汚れ具合が一目で分かる。
逆に、机上で使っている1,980円の超音波式は、内部に細かい溝があって綿棒が届かない部分があります。汚れているのは分かるのに触れない。安い機種ほど、掃除のことを考えた設計になっていない傾向は感じました。値段なりではあります。
次に買うなら、タンクの口の広さを見ます。手が入るかどうか。それと、内部にパッキンが何個あるか。パッキンの裏は汚れが溜まりやすく、外せないタイプだと詰みます。この2つは商品ページの写真で判断できることが多いです。
結局、10週間サボって失ったもの
白い塊を落とすのに4時間半かかったのは前に書いたとおりですが、それより痛かったのは加湿量が落ちていた期間です。1月の乾燥がきつい時期に、本来の性能が出ていない機械を使い続けていた。温湿度計の数字を見ていたのに、原因を加湿器の汚れだと結びつけられなかった。
金額でいえば、クエン酸は1包220円ほどです。年に4回使っても880円。10週間サボったことで余計に消費したのは、追加の洗浄2回分と、その間の電気代でした。大した額ではありませんが、性能が落ちた状態で電気を使い続けていたと考えると気分は良くありません。
今は、湿度が上がりにくくなったら真っ先に掃除を疑うようにしています。設定でも部屋の広さでもなく、まず中を見る。この順番を覚えただけでも、去年の失敗には意味があったと思っています。
この記事は部屋の空気の個別記事です。温湿度をどう管理しているかの全体は部屋の空気を測って分かったこと|温湿度計を置いたにまとめています。

