リビングの収納|隠すより取り出しやすさを優先した

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リビング収納の情報を集めていると、たいてい「生活感を隠す」方向の話になります。扉付きの家具、中身が見えない布のボックス、色を白でそろえる。うちも一度その方向でやってみて、半年で全部やり直しました。結論から書くと、子どもがいる家のリビングでは、隠す設計は家族の中で共有されない。私は覚えていても妻が分からない、あるいはその逆が起きる。今は中身が透けて見える引き出しを堂々と並べていて、見た目は後退したけれど生活はかなり楽になりました。その判断の経緯を書きます。

「隠す収納」を半年やって、探し物が増えた

去年の冬、出産準備をしていた頃の話です。リビングに置く物が増えるのは確実だったので、先に見た目を整えておこうと考えました。買ったのは、白い不織布の折りたたみボックスが6個。1個800円くらいで、テレビ台の下と棚の空きスペースに並べました。

並べた直後は満足でした。写真映えもする。問題は運用が始まってからです。

ボックスの中身は、爪切りや体温計、ガーゼ、母子手帳ケース、充電ケーブル類、文房具。全部が同じ見た目の白い箱に入っている。私は入れた本人なので3日は覚えていましたが、1週間もすると分からなくなる。妻はそもそも入れていないので最初から分からない。夜中に子どもの体温を測ろうとして、箱を3つ開ける羽目になったことがあります。

ラベルを貼ればいい、という話ではあります。実際、途中でマスキングテープに書いて貼りました。ただ、中身は日々変わるんですよね。ガーゼの箱にいつのまにか綿棒が入っている。ラベルは書いた時点の情報で止まるので、更新されないと嘘になる。この「ラベルと中身がずれる」現象が、半年でじわじわ効いてきました。

探す時間を秒で測ってみた

理屈っぽい性格なので、一度ちゃんと測りました。よく使う10品目について、思い立ってから手に取るまでの秒数をストップウォッチで計測。不織布ボックス運用のときの平均は18秒で、最悪だった爪切りは47秒かかりました。

18秒は、単体で見れば大した時間ではありません。ただ、抱っこしている状態での18秒は体感がまるで違う。片手がふさがった状態で箱を開けて、中を探って、閉じて、次の箱を開ける。この一連が想像以上にストレスでした。収納の評価軸は秒数ではなく「片手でできるか」だったと気づいたのがこのタイミングです。

ここで方針を切り替えました。見た目の統一を諦めて、開ける前に中身が分かることを最優先にする。妻に相談したら「最初からそうしてほしかった」と言われました。

透明の5段チェストを2台入れた

入れ替えたのが、幅56cmの5段引き出しチェストです。2個セットで22,800円ほど。前面が透明なプラスチックで、閉めた状態でも中身がだいたい見えます。5段×2台で合計10段。

この「10段」という数字が効きました。不織布ボックス時代は6個で、1個あたりに詰め込む量が多かった。段数が増えると1段あたりの中身が減るので、開けた瞬間に全部見えるんです。爪切りの段には爪切りとやすりしか入っていない。探すという動作がそもそも発生しなくなりました。

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再計測したら、10品目の平均は6秒。爪切りは4秒でした。18秒から6秒なので、1日に20回そういう場面があるとして4分。数字にすると地味ですが、体感の改善はそれよりずっと大きいです。

不満もはっきりあります。まず、透明なので中身が雑然としていると、それがそのまま部屋の景色になる。ケーブル類の段は正直みっともないので、そこだけ中に紙を1枚立てて目隠ししています。本末転倒っぽいですが、10段のうち1段だけならまあいいかと。

もうひとつ、引き出しがプラスチックなので、満載にすると開閉が少し重い。特に一番下の段に重いものを入れると、レール部分がたわむような感触があります。組み立て自体は工具なしで、2台で30分ほど。ここは楽でした。あと、2個セットの箱がかなり大きいので、玄関からリビングまで運ぶのに一度廊下で立てる必要がありました。うちは賃貸2LDKで廊下が狭いので、これは事前に測っておくべきだったと思います。

10段の割り振りは頻度だけで決めた

段の中身は、カテゴリではなく使用頻度で決めました。一般的には「衛生用品」「文房具」のようにジャンルで分けたくなるところですが、うちの場合それをやると、毎日使う体温計と半年に1回しか出さない救急セットが同じ段に入ってしまう。

そこで、上から2段目と3段目を「毎日触る物」、4段目と5段目を「週1回」、一番上を「子ども専用の消耗品ストック」に割り当てました。腰から胸のあたりが一番出し入れしやすいので、そこを最頻出に充てる。倉庫の棚割りと同じ考え方です。

この割り振りをA4の紙1枚に書いて、チェストの側面に貼っています。ラベルと違って中身の細目までは書いていないので、中身が入れ替わってもずれない。運用が始まって2ヶ月、書き直しはまだ1回もしていません。

幅56cm×2台をどこに置くか

置き場所はけっこう悩みました。うちのリビングは約11畳。壁面はテレビ台、ソファ、ダイニングテーブルでほぼ埋まっています。壁に穴を開けて棚を吊るという逃げ道が賃貸なので使えない。

最終的には、和室との仕切りの引き戸の脇、幅120cmほど空いていた壁に2台を横並びで置きました。56cm×2で112cm。ぎりぎりです。ここを選んだのは、リビングの入口から見て正面ではなく、視線が斜めに抜ける位置だったから。透明で中身が見える収納は、正面に置くと主張が強すぎます。

上に天板を渡してカウンターのように使う案も考えましたが、やめました。天板を作ると物置きになるのが目に見えていたからです。今は上に何も置かないと決めていて、それでも週に1回くらい郵便物が乗っています。

見た目をどこまで諦めたか

正直に書くと、リビングの見た目は以前より雑然としました。白い箱が整然と並んでいた頃のほうが、写真は綺麗です。

ただ、あの頃の綺麗さは、床に物が出ていない状態を維持できているうちだけのものでした。子どもが生まれてからは、抱っこしたまま片手で物を戻す場面が1日に何度もある。そのとき、蓋を開けて中に入れて蓋を閉める動作は成立しません。引き出しを引いて放り込んで肘で閉める、くらいの雑さに耐える収納でないと、結局は床に置きっぱなしになる。

妥協の仕方としてひとつだけ工夫したのは、引き出しの中で使う小分けケースの色を白でそろえたことです。透明な前面から見えるのは中身そのものなので、その中身のパッケージがバラバラだと視覚的にうるさくなる。ガーゼや綿棒は買ってきた箱のまま入れず、白い浅型のケースに移しています。1個200円台の樹脂ケースを8個。透明収納をやるなら、この中身の統一のほうが外側の見た目より効きます。

床に物が出ているリビングと、中身が透けている引き出しがあるリビング。どちらがマシかという話で、うちは後者を選びました。ここは家庭ごとに答えが違って当然だと思います。来客が多い家なら判断は逆かもしれない。

最後に

この入れ替えでいちばん大きかったのは、妻が物の場所を聞いてこなくなったことでした。以前は1日に2、3回「あれどこ」というやり取りがあった。今はほぼゼロです。見えていれば説明がいらない。当たり前なんですが、隠す方向に振っていたときは、そこを完全に見落としていました。

子どもがつかまり立ちを始めたら、下から2段は開けられてしまうはずなので、その2段の中身は入れ替えることになると思います。危ない物を上に、触られてもいい物を下に。この作り直しは今から予定に入れています。

この記事は収納の個別記事です。何をどこに置くかを決め直した全体は物が増えた家の収納|1年で入れ替えたものにまとめています。

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