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キャベツ4分の1玉を千切りにするのに、何秒かかるのか。包丁と千切りピーラーで実際にストップウォッチを回してみました。結果を先に書くと、包丁が4分12秒、千切りピーラーが1分38秒。ただし、洗う時間を足すと差は思ったほど広がりません。ここが今回いちばん面白かったところです。
前提を先に書いておきます。我が家は妻と私と生後5ヶ月の子どもの3人。都内近郊の2LDK賃貸で、コンロはガス、食洗機あり。料理は分担で、平日の夕飯は交代制です。私は包丁の腕が特別いいわけではなく、キャベツの千切りは太さがばらつくタイプ。この条件での数字なので、料理が得意な人はもっと速いはずです。
計った条件
条件をそろえないと比較にならないので、キャベツは同じ玉から4分の1ずつ切り出して、芯を取った状態からスタート。ボウルに全部入り終わった時点でストップ。これを3日にわけて、それぞれ2回ずつ計りました。以下の数字はその平均です。
包丁での千切りが4分12秒。うち、キャベツを2〜3枚ずつ剥がして重ねる作業に1分近くかかっています。切る動作そのものより、下準備のほうが時間を食っていました。仕上がりは太さがばらついていて、太いところは3mmくらい。
千切りピーラーが1分38秒。芯を落とした断面に対して、上から下へ引くだけ。剥がして重ねる工程がないので、そこがまるごと消えます。差の大半は、切る速さではなく工程の数でした。
この結果を見て気づいたのは、料理の時短を語るときに「切る速さ」ばかり見ていたということです。実際に時間を食っているのは、剥がす、重ねる、押さえ直す、といった準備の部分。ここを丸ごと飛ばせる道具かどうかで判断すればよかった。数字を取ってみて初めて、自分の思い込みがずれていたことが分かりました。
ちなみに、包丁の4分12秒には個人差がかなりあると思います。妻に同じ条件でやってもらったら3分20秒でした。私より50秒速い。つまり包丁が速い人ほど、千切りピーラーの恩恵は小さくなる。この道具の価値は、料理の腕に反比例します。私のように千切りが苦手な人間にとってのほうが、効果は大きい。
千切りピーラーを半年使ってみて
使っているのはキャベピィMAXという製品で、刃が2枚並んでいるタイプ。専用の手袋がセットになったものを1,350円ほどで買いました。
良かった点から。まず、仕上がりが均一です。刃の間隔で太さが決まるので、私の腕に依存しない。トンカツの横に添えるキャベツが、店で出てくるものにかなり近い細さになります。これは包丁では再現できませんでした。
次に、片手が塞がっていても使えること。うちは片方が子どもを抱いて、もう片方が調理という時間帯が長いんですが、千切りピーラーはキャベツをまな板に押しつけて上から引くだけなので、姿勢が安定していれば片手に近い動作でいけます。包丁の千切りは両手を使うので、この差は生活の中では大きい。
不満もはっきりあります。一番大きいのは、最後まで削れないことです。キャベツが薄くなってくると、手で押さえる部分がなくなって危ない。うちは3cmくらい残った時点でやめて、残りは包丁で刻んでいます。つまり結局包丁も使う。ここは道具の構造上どうしようもない部分だと思います。
専用手袋が付いていることからも分かるように、刃はしっかり鋭いです。私は買って2週間目に、手袋をつけずに使って親指の腹を軽く削りました。血が出るほどではなかったものの、これは完全に自分が悪い。付属の手袋は面倒でも着けたほうがいいです。着ける手間は5秒、怪我をしたときの損失は比較になりません。
もうひとつ、洗いにくい。刃が2枚並んでいる隙間にキャベツの繊維が詰まります。食洗機に入れてはいますが、隙間に残った分は落ちきらないことがあって、結局ブラシで擦る工程が入る。ここは正直、包丁より手間です。
洗う時間を足すと、差が縮まる
ここが今回の本題でした。調理時間だけを比べれば、千切りピーラーが2分34秒速い。でも、後片付けまで含めるとどうなるか。
包丁の場合、洗うのは包丁とまな板の2点。どちらも食洗機にそのまま入れられるので、私の作業は「入れる」だけで10秒ほど。千切りピーラーの場合は、まな板とピーラー、そして刃の隙間の掃除で、だいたい50秒かかりました。差し引き40秒。
それでも千切りピーラーのほうが約2分速い計算になります。ただ、2分の短縮のために1,350円と収納スペースを払う価値があるかどうかは、キャベツをどれくらいの頻度で千切りにするかで決まります。うちは週に2回くらい。年間100回として、200分。3時間ちょっとです。これを高いと見るか安いと見るかは人によると思います。私は、時間より「均一に仕上がる」ほうに価値を感じています。
普通のT型ピーラーは、結局手放していない
千切りピーラーを買ったあとも、普通のT型ピーラーは残しています。役割が違うからです。
T型は、じゃがいもや人参の皮を剥く道具。千切りピーラーではこれができません。刃が2枚あるので、皮を剥こうとすると身まで削れてしまう。逆にT型でキャベツの千切りをやると、幅が広すぎて切れ端になります。名前が似ているだけで、別の道具でした。
あともう1点、T型はキャベツ以外にも使い道があります。きゅうりを薄いリボン状にする、人参をピーラーで薄く削って炒める、大根の皮を厚めに剥いて別の料理に回す。皮むき以外の使い方が広いのはT型のほうです。千切りピーラーは、名前のとおりキャベツを千切りにする専用機と考えたほうが期待値がずれません。
うちのT型は数百円のもので、5年近く使っています。刃が鈍ってきたら買い替える消耗品という認識です。判断基準は単純で、じゃがいもの皮を剥くときに力を入れている自分に気づいたら替え時。これは去年、妻に指摘されて気づきました。自分では鈍っていることに気づけないんですよね。
スライサーは、1年で使わなくなった
正直に書くと、我が家には箱型のスライサーもありました。大根や人参を薄切りにするやつで、千切り用のアタッチメントが3種類ついたセット。3,000円くらいだったと思います。
1年でほぼ使わなくなりました。理由は3つあって、アタッチメントの入れ替えが面倒、部品が多くて洗い物が増える、そして収納がかさばる。特に洗い物が決定的で、本体と刃と受け皿と押さえの4点を洗う必要がありました。調理で3分縮めて、片付けで3分増やしていたら意味がない。
ただ、大量に仕込む人には合うと思います。大根を1本まるごと薄切りにするような場面なら、部品を洗う手間は十分ペイする。うちは「少量を毎日」だったので、道具の想定と使い方がずれていました。いまは手放して、その分の棚を空けています。
結局、時短になったのか
数字だけを見れば、千切りピーラーは確かに時短でした。ただ、半年使ってみて実感しているのは、短縮された2分そのものより、「今日はキャベツを千切りにするか」と考えなくなったことのほうが効いているという感覚です。
包丁で4分かかると分かっていると、疲れている日は千切りを諦めてざく切りにします。1分半で終わると分かっていると、迷わず千切りにする。道具が変えたのは所要時間というより、選択肢のほうでした。
もし1つだけ買うならどれか、と聞かれたら、まずT型ピーラーです。皮むきは代替が効かない。千切りピーラーは、キャベツを週2回以上千切りにする家なら追加で買う価値がある。スライサーのセットは、まとめて仕込む習慣が既にある人向け。我が家の半年は、だいたいこの順番に落ち着きました。
この記事はキッチン道具の個別レビューです。何を残して何を捨てたかはキッチンの道具を入れ替えた|使う頻度で選び直すにまとめています。

