音楽|イヤホンで聴く夜

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ワイヤレスが当たり前になった今、あえて有線のイヤホンを1本、常に手の届く場所に置いています。理由は音質ではありません。充電しなくていいことと、音がずれないこと。この2つだけで、夜の30分には有線のほうが強い、というのが今の結論です。

子どもが寝たあと、寝室やソファで動画を観たり、音を消したゲームの音だけ拾ったりする。その用途で無線と有線を半年ほど行き来した結果を書きます。

無線が使えなかった夜が、実際にあった

一番効いたのはこれです。子どもを寝かしつけて、やっと座って、イヤホンを取り出したらバッテリーが切れている。ケースに戻し忘れていた日です。充電を待つ15分は、私の自由時間の半分です。その日は結局、何もせずに寝ました。

これが月に2回か3回ありました。頻度としては大したことないように見えますが、使いたいタイミングで使えない道具は、そのうち手が伸びなくなる。実際、無線のほうを取りに行く回数が徐々に減っていきました。

有線には、そもそも切れる概念がありません。挿せば鳴る。この一点が、時間が読めない生活とは相性がよかった。ペアリング待ちの数秒すらないのも、地味に効きます。無線だと接続完了までに3秒から5秒、たまに繋がらなくて設定画面を開くことがある。あの時間が積み重なると、単純に不快です。

音ズレの話

もうひとつが遅延です。無線のイヤホンは、電波に乗せる都合で必ず遅れます。最近のコーデックはかなり詰めていますが、それでもゼロにはならない。

音楽を聴くだけなら気にならないんですが、動画を観ると口の動きと声がずれます。多くの動画アプリは補正をかけてくれるので普段は分かりませんが、補正が効かないアプリや、ブラウザ再生では気になる場面がありました。一度気づくと、そこばかり見てしまうんですよね。

ゲームだともっとはっきりします。ボタンを押してから効果音が鳴るまでのわずかなずれ。私がやるのはシビアな操作を要求されないゲームですが、それでも操作している感覚が薄くなる。有線に挿し替えると、この違和感が消えます。

仕事でも同じで、動画を書き出したあとに音と映像のタイミングを確認するとき、無線だと判断ができません。有線を1本持っておく理由としては、これがけっこう大きい。

1,000円台のものを選んだ理由

今使っているのは、ソニーのMDR-EX155というカナル型の有線イヤホンです。実売で1,500円から2,000円あたり。コード長は1.2mで、9mm径のドライバーが入っています。ハイエンドでも何でもない、ごく普通の製品です。

この価格帯にした理由は3つあります。まず、音量を絞って使うから。夜に大きな音は出せません。小さい音で聴く前提だと、高級機の性能を活かせる場面がそもそも少ない。

次に、無くしても壊しても痛くないこと。ソファの隙間に落ちる、椅子のキャスターで踏む、子どもが引っ張る。この環境で1万円のイヤホンを使う気にはなれませんでした。

3つめが、遮音性です。カナル型なので耳を塞ぎます。ノイズキャンセリングのような能動的な機能はありませんが、耳栓と同じ原理で物理的にある程度は静かになる。夜の家は元々静かなので、これで足りています。

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不満もはっきりある

まずタッチノイズ。ケーブルが服やあごに擦れると、その音が耳に直接届きます。歩きながらだと使い物にならないレベル。座って動かない前提なら気になりませんが、家の中を移動するときは無線に切り替えています。ケーブルを服の中に通すと軽減しますが、毎回やるのは面倒です。

次にケーブルが絡むこと。ポケットに入れて1日置くと、必ず団子になっています。私は8の字に巻いて小さいポーチに入れるようにしましたが、それでも無線のケースを開けるだけの手軽さには勝てません。

それから、3.5mmのジャックがない機器が増えている問題。私のスマホにはイヤホンジャックがありません。変換アダプタを1つ挟む必要があります。このアダプタが小さくて、よく行方不明になる。今は使うタブレット側に挿しっぱなしにして、抜かない運用にしました。

音質についても正直に書くと、1,000円台なりです。低音は出ますが締まりはないし、高音の細かい部分は潰れます。ただ、深夜に小音量で聴く用途では、この差を感じ取れるほど集中して聴いていません。

結局、無線と使い分けている

有線を推す記事のようになっていますが、無線を捨てたわけではありません。使い分けの基準ははっきりしています。

抱っこしながら、家の中を歩き回りながら聴くときは無線。座って動画を観る、ゲームをする、仕事で音のタイミングを確認する、というときは有線。移動するかどうかが分かれ目です。

抱っこ紐で寝かしつけをしながら音楽を聴くとき、ケーブルは邪魔どころか危険です。子どもの手が届く位置に紐状のものを垂らしたくない。この用途に有線を使うことはありません。

逆に、寝室でタブレットを観るときは有線一択です。寝返りでケーブルを引っ張っても、抜けるだけで済む。無線だと本体が布団のどこかに飛んでいって、暗い中を探すことになります。これも一度やって、20分探しました。

1本を挿しっぱなしにしておく

今の運用は、寝室のサイドテーブルのタブレットに有線を挿したままにしておく、というものです。使うときは耳に入れるだけ。準備はゼロ秒。

この「取りに行かなくていい」状態を作れたのが、実は一番の効果でした。30分しかない夜に、道具を探す2分は許容できません。安いものを買って、必要な場所に置きっぱなしにする。高いものを1本だけ買って持ち歩くより、今の生活にはこっちが合っていました。

ケーブルが劣化して断線したら、また同じものを買うつもりです。数千円のものを消耗品として扱えるのは、精神的にかなり楽でした。

寿命についても触れておきます。有線は必ず断線します。私は同じシリーズの2本目で、1本目はプラグの根元が1年ちょっとで接触不良になりました。使い方が悪かった自覚もあって、巻くときにプラグのすぐ横から曲げていた。今は根元から5cmは曲げないように巻いています。

逆に言えば、壊れる場所が分かっているというのは扱いやすさでもあります。バッテリーが劣化して再生時間が短くなる無線と違って、ある日突然片側が鳴らなくなるだけ。買い替えの判断が単純です。

最後にひとつ。イヤーピースのサイズは、付属のS・M・Lを全部試したほうがいいです。私は最初Mのまま使っていて、遮音が甘いと感じていました。Lに替えたら音量を2段階下げても聴こえるようになった。小さい音で使う前提の夜には、ここの密閉が効きます。数百円のものを買い足す前に、まず箱に入っているものを試す価値があります。

音質の話にも少し触れておきます。数千円の有線イヤホンと、同じ価格帯の無線を比べると、有線のほうが有利になりやすいと言われています。無線は本体に無線の部品とバッテリーが入るぶん、音を出す部分に割ける予算が減るからです。

ただ、これは価格帯によって話が変わります。1万円を超えてくると無線でも十分に良く、そこから先は好みの世界だと感じました。私が有線を選んでいるのは音質そのものより、「充電を管理しなくていい」という運用上の理由のほうが大きいです。

寝室で使うときの注意もひとつ。ケーブルが首に絡まないよう、寝落ちしそうな日はそもそも着けないことにしています。

この記事は個別の記事です。子どもが寝た後の時間の使い方全体は子どもが寝た後の30分|何に使うかで日が変わるで整理しています。

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