静かに遊べるゲーム|音を出せない環境で

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夜のゲームで一番の敵は、実は難易度でも時間でもなくてでした。うちはリビングと寝室がドア1枚。据え置き機をテレビにつないでいた頃は、音量を10段階中の2に絞っても、効果音の低い帯域がドア越しに伝わるらしく、子どもが動く日がありました。

それで据え置きをやめて、携帯機に寄せました。結果として、音の問題より「途中で抜けられるかどうか」のほうが本質だったと分かったので、その話を書きます。

音量ゼロにできる機械しか、夜には残らなかった

まず物理の話から。テレビのスピーカーは部屋の壁と床を鳴らします。音量を絞ってもゼロにはできないし、そもそも小さい音にすると今度は聞き取れない。イヤホンをつなげば解決しますが、テレビ横に座って有線イヤホンを引き回すと、ケーブルの長さの分だけ座る位置が固定されます。

携帯機なら、本体のボリュームをゼロにすればそれで終わりです。振動機能がない機種なら、机に置いたときのブーンという音も出ない。当たり前の話なんですが、音を出さないことを機械側で完全に保証できるのは、思った以上に安心感がありました。妻が先に寝ている日でも気を使わずに済みます。

音を消すとゲームによっては情報が減ります。敵の足音とか、タイミングを音で取る種類のもの。だから夜にやるゲームは、最初から音が要らないものを選ぶことになりました。ここは制約というより、選び方の話です。

ちなみに、音以外にも据え置きをやめた理由があります。テレビの電源を入れると、部屋が明るくなる。うちのテレビは55インチで、暗い部屋だとかなりの面積が光ります。ドアの隙間から漏れる光量も無視できなくて、夜に使う機械としては全体的に主張が強すぎました。画面が大きいことは、夜には長所ではないというのが実際に暮らして分かったことです。

中断できるゲームと、できないゲームの差

ここが一番大きい。同じ30分でも、いつでも電源を切れるゲーム切れないゲームでは、精神的な負荷がまるで違います。

切れないゲームの典型がオンライン対戦です。マッチングして試合が始まったら、抜けると味方に迷惑がかかる。泣き声が聞こえても「あと3分」と粘ってしまう。一度これをやって、リビングに戻ったら妻が既に対応していた、ということがありました。そのあと何も言われなかったのが余計に効いて、対戦系は夜のリストから外しました。

ボス戦の途中でセーブできないタイプもきついです。20分かけて削ったHPが、電源を切った瞬間にゼロに戻る。これは中断のコストが高すぎる。逆に、1面が3分から5分で終わるもの、あるいはどこでも中断できるものは、泣き声が聞こえた瞬間に手を止められます。

だから今、夜に触っているのはパズル、ローグライク、昔のアクションの1面単位、この3種類だけです。ストーリーを追う長いRPGは、内容を忘れるので昼の隙間に回しています。3日空くと前回の状況を思い出せなくて、結局セーブデータを見返すところから始まる。この「思い出す時間」が5分もあると、30分のうちの6分の1が消えます。

もうひとつ基準にしているのが、負けたときのダメージが小さいかどうかです。ローグライクは死んだらやり直しですが、それが前提の設計なので気持ちの上でのコストが低い。一方で、長時間積み上げたものが一瞬で消えるタイプは、寝る前に食らうと普通に引きずります。翌朝の機嫌に影響するものを夜に持ち込まない、というのは地味に重要な基準でした。

結局レトロ機に落ち着いた理由

いろいろ試して、手元に残ったのがGBAのカートリッジが挿せる3.0インチのポータブル機でした。IPS液晶で320×240、内蔵ソフトが40種類ほど入っているタイプです。ポケットに入るサイズで、寝かしつけのあと、そのままソファで開けます。

選んだ理由は3つ。音量をゼロにできること。電源を切っても失うのが直近の数分だけであること。そしてオンライン機能がないこと。最後がわりと重要で、繋がらない機械は、そもそも抜けられない状況が発生しません。ログインボーナスも、期間限定イベントも、フレンドの通知もない。夜の30分に「今日中にやらないと損する何か」を持ち込まないで済みます。

正直に短所も書きます。ボタンの押し心地はふにゃっとしていて、フレーム単位の入力を要求されるアクションだと取りこぼします。十字キーの斜め入力も素直じゃない。それから画面が3.0インチなので、文字の多いゲームは目が疲れます。細かい文字を読むタイプのソフトは、これで遊ぶものじゃないです。作りも値段なりで、充電端子の抜き差しが固い個体でした。

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手持ちのスマホでいいのでは、と考えた話

当然、最初はスマホでやろうとしました。無音にできるし、常に手元にある。ただ2週間でやめました。理由ははっきりしていて、通知が来るからです。仕事のSlackが1件表示された瞬間、頭がそっちに行く。在宅勤務だと仕事と生活の境目が薄いので、これが地味にしんどい。

もうひとつ、スマホゲームの多くはスタミナや日課の設計が入っています。毎日やらないと損をする作りだと、中断できない構造がゲームの外側に生まれる。3日空けたときの罪悪感が、私には合いませんでした。

専用機を分けるメリットは、単純にその機械を持っている時間はゲームの時間だと決められることです。仕事の道具と物理的に分けるだけで、切り替えが楽になりました。エンジニアという仕事柄、画面を見ている時間が長いので、この分離はけっこう効いています。

やらかしたこと:先にコントローラーだけ買った

順番を間違えた話も書いておきます。据え置きをやめる前に、スマホ用のBluetoothコントローラーを先に買いました。3,000円くらいのやつです。理屈としては「スマホゲームを快適に」だったんですが、実際にはコントローラーを出してくる時点で準備が2分かかる。しかも接続待ちが毎回5秒か10秒。

結果、2週間でほとんど使わなくなりました。準備に手間がかかるものは、疲れている夜には手が伸びない。これは他のことにも当てはまる教訓で、以降は「手に取ったら1秒で始まるか」を基準にしています。そのコントローラーは今、PCでの用途に転用して生き延びています。

夜のゲームに向いている条件

まとめると、私が今のところ守っているのは次の3つです。オンライン要素がないこと。1回のプレイ単位が5分以内で区切れること。そして音を消しても成立すること。

この条件を全部満たすゲームは、正直そんなに多くありません。でも探すとちゃんとあるし、昔のソフトほど条件に合いやすい。当時は電池が切れる前提で、外で遊ぶことを想定して作られていたからだと思います。1面が短くて、いつでもやめられて、音がなくても成立する。今の生活に必要な条件と、たまたま一致していました。

置き場所も決めました。リビングのローテーブルの上に小さなトレイを置いて、ゲーム機と読書灯とイヤホンをまとめてあります。座って1秒で手が届く。この配置にしてから、実際に触る日数が明らかに増えました。探す時間がある道具は、疲れた夜には使われない。ゲームに限らず、これは今のところ例外がありません。

子どもが大きくなって寝室が分かれたら、また据え置きに戻るかもしれません。今は、戻れないのではなく預けている、くらいの感覚でいます。

この記事は個別の記事です。子どもが寝た後の時間の使い方全体は子どもが寝た後の30分|何に使うかで日が変わるで整理しています。

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