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私はアプリを作る仕事をしています。画面の中で人の注意を引く方法を、業務として考えている側です。だからこそ、子どもに画面を見せるかどうかについては、最初から少し身構えていました。
子どもは生後6ヶ月。今のところ、動画も知育アプリも見せていません。ただ「絶対に見せない」と決めているわけでもなくて、我が家なりの線引きを決めるまでにいろいろ考えたので、その過程を書きます。断定的なことは書けません。乳幼児の画面視聴については各種のガイドラインで注意が促されていて、私が具体的な時間を示せる立場にないからです。
ルールを決めるより先に、状況を数えてみた
最初にやったのは、我が家で画面が視界に入る時間を数えることでした。テレビは1日にどのくらいついているか。私のノートパソコンは、子どものいる部屋で何時間開いているか。
数えてみて驚きました。テレビは夜の1時間程度でしたが、私のパソコンとスマホのほうが圧倒的に長い。在宅勤務なので、リビングで子どもを見ながら作業する時間があります。子ども向けの画面をゼロにしても、親の画面は常にそこにある。
もうひとつ気づいたのは、私がスマホを見ている時間帯に、子どもがこちらを見ていることでした。画面そのものではなく、光る板を見ている親の顔を見ている。これは制限のしようがない種類の露出です。
結果として、我が家のルールは「子どもに何を見せないか」より「親がいつ画面を置くか」の話になりました。子ども向けアプリの話をするつもりが、最初に自分の使い方に返ってきたわけです。
我が家で決めた3つのルール
決めたのは3つだけです。ひとつ、食事のあいだはテレビもスマホもつけない。ふたつ、子どもを抱いているあいだはスマホを見ない。みっつ、動画を見せるのは当面なしにして、必要が出たらそのとき考える。
2つめが一番きつかった。抱っこしている時間は片手が空くので、つい見てしまうんですよね。特に寝かしつけの30分は、ほとんど手持ち無沙汰です。今はここで音楽を聴くか、何も見ないで座っています。
3つめは、条件付きです。妻が一人で子どもを見ている日に、どうしても手が離せない場面がある。そういうときに動画を使うことを、私が外から否定するつもりはありません。ルールは、守れる人が守れる範囲で決めないと意味がない。
逆に、時間の上限を数字で決めるのはやめました。ガイドラインを読むと、年齢による考え方の違いや、内容や一緒に見るかどうかによる違いにも触れられていて、単純な分数の話ではないと感じたからです。我が家の実態に合わない数字を掲げても、守れないだけです。
知育アプリを一通り触ってみて思ったこと
職業柄、子ども向けアプリはいくつか自分で触ってみました。触った感想としては、作りのいいものとそうでないものの差がかなり大きい。
気になったのは、広告の入り方です。無料のアプリだと、子どもがタップする位置に広告が出る設計のものがありました。誤タップで別の画面に飛ぶ。大人でも間違えるので、指の制御ができない年齢では確実に踏みます。
もうひとつは、次の画面へ進ませる作りです。1つ終わると自動で次が始まる。途切れないので、区切りをつけるのが親の役目になります。これは意図的な設計で、私も仕事で似た議論をします。だからこそ、家では警戒しています。
0歳向けと書かれたアプリもありましたが、6ヶ月の子どもが画面を狙ってタップするのは難しい。使えるとしても、しばらく先の話です。
画面のないタブレット型おもちゃという選択肢
調べていて面白かったのが、見た目はタブレットだけれど画面がない玩具です。学研の「遊びながらよくわかる あいうえおタブレット」のようなもので、ボタンを押すと音が出る仕組み。対象年齢は2歳以上と表記されています。
発想として合理的だと思いました。子どもが親の持ち物を触りたがるのは、たぶん機能ではなく「親が使っているから」です。だとすれば、光る画面がなくても代わりになる可能性がある。
ただ、これも6ヶ月ではまだ早い。ボタンを狙って押す動作が必要で、それができるようになる時期は個人差が大きい。今買っても、しばらく箱の中です。
それと、この手のおもちゃは電池式で音が出ます。音量調節がついているかどうかは、買う前に確認したいところです。値段だけ見れば数千円ですが、家の中で毎日鳴るものなので、そこは慎重に選びたい。
音だけなら気にしない、という自分の線引きを疑ってみた
我が家は童謡を毎日流しています。画面は見せないのに、音は流している。この差に理屈があるのか、一度考えてみました。
私なりの整理はこうです。音は、聞きながら別のことができる。手を動かしながらでも、寝返りを打ちながらでも成立します。画面は視線を固定するので、その時間ほかの動作が止まる。止まる時間が増えることを避けたい、というのが我が家の理由でした。
ただ、これは私が自分で考えた理屈で、専門的な裏づけがあるわけではありません。音についても大きすぎる音量には注意が必要とされているので、無条件に安全というわけでもない。線引きは自分の納得のために作っているだけで、正しさの保証ではありません。
それでも、理由を言語化しておくと迷いが減りました。判断に困る場面で「何を避けたかったんだっけ」と戻れる基準があるのは、けっこう楽です。
子ども用タブレットは、まだ検討にすら入らなかった
実機のタブレットで、子ども向けに時間制限やフィルタが入っているものも見ました。7インチで1万円前後という価格帯があります。
機能としては、利用時間の制限やアプリの制限が最初から入っているのは合理的です。私が親のiPadを渡して設定で縛るより、たぶん確実でしょう。ただ、必要になるのは自分で操作して意味のあるコンテンツを扱う年齢からです。
気になったのは、この手の端末が「制限機能があるから安心」という売り方をされていることでした。制限は、使う前提で作られた機能です。使わない選択をしている家には、そもそも関係がない。機能の充実は、必要性の証明ではありません。
それに、端末を与えるという判断は、その瞬間から「取り上げる」という別の問題を生みます。渡さなければ起きない問題を、今から前借りする理由がありません。
線引きは、たぶん一度では決まらない
ここまで書いておいてなんですが、このルールが1年後も同じだとは思っていません。子どもが動き回るようになって、手が足りなくなったときに、私は今の自分ほど厳格ではいられない気がします。
それでもいいと思っています。決めておく意味は、守り切ることではなく、崩すときに自覚があることのほうにある。なし崩しで毎日1時間見せるようになるのと、必要な日に意識して使うのとでは、たぶん違います。
今のところ、生後6ヶ月の我が家に画面はありません。その代わり、私がスマホを置く時間が増えました。効果があったのは子どもの側ではなく、こちらの側です。
この記事は知育の個別記事です。0歳から何をやって何をやめたかは0歳から始めた知育|やってよかったこととやめたことで振り返っています。

