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吊り戸棚の奥から、レトルトの丼が14袋出てきました。賞味期限まであと2ヶ月。1日1食ずつ消化しても2週間かかる量です。息子が生まれる前に「これで安心」と思って20食セットを買って、実際に食べたのは半年で6回だけでした。
手を抜く日は必ず来ます。来ると分かっているのに、その日の選択肢を用意していないと、結局コンビニまで歩くか、何も食べずに済ませるかの二択になる。だったら先に置いておけばいい。ただし置きすぎると、こうやって期限に追われる。備えの量と選び方を、失敗したあとに考え直した話です。
月に何回「無理な日」が来るか、数えてみた
まず量を決めるために、実績を数えました。カレンダーアプリに、夕食をまともに作らなかった日だけ印をつける。それだけを3ヶ月続けました。
結果は月に4回、5回、4回。だいたい月4〜5回です。多いと感じるか少ないと感じるかは人によると思いますが、私が事前に想像していたのは「週2回くらい」でした。実際は半分以下。感覚は当てになりません。
印がついた日には共通点がありました。息子の夜泣きが続いた翌日。妻の帰りが21時を回る日。私のリリース前で、夕方まで手が離せない日。この3パターンでほぼ全部です。予測できるものもあれば、朝になって初めて分かるものもある。
月4〜5回なら、2ヶ月分でも10食で足ります。ここで20食セットを選んだのが最初の間違いでした。単価は下がるのに、消化に4ヶ月かかる。レトルトの賞味期限は製造から1年前後のものが多いので、購入時点で残り期限が短いロットに当たると、その4ヶ月がそのまま危うくなるんですよね。今は10食セットを1つだけ置いて、半分を切ったら次を注文するという回し方にしています。
罪悪感を先に捨てた
量の話より先に片づける必要があったのが、気持ちのほうでした。
息子の離乳食は、水の分量まで測って作ります。にんじんを裏ごしして、小分けにして冷凍する。その横で自分の夕食がレトルトの丼だと、なんとなく後ろめたい。最初の頃はその後ろめたさを避けたくて、疲れているのに包丁を出して、結局22時半に食べていました。
これをやめました。手を抜く日を「例外的な失敗」として扱っていると、その日の選択肢が育たないんです。月5回来ることが分かっているものは、例外ではなく通常運転の一部です。だったらその5回の質を上げにいくほうが、回数を減らそうとするより現実的でした。
目指すのは「作らない日をゼロにする」ではなく「作らない日に何を食べるかを、あらかじめ決めておく」。決めておけば、疲れている状態で判断しなくて済みます。夜21時の自分に選ばせないための準備、と言い換えてもいい。
1食あたりいくらまでなら許すか
選ぶ基準は味だけでは決まりませんでした。価格との釣り合いです。
私が置いた線は1食250円。理由は、これを超えると近所のスーパーの惣菜や、宅配の弁当と比べる意味が薄れるからです。300円出せる日なら、正直そちらのほうが品数は多い。レトルトの価値は「今すぐ、外に出ず、洗い物ほぼゼロで食べられる」ことなので、そこに払える上限を先に決めておくと迷いません。
この250円という線は、我が家の食費の中で無理なく置けた金額というだけで、根拠のある数字ではありません。ただ、線が引いてあること自体に意味がありました。上限を決めていないと、疲れている日ほど「今日は特別だから」と高いほうに流れます。3ヶ月分のレシートを見返したとき、線を引く前の月だけ、丼を食べるはずだった日に1,200円の出前を頼んでいました。
セット商品は総額で表示されるので、注文前に必ず食数で割ります。10食セットなら総額÷10。セール価格は動きますし、まとめ買いのほうが単価は下がるので、単価だけ見ていると20食に手が伸びる。私はここで一度失敗しているので、今は単価と消化速度の両方を見るようにしました。
今置いているのは、丼のアソート10食
いま吊り戸棚に入れているのは、マルハニチロの金のどんぶりのアソート10食セットです。レトルトの丼が10種類ぶんと、お吸い物が付いてくるタイプ。湯せんか電子レンジで温めて、炊いたご飯にかけるだけで終わります。
同じ枠で比べたのは、DONBURI亭の5種10食セット(牛丼・中華丼・親子丼・すき焼き丼・カレー南蛮丼)と、金のどんぶりの20食セット(5種×4個)、それに6種類18個のアソート(親子丼・麻婆丼・チャプチェ・ビビンパ・豚たま丼・中華丼)です。5種×4個のほうは同じ味が4袋ずつ来るので、好きな味を把握してから買うなら合理的。私はまだ自分の好みが分かっていなかったので、種類が多いほうを選びました。
方向性の違うものだと、楽天に北海道産の魚と肉の惣菜を20種詰め合わせたセットが8,585円で出ていました。こちらは丼というより、おかずを増やす用途。価格は変動するので執筆時点の目安ですが、1食あたりで割ると丼のレトルトとは別の価格帯になります。
3ヶ月食べて出てきた不満
いいことばかりではありません。実際に回してみて気になった点を並べます。
- 味が濃い。ご飯にかける前提なので当然ですが、単体で食べると濃く感じます
- 量が物足りない日がある。1袋だと足りず、結局2袋開けた日が3回ありました
- ご飯は別に炊く必要がある。ここを忘れるとパックご飯まで買うことになり、単価の計算が崩れます
- アソートは当たり外れが出る。私は麻婆系が続くと飽きて、最後の2袋が残りました
袋を開けるときにこぼしたこともあります。温めた直後の袋は熱くて滑るので、切り口から丼に移す途中でテーブルに垂らしました。それ以来、袋の底を持ってから切るようにしています。細かい話ですが、片手で息子を抱いたまま開けるのは無理でした。
塩分は気になるので、食べた日は意識して水を多めに飲むようにしています。ここは自分なりの折り合いのつけ方で、健康上の判断ではありません。持病があったり食事制限を受けている場合は、自己判断ではなく医師や管理栄養士に相談したほうが確実です。
置き場所を決めて、手前から食べる
最後に効いたのが置き場所でした。以前は吊り戸棚の奥に押し込んでいて、そもそも存在を忘れていた。14袋発掘した原因はほぼこれです。
今はコンロ横の引き出しに、立てて並べています。上から見て何が何袋あるか一目で分かる。新しく届いたぶんは必ず奥に入れて、手前から取る。同じ味が並ばないように、届いた時点で順番を混ぜておきます。買った月をマスキングテープに書いて袋に貼るところまでやると、期限が近いものが自然と手前に残るようになりました。
数えるのは月末の1回だけ。残りが4袋を切っていたら注文します。この「半分で発注」を決めてから、切らしたことも、余らせたこともありません。
ついでに気づいたのは、置き場所が近いほど発動しやすいということでした。奥にしまっていた頃は、疲れた日に「取り出すのが面倒」という理由で使われなかった。備えたつもりで備えられていなかったわけです。引き出しに移してからは、コンロの前に立って2秒で選べるようになりました。
手を抜く日の質は、事前にしか上げられない
常備品の目的は、いい食事をすることではなく、悪い日の底を上げることでした。何もない日の底は「食べない」か「コンビニまで歩く」で、そこから1段上げるだけなら、レトルトの丼で十分足りる。
大事なのは量です。月に何回発動するかを数えて、その回数の2ヶ月分だけ置く。単価に釣られて多く買うと、期限に追われて逆に食べたくない日に消化することになります。私はそれで一度、丼を2週間連続で食べました。あれはもうやりません。
この記事は食まわりの個別記事です。育児中の自分の食事をどう立て直したかは育児中の自分の食事|後回しにした結果どうなったかにまとめています。

