Wi-Fiルーター 選び方|Web会議が切れる原因

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週次のスプリントレビューで、私だけ2回落ちました。画面共有をした瞬間に音声が途切れて、戻ってきたときには話題が次に進んでいる。回線のせいだと思ってプロバイダの障害情報を見ても、何も出ていない。犯人はルーターでした。2018年に量販店で買った、5,000円くらいの11ac機。5年半使っていました。買い替えたら、その日から一度も落ちていません。原因が回線速度ではなかった、という話をします。

速度は出ているのに会議だけ切れる、という状態

最初に疑ったのは回線速度でした。スピードテストを回すと下り280Mbps、上り190Mbps。数字だけ見れば何の問題もありません。ビデオ会議に必要な帯域は、一般的に1080pのグループ通話でも上下3〜4Mbps程度とされています。280Mbpsもあれば桁が2つ違う。

それでも切れる。ここで見るべきは平均速度ではなくて、瞬間的な遅延とパケットロスのほうでした。ターミナルから会社のVPNゲートウェイに向けて ping を打ちっぱなしにして、会議中の様子を眺めてみたんです。平常時は12〜18ms。それが、10分に1回くらい、突然400ms超えのスパイクが出て、ときどき数パケット丸ごと消えている。この数秒が「音声が途切れる」の正体でした。

平均は正常、瞬間だけ崩れる。速度テストでは絶対に見つからないタイプの不調です。

同時接続台数を数えたら20台を超えていた

次にルーターの管理画面を開いて、接続中の端末一覧を出しました。数えたら21台ありました。自分でも驚いたんですが、内訳を並べると納得はいくんです。

私のMacBookとiPhone、検証用のAndroid実機が3台、iPad、妻のスマホとノートPC、テレビ、レコーダー、Nintendo Switch、スマートスピーカーが2台、ロボット掃除機、体重計、電球型のスマートライトが4個、ベビーモニター、エアコン2台。ひとつずつは小さくても、全部が常時つながっています。

ここで問題になるのが、ルーターのスペック表に書いてある「推奨接続台数」です。私が使っていた機種は12台でした。倍近く超えていたことになります。Wi-Fiは1つのチャンネルを全端末が順番に使う仕組みなので、台数が増えるほど順番待ちが発生する。しかも旧規格の11acは、端末ごとに1台ずつ処理する方式が基本です。スマート家電が数分おきに小さな通信を投げるだけで、順番待ちの列が伸びていく。

Wi-Fi 6(11ax)にはOFDMAという仕組みがあって、これは1回の送信枠を細かく分割して複数端末に同時に割り当てられます。ざっくり言えば、荷物の少ない端末をまとめて1便で運べるようになる。私の家のように「小さい通信をする端末が大量にある」環境と、相性が良い技術でした。

設置場所を変えるだけで、実は半分は改善した

買い替えの前にひとつ試したことがあります。ルーターの置き場所を変えました。

それまでは、テレビ台の下段、扉付きの棚の中に押し込んでいました。見た目がすっきりするので。これが最悪だったんです。金属製のレコーダーの真横で、扉は木の板。電波の観点では箱に閉じ込めているのと変わりません。

棚から出して、床から120cmくらいのカラーボックスの天板の上、周囲30cm以内に何も置かない状態にしました。それだけで、寝室のiPhoneで測った受信強度が-72dBmから-58dBmに改善。数字にすると14dBの差ですが、dBは対数なので体感はかなり変わります。会議の途切れも、頻度が半分くらいに減りました。

ここで学んだのは、ルーターを買い替える前に、まず置き場所を疑うべきということです。床置き、棚の中、水槽やレンジの近く。この3つは避ける。無料でできて、効果が一番大きい対策でした。

買ったのはTP-LinkのWi-Fi 6ルーター

置き場所の改善で半分は良くなったものの、残り半分は端末の台数が原因だったので、機器そのものを替えました。選んだのはTP-LinkのArcher AX23V。Wi-Fi 6対応で、5GHz帯1201Mbps+2.4GHz帯574MbpsのAX1800クラスです。

決め手は3つありました。ひとつは推奨接続台数が余裕をもって足りること。ふたつめはEasyMesh対応で、後から中継機を足して同じネットワーク名のまま拡張できること。みっつめが地味に大きくて、メーカー保証が3年ついていました。前のルーターが5年半で壊れたわけではないものの、24時間365日通電し続ける機器なので、保証の長さは安心材料になります。

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不満もあります。本体が想像より大きくて、アンテナを立てると高さが25cmくらいになる。棚の上に置くと存在感がかなりあります。あと管理アプリの初期設定で、細かい設定項目はブラウザの管理画面に行かないと触れないものが多く、アプリだけで完結はしませんでした。私は普段からルーターの管理画面を触るので平気でしたが、そうでない人には少し不親切かもしれません。

IPv6(IPoE)の設定を見落として2週間損した

これが今回いちばん間抜けな失敗でした。

新しいルーターに交換して、確かに会議は切れなくなった。でも夜の21時から23時くらいの時間帯だけ、明らかに遅い。GitHubのクローンが妙に時間がかかるし、ページの表示ももっさりする。数日悩んで管理画面を見直したら、接続方式が古いPPPoEのままでした。

契約しているプロバイダはIPoE(v6プラス)に対応していて、申し込みも済んでいたのに、ルーター側の設定を移行していなかったんです。PPPoEは網終端装置というポイントを全員が通るので、夜間の混雑時間帯に詰まりやすい。IPoEはそこを通りません。

設定を切り替えた直後、夜22時のスピードテストが下り94Mbpsから310Mbpsになりました。3倍以上です。2週間、気づかずに遅い回線を使っていたことになります。ルーターを買い替えるときは、本体のスペックより先に、自分の契約がIPoEに対応しているか、そのルーターがその方式に対応しているかを確認したほうがいい。速度への影響はこちらのほうが大きい場面が多いです。

3ヶ月使って、まだ残っている課題

交換から3ヶ月半、会議中の切断はゼロです。ping の400msスパイクも出なくなりました。ここは完全に解決した。

ただ、家全体がカバーできたわけではありません。うちは2LDKで、ルーターはリビング。寝室は壁2枚を挟んだ位置にあります。子どもが昼寝している横で静かに作業したいときがあるんですが、寝室での受信強度は改善後でも-65dBm前後。使えないことはないけれど、会議をやる気にはならない数字です。ここは別の手当てが必要で、それはまた別の話になります。

あと、これは買ってから気づいたことですが、ルーターを替えると家中のスマート家電を全部つなぎ直す必要があります。SSIDとパスワードを前と同じにすれば大半は自動で復帰するんですが、うちのロボット掃除機とベビーモニターは再設定が必要でした。休日の午前を1時間半使いました。この作業時間は見込んでおいたほうがいいです。

会議が切れる原因を回線速度だと思い込んでいた期間が、たぶん半年以上ありました。速度テストの数字が良いと、そこで思考が止まってしまう。実際に見るべきだったのは接続台数と設置場所と、契約している接続方式のほうでした。順番を間違えると、高い機械を買っても解決しません。

この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

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