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冬の部屋には、矛盾した問題が2つ同時に発生します。空気が乾く。そして洗濯物が乾かない。
去年の12月にこれに気づいたとき、少し笑ってしまいました。片方は水が足りなくて、もう片方は水が多すぎる。だったら、乾かない洗濯物を部屋の真ん中に置けば両方片付くんじゃないか。
実際にやってみたら、そこそこ効きました。ただし加湿器の代わりになるかというと、そこまでではない。この記事は、湿度計の数字を見ながら1シーズン部屋干しを続けた記録です。加湿器を買う前に、まずこれを試す価値はあると思っています。
湿度計を買ったところから話が始まった
そもそも、我が家には去年まで湿度計がありませんでした。乾燥している気がする、という感覚だけで加湿器の商品ページを見ていた。それで妻に「実際いま何%なの」と聞かれて、答えられなかったんですよね。
それでデジタルの温湿度計を1,500円ほどで買って、リビングと寝室に1台ずつ置きました。結果は想像より悪かった。12月の晴れた日、エアコンを22℃で運転している午後2時のリビングで、湿度計は38%を表示していました。日によっては35%を切ることもあります。一般的に、快適とされるのは40%から60%あたりだそうなので、下限を割っている。
ここで加湿器の型番を調べ始めるのが自然な流れですが、その前に洗濯物のことを思い出しました。うちは共働きで、洗濯は夜に回して朝までに乾かす運用です。冬になってから、朝になっても生乾きのことが増えていた。ベランダに出しても日が短くて乾かないし、雨の日はそもそも出せない。
だったら室内に干して、湿度計の数字がどう動くか見てみようと考えました。
2時間で8ポイント上がった。ただし条件付き
測り方は雑です。リビングの中央から1.5mほど離れた場所に洗濯物を干して、湿度計の数字を1時間おきにメモするだけ。エアコンは22℃でつけっぱなし、窓は閉めた状態です。
干した直後が38%。1時間後に43%。2時間後に46%。おおむね2時間で8ポイント前後上がる、というのが平均的な動きでした。そのあと3時間から4時間かけて50%前後まで行って、そこが頭打ち。洗濯物が乾いていくにつれて、じわじわ40%台前半まで戻っていきます。
洗濯物の量でも変わります。大人2人ぶんの普通の日と、子どもの服とタオルが大量に出た日では、上がり方が明らかに違いました。バスタオル3枚を追加で干した日は、2時間で52%まで行ったことがあります。逆に、下着とTシャツだけの少ない日は42%あたりで止まる。
数字だけ見ると悪くない。ただ、これを「加湿できている」と言い切っていいかというと、そうでもないんですよね。
物干しを買い替えたら、干せる量が変わった
部屋干しで湿度を稼ぐには、当たり前ですが干せる量と干し方が要ります。去年まで使っていたのは折りたたみのX字型のやつで、大人2人ぶんでいっぱいでした。子どもの服が加わって完全に容量が足りなくなったので、買い替えました。
選んだのはアイリスオーヤマの「組み立て簡単たっぷり物干し」H-MH1518Nのシルバーです。伸縮するタイプで、幅を広げると一度にかなりの枚数が掛かります。組み立ては15分もかからなかったと思います。
買ってよかったのは、伸ばしたときのバーの間隔に余裕があることです。部屋干しで一番効くのは風通しなので、隙間を空けて干せるかどうかが結果を左右します。以前の物干しは詰めて干すしかなくて、それが生乾き臭の原因のひとつでした。
短所もはっきりしています。まず場所を取る。伸ばした状態だとリビングの3分の1くらいを占領します。次に、たたむのが面倒。伸縮部分を戻して脚を畳んでという手順があって、1日2回これをやる気にはなれません。結果、我が家では冬のあいだ出しっぱなしです。そうすると当然、リビングの見た目が生活感の塊になる。来客の予定がある日は寝室に移動させるんですが、キャスターが付いていないので持ち上げて運ぶことになります。これが地味にストレスでした。買うときにキャスターの有無は見ておいたほうがいいです。楽天ならエカンズのコンパクト3連物干しCM-30が3,680円ほどで、置き場所を優先するならこういう縦に伸びるタイプのほうが合います。
加湿器の代わりにはならない、と思った理由
1シーズンやってみて、部屋干しには構造的な限界が3つありました。
1つ目は、湿度をコントロールできないこと。加湿器なら「50%を維持」と設定して放っておけますが、洗濯物は乾いたら加湿が止まります。しかも止まるタイミングは洗濯物の量と部屋の条件次第なので読めない。今日は50%まで行った、翌日は43%止まりだった、という日ごとのばらつきがそのまま残ります。
2つ目は、洗濯物がない日は何もできないこと。当たり前ですが、加湿のために洗濯するわけにはいきません。うちは子どもが生まれてからほぼ毎日回しているので実害は少ないですが、これに依存する設計だと穴が空きます。
3つ目は、夜間です。寝室の乾燥が一番つらいのは寝ている間なんですが、そこに洗濯物を持ち込むと今度は寝室が生乾きの匂いになります。実際にやってみて、これは無理でした。今は寝室だけ別の手を考えているところです。
それでも、加湿器を買う前に部屋干しを試す意味はあると思っています。うちの場合、リビングの日中に関してはこれで40%台後半をキープできていて、少なくとも「加湿器がないと詰む」状態ではなくなりました。加湿器の購入判断を1シーズン先送りできたのは、金額以上に助かっています。加湿と換気をどう両立させるかは別の話になるので、そこは分けて考えています。
生乾き臭とどう折り合いをつけたか
部屋干しの最大の敵はこれです。臭いが出た瞬間に、加湿がどうこうという話は全部吹き飛びます。
調べたり試したりして分かったのは、結局は乾くまでの時間を短くするのが一番効くということでした。菌が増える時間を与えなければ臭わない。逆に言うと、ゆっくり湿度を上げようとして干し方をケチると、そのまま臭いに直結します。
やっていることを4つに絞ると、こうなります。
- 洗濯物の間隔を最低でも握りこぶし1つぶん空ける。厚手のものは端に寄せる
- サーキュレーターを下から斜めに当てて、洗濯物の間を風が抜けるようにする
- 週に1回か2回、酸素系漂白剤を洗剤と一緒に入れる。タオル類はこれで匂い戻りがかなり減った
- 洗濯機が終わったらすぐ干す。放置した30分がそのまま臭いになる
サーキュレーターを使うと乾燥が早まって、そのぶん湿度の上がり方は穏やかになります。ここは完全にトレードオフでした。臭いを取るか、湿度を取るか。我が家は臭いを優先しています。乾いた洗濯物と乾いた空気なら、後者のほうがまだマシなので。
失敗も書いておくと、最初の頃に「湿度を稼ぎたいから」とサーキュレーターを止めて、洗濯物を詰めて干した週がありました。その週のバスタオルは全滅です。洗い直しても匂いが取れなくて、3枚を処分しました。1枚1,500円くらいのタオルだったので、加湿器の電気代を気にしていたのが馬鹿らしくなる損失でした。
子どもが生まれて、洗濯物の量が変わった
生後6ヶ月の子どもがいると、洗濯の回数が単純に増えます。うちは大人2人のときは2日に1回だったのが、今はほぼ毎日。日によっては2回です。
離乳食が始まってからは、スタイとガーゼの消費が跳ね上がりました。1日に5枚から6枚は出ます。吐き戻しのあった日は肌着も追加。夏場はベランダに出せば1時間で乾いたものが、冬は室内で半日かかる。
この「量が増えた」という変化が、実は部屋干し加湿にとっては追い風でした。乾かすべき水の量が増えたぶん、部屋に出ていく水蒸気も増える。子どもの服は小さいので、物干しの隙間に差し込める点も相性がいいです。
ただし、乾いていない子どもの服をそのまま着せることだけは避けたくて、そこは時間で管理しています。夜10時に干して、朝7時に触って湿っているものは着せない。予備を多めに持っておくほうが確実です。
結局のところ、部屋干しは加湿器の下位互換ではなく、別のものだと思っています。湿度を管理する道具ではないけれど、放っておくと35%まで落ちる部屋を45%くらいに引き上げる下駄にはなる。うちはこの下駄を履かせた上で、それでも足りない場所にだけ後から手を打つつもりです。
この記事は冬支度の個別記事です。何から揃えるかの優先順位は秋冬に買い足したもの|寒くなる前に揃えるで整理しています。

