遮音カーテン|外の音と、こちらの声

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遮音カーテンを買った理由は、外の音を消したかったからではありません。こちらの音を外に出したくなかったからです。子どもが夜中に泣く。私は日中に大きめの声で会議をする。うちは大通りから一本入ったマンションの3階で、道路との距離は10メートルもありません。窓を閉めていても、下を歩く人の話し声がはっきり聞こえる。ということは、逆も同じだろうと考えました。結論から書くと、期待の半分は満たされて、半分は無理でした。

「防音カーテン」という言葉を、私は誤解していた

買う前に想像していたのは、カーテンを閉めると外の音がすっと遠のく、みたいな状態です。実際に手元に来て閉めてみたときの感想は「あれ、思ったほど変わらないな」でした。トラックが通れば聞こえるし、下の階のベランダで誰かが電話していれば内容まで分かります。

調べ直して分かったのは、カーテンにできるのは主に音を吸うことであって、音を遮ることではないという点でした。音を遮るには、質量のある壁が要ります。窓ガラスとサッシの隙間から入ってくる音を、布で止められるわけがない。冷静に考えれば当然の話で、私は商品名の「防音」という二文字に引っ張られていました。

遮音・吸音・防音は、それぞれ別のことを指している

この3つが商品説明の中で混ざって使われているのが、話をややこしくしていると思います。私の理解では、遮音は音を跳ね返して向こう側に通さないこと、吸音は音のエネルギーを熱に変えて減らすこと、防音はその両方をひっくるめた目的の呼び名です。

カーテンは布なので、構造上は吸音側の道具です。厚手で、重くて、ひだが多いほど吸える量が増える。逆に、ぴったり平らに張った薄い布はほとんど何もしません。だからカーテンレールの幅ぎりぎりのサイズを選ぶと、性能を自分で削ることになります。

もうひとつ、音がどこから入ってくるかという視点も抜けていました。窓まわりで音が通る経路は、ガラスそのものを振動させて通ってくる分と、サッシの隙間やレールの上下から回り込んでくる分に分かれます。カーテンが手を出せるのは後者の一部だけです。ガラスを鳴らして入ってくる音は、内窓を入れるなど窓そのものを二重にしないと減りません。賃貸なので、そこは最初から選択肢の外でした。

つまり私が買おうとしていたのは、限られた経路の、限られた帯域だけに効く道具でした。それを理解してから注文し直せばよかったんですが、順番は逆でした。

サイズは幅も丈も、大きめを選んだ

うちの掃き出し窓はレール幅が175cmです。買ったのは幅100cm×丈178cmの2枚組。カーテンは1枚がレール幅の半分より少し広いものを2枚で使うのが普通で、この場合100cm×2枚で200cm分の布が175cmの幅に収まります。この余りがひだになるわけです。

丈は、床から1cm浮かせるのが一般的な採寸ですが、私はあえて床に少し触れる長さにしました。裾の隙間から音が回り込むのを減らしたかったからです。掃除機をかけるときに巻き込むので、そこは面倒です。

遮光は1級、遮光度99.99%という表記のものにしました。音のためだけなら遮光は関係ないんですが、子どもの朝寝の時間に部屋を暗くできるのは結果的にかなり効きました。

防音カーテン 遮音カーテン 日本製 完全遮光 五重構造 コーズ 既製サイズ 幅110cm 断熱 防音 遮音 窓 防音対策 騒音 5層 強力

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色は在庫の都合でグレーです。届いた箱を持った瞬間、2枚組で想像より重いと感じました。手で持って洗濯機まで運ぶと、ちょっとした筋トレになります。

失敗したのは、レールのほうを見ていなかったことです。うちの賃貸に最初から付いていたのは細いアルミの機能性レールで、厚手のカーテンを吊ると走りが重くなりました。開け閉めのたびにガリガリ音がして、ランナーを樹脂製の滑りのいいものに交換しています。500円ちょっとの部品ですが、これを知らずに「品質が悪い」と判断しかけました。カーテン側ではなくレール側の問題でした。

効いた音と、まったく効かなかった音

2ヶ月ほど使って、はっきり傾向が出ました。効くのは高い音です。前の道路を歩く人の話し声、自転車のブレーキ音、鳥の声。このあたりは、カーテンを開けているときと閉めているときで体感がかなり違います。特に人の声は、閉めると「誰かいるな」くらいまでぼやけます。

一方で、まったく変わらなかったのが低い音でした。トラックのエンジン音、工事の重機、上の階の足音。低音は波が長いので、布くらいの厚みでは相手にされません。夜中に救急車が通ると、閉めていても普通に目が覚めます。

数値で測ってはいないので体感の話になりますが、「うるさい」が「静か」になるのではなく、「うるさい」が「少しうるさい」になる。その程度の変化だと思っておいたほうが、買ってからの落差がないです。

面白かったのは、部屋の中の音の鳴り方も変わったことでした。厚い布が窓一面にあるぶん、部屋の中で声が反射しにくくなります。Web会議で「声がクリアになった」と言われたのは、外の音が減ったからではなく、この内側の効果のほうだったと思っています。目的にしていなかった部分で効いた、という意味では得をしました。

ひだの量でも差が出ます。カーテンを完全に平らに引き切った状態と、少しだけたるませた状態で同じ音を聞き比べたら、たるませたほうが柔らかく聞こえました。ぴんと張るのが正しいと思っていたので、これは意外でした。今は端を数センチ余らせて使っています。

こちらの音を外に出さない、という目的では役に立った

本来の目的だった、内側から外への話です。これは思っていたより手応えがありました。妻にベランダに出てもらって、私が室内で普段の会議くらいの声量で喋る、というのを試しました。カーテンを開けた状態だと内容まで聞き取れる。閉めると、声がしているのは分かるけれど単語までは拾えない、というところまで落ちました。

夜泣きのほうも同じで、泣き声そのものが消えるわけではありません。ただ、高い成分が減るので、外に漏れる音が「赤ちゃんが全力で泣いている」から「どこかで何か聞こえる」に変わります。夜中の2時に窓際で抱っこしながら、これで少しは近所への迷惑が減っていると思えるのは、精神的にけっこう大きかったです。

失敗もありました。最初、窓のすぐ前に加湿器を置いたまま使っていて、カーテンの裾が湿った状態が続きました。1週間ほどで裾に薄くカビのような跡が出て、慌てて洗濯しています。厚手のカーテンは乾きにくいので、洗濯するなら晴れた日の午前中に回して、レールに戻して吊り干しにするのが結局いちばん早かったです。

断熱のほうが、実は毎日効いている

買った目的とは別のところで、いちばん恩恵を感じているのが断熱です。冬、朝の室温が去年より1〜2℃高くなりました。エアコンの設定を1℃下げても同じ体感になるので、電気代にもわずかに効いているはずです。夏は日中の西日が入らないぶん、エアコンの立ち上がりが早い。

音のために買って、断熱と遮光で毎日助かっている。当初の期待とは順番が入れ替わりましたが、結果には満足しています。ただ、これから買う人が「これで隣の生活音が消える」と思って買うと、確実にがっかりします。窓から出入りする音のうち、高いほうの一部を減らす道具。そう捉えておくのが正確だと思います。

この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

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