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車内の掃除がしんどいなら、掃除を速くするより、汚れが染み込まない状態を先に作るほうが早い。うちが後部座席に防水のシートカバーを掛けたのは、その発想からです。子どもはまだ生後6ヶ月で、自分でお菓子を食べこぼす年齢ですらない。それなのに後席の座面は、この半年で何度も濡れています。落とすのは本人ではなく、抱っこしている側の親のほう。ミルク、離乳食のスプーン、麦茶。犯人はだいたい私でした。
掃除を速くするより、汚れない状態を作る
布のシートは、液体がこぼれた瞬間に勝負がつきます。表面を拭いても、繊維の奥とその下のウレタンに入った分は取れない。夏になると、その部分だけ酸っぱい匂いがしてきます。乾いてから掃除機をかけても手遅れです。
一方で、上に1枚かぶせてあれば、こぼれたものは生地の表面に留まります。うちは車内にウェットティッシュを常備していて、麦茶なら10秒で拭き取り完了。この差が大きい。掃除の道具を良くする方向には限界がありますが、汚れる面を交換可能にしておくと、手間の総量が下がります。
費用の面でも計算が合いました。ディーラーで聞いたところ、シートのシミ抜きを含む車内クリーニングは1席あたり数千円から、範囲によっては1万円を超えることもあるという話でした。カバーは3,000円前後で、汚れたら洗える。1回でも染み抜きを頼まずに済めば、それで元は取れます。
要するに、スマホにフィルムを貼るのと同じ考え方です。守りたい面の上に、犠牲にしていい面を1枚置く。
こぼすのは子どもではなく、抱っこしている親のほう
意外だったのは、汚れの原因が子ども本人ではなかったことです。生後6ヶ月だと自分で座って食べません。実際に何が起きているかというと、こうです。
チャイルドシートから降ろして、後席で妻が抱っこしたまま授乳や離乳食の続きをやる。その体勢で哺乳瓶を傾ければ数滴垂れるし、スプーンは膝の上を通る。吐き戻しもある。おむつ替えのときに、おしりふきの水分がシートに落ちることもありました。汚しているのは、子どもを抱えて不自由な姿勢になっている大人です。
だから守るべき範囲は、チャイルドシートの真下だけではなく、隣に座る大人の座面まででした。ここが分かってから、選ぶ商品が変わっています。あと1年もすれば、本人がボーロやパンの欠片をこぼす番になるはずで、そのときは面積がさらに要ります。
掛けたのは、後席用の撥水カバー
買ったのは、後部座席用の撥水・防水シートカバーです。子どもの食べこぼしや泥汚れ、ペットの毛にも対応をうたっているタイプ。座面と背もたれをまとめて覆う形で、うちは後席の左右2席ぶんを1枚でカバーしています。
楽天だと、かけるだけで装着できる防水カバーが2,880円前後で出ています。似た価格帯で選択肢は多いので、以下に書く「洗えるか」と「装着の手間」の2点で絞り込むのが早いと思います。
洗えるかどうかで、使い続けられるかが決まる
ここが最重要でした。というのも、最初に買ったカバーで失敗しているからです。
見た目で選んだ合皮のカバーを4,000円ほどで買いました。黒くて質感が良く、拭けば済むと思っていた。ところが麦茶をこぼしたあと、表面を何度拭いても縫い目の内側に入った分が残り、1週間経っても甘い匂いが消えませんでした。表示を見ると「水洗い不可」。丸ごと洗えないので、匂いの元を落とす手段がない。結局2ヶ月で外して、布系の洗えるものに買い直しています。
今のカバーは洗濯機の弱コースが可か、というところを買う前に確認しました。乾燥機は不可です。実際に2回洗って、部屋干しで乾くまでおよそ半日。夏場のベランダなら3時間ほどでした。ここで問題になるのが、乾かしている間、シートが裸になることです。うちは前のカバーを捨てずに取ってあって、洗濯中はそれを掛けています。2枚持ちを勧めるほどではありませんが、洗う日は車を使わない日に合わせたほうが楽です。
装着5分のタイプと、30分のタイプ
取り付け方式は大きく2種類あります。座面に上から掛けて端を挟み込むだけのタイプと、シート形状に合わせて袋状にかぶせるタイプ。前者は5分で終わります。後者は、うちで試したときに30分かかりました。
手間の差が出るのは細かい部分です。ヘッドレストを一度抜くかどうか。後席の背もたれが6対4で分割されている場合、その割れ目に合っているか。シートベルトのバックルを出す穴の位置が合うか。そしてチャイルドシートを使うなら、ISOFIXの金具を通す隙間が確保できるか。うちは最後の1点で一度戻って、背もたれ側の下端に切れ込みが入っている製品を選び直しました。
採寸も一度やっておくと安心です。うちの後席は座面の幅がおよそ125cm、奥行きが48cm。商品ページの適合表には「普通車・ミニバン対応」としか書かれていないことが多いので、数字で確認できるものを選びました。大きすぎるぶんには折り込めば済みますが、足りないと端から純正の生地が出て、そこだけ汚れます。
掛けるだけのタイプは楽ですが、そのぶんズレます。うちのケースだと、大人が2回乗り降りするとカバーの前端が5cmくらい前に出てくる。裏に滑り止めが付いているものを選び、座面の奥にゴムバンドを回して、ようやく実用になりました。
夏は蒸れる。そして、下に敷くものではない
不満も書いておきます。防水生地は当然ながら通気しません。8月に後席で30分ほど過ごした妻から、背中が汗ばむと言われました。表面がメッシュ、裏面が防水コーティングという二層構造のものはマシですが、綿のシートに比べれば蒸れます。冬は逆に、朝いちばんが少し冷たい。
もうひとつ、生地が滑ります。だからこれをチャイルドシートの下に敷くのは向いていません。チャイルドシートの真下には、滑り止め加工のある専用の保護マットを使うべきで、そこは役割が違います。うちは真下だけ専用マット、その周囲を防水カバー、という組み合わせにしました。
あとは見た目です。純正のシート地に比べると、どうしても後付け感が出る。うちは黒を選んで多少ましになりましたが、これは割り切りでした。
半年使って、増えたのは拭き跡だけ
半年使って、後席の座面には新しい染みが増えていません。増えたのは、カバーの上の拭き跡だけです。3,000円前後で、掃除の手間と匂いの心配をまとめて減らせたので、費用対効果は高いほうだと思っています。
ひとつだけ、外し忘れに注意しています。カバーを掛けたままだと、その下で何が起きているか見えません。うちは3ヶ月に1回めくって、純正のシート地が湿っていないか、匂いが出ていないかを確認しています。防水生地は水を通さないぶん、内側に入り込んだ水分も逃がしません。一度、こぼした麦茶がカバーの縫い目から回り込んで、下がうっすら湿っていたことがありました。
選ぶときに見たのは結局、洗えるか、金具の穴が合うか、滑り止めがあるか、の3点でした。素材の高級感や色は、後回しでいい。最初にそこで選んで失敗した人間が言うので、たぶん間違っていません。
この記事は車まわりの個別レビューです。子どもが生まれて足したもの全体は子どもが生まれて車に足したもの|1年で変わった車内にまとめています。

