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腰が重いと感じたとき、最初に頭に浮かぶのは椅子の買い替えだと思います。私もそうでした。ただ、ワークチェアは安くても5万円、上を見ると15万円を超えます。しかも試座できる店が近くにない。
そこで私は、椅子を替える前に数千円のものを順番に試しました。結論から書くと、当たりは1つだけで、あとは外れです。この記事は当たったものと、外れたものの中身を両方書きます。外れの記録のほうが、たぶん役に立つ気がしています。
「座面を1枚変える」がいちばん安い実験だった
私が最初に試したのが、椅子に敷くクッションです。理由は単純で、いま使っている椅子を捨てなくていいから。合わなければ引き出しにしまえば終わりです。
使っているのは楽天でよく上位に出てくるikstarのチェアクッションで、3,980円。Amazonなら理学療法士が推薦と書かれたBaiininのチェアパッドが同じくらいの価格帯にあります。どちらも低反発のウレタンで、後ろが高く前が低い、いわゆる傾斜のついた形です。
敷いて1週間で感じたのは、痛みがどうこうというより、座り直す回数が減ったことでした。それまでは無意識に30分おきに尻の位置をずらしていたんですが、その頻度が体感で半分くらいに。滑り止めが底面についているので、キャスター椅子でもずれません。
不満もあります。低反発なので、夏場は熱がこもります。7月の午後、2時間座っていると太ももの裏が汗で貼り付くような感覚になりました。あと座布団としては大きめで、幅45cm前後あるので、座面の小さい椅子だと端が余ります。
バランスボールを椅子代わりにして、3日でやめた
ここから外れの話です。最初に飛びついたのがバランスボールでした。65cmのものを2,600円で買って、椅子を部屋の隅にどけて、机の前に置きました。
1日目は面白かったです。体幹を使っている感じがあって、これはいいものを買ったと思いました。2日目の午後から、雲行きが変わります。集中してコードを書いていると、結局は前傾で固まる。ボールの上で背中を丸めているだけで、椅子のときとやっていることが同じでした。
それと、机の高さが合いません。座面の高さがボールの空気圧で変わるので、朝と夕方で肘の位置が違う。空気を入れ直すたびに数センチ上下するのは、地味に扱いづらかったです。
3日目でやめた決定打は、子どもです。ハイハイ前とはいえ寝返りで移動する時期で、直径65cmの球が床にある状態は普通に危ない。しかも空気を抜かないとしまえないので、置き場所がありません。いまは押し入れの上段で、空気の抜けた状態で眠っています。
腰用ベルトは、外した瞬間に元通りだった
次に試したのが、腰に巻くサポートベルトです。1,900円のものを在宅勤務用に買いました。
巻いている間は、確かに姿勢が保ちやすいです。前に倒れようとすると布が突っ張るので、そこで気づく。ただ、私の場合は外した瞬間に何も残りませんでした。1ヶ月ほど続けても、ベルトなしの日の座り方は変わらない。
それと、締めたまま長時間座ると腹部が圧迫されて、昼食後は普通に苦しい。ウエスト調整の面ファスナーが服の上から見えるので、オンライン会議でカメラを切っていても、席を立ったときに妻に「何それ」と言われました。強く締めれば締めるほど良いというものでもないようで、製品の説明にも締めすぎないよう書かれています。いまは長時間の車の運転のときだけ使っています。
円座クッションは、私の用途とは合っていなかった
もうひとつ買って失敗したのが、真ん中に穴の空いた円座タイプです。2,400円。腰痛対策の検索結果に混ざって出てきたので、なんとなく同じジャンルだと思って買いました。
これは完全に用途の読み違いでした。円座は尾てい骨まわりが座面に当たらないようにするための形で、私が困っていた「長時間座ると腰の奥が重くなる」とは別の話です。座ってみると、穴の縁に体重が集中して、かえって落ち着かない。
商品が悪いわけではなく、選び方を間違えただけです。腰痛対策グッズと一括りに検索すると、目的の違うものが同じ棚に並んでいる。ここは形状の意味を調べてから買うべきでした。
厚み5cmぶん、デスクが低くなるという副作用
クッションを敷いて気づいたのが、座面が上がると机との高さ関係が全部ずれることです。私のクッションは厚みが5cmで、へたっても3cmは残ります。
その結果、肘が机の天板より上に来る。キーボードを打つとき、手首を少し下げる形になります。1週間くらいで手首側に違和感が出て、これは机側で直しました。昇降デスクなので3cm下げるだけで済んだのは運が良かったです。高さ固定の机なら、椅子の高さを下げるか、クッションの厚みを2cm前後のものにする必要があります。
ここは事前にまったく想像していませんでした。座り心地だけ見て買うと、上半身の位置がまるごと変わることを見落とします。
カバーが洗えるかは、思っていた3倍重要だった
スペック表で見落としがちなのが、カバーの着脱です。私が使っているものはファスナーでカバーを外して洗濯機に入れられます。買うときは「まあ洗えたほうがいいか」くらいの気持ちでした。
実際は、これがないと詰んでいました。子どもを膝に乗せた状態で椅子に座ることがあり、離乳食を食べさせた直後だと高確率で何かが落ちます。ミルクを吐き戻したこともある。ウレタン本体は洗えないので、カバーが外れないタイプだったら1ヶ月で買い替えていたと思います。
洗濯は2週に1回のペースで、乾くまで半日ほど。予備のカバーが同梱されている製品もあるので、子どもがいる家ならそこを見る価値はあります。
ちなみに、ウレタン本体は洗えないと書かれていることがほとんどです。私は一度、汚れた部分だけ濡らした布で拭いて、乾ききる前に座って失敗しました。中に水分が残ると戻らないので、本体は濡らさないのが正解でした。
数千円の実験を先にやると、椅子の選び方が変わる
結局その後、私は椅子も買い替えました。ただ、クッションで3ヶ月試したあとだったので、選ぶ基準が具体的になっていた。座面の奥行きと、前が下がりすぎない傾斜。この2点を優先して選べたのは、先に数千円で試したからです。
順番も大事だったと思っています。最初に椅子を買っていたら、座面の傾斜が自分に合うかどうかを試す機会がないまま10万円を払っていた。安いもので試して、そこで得た「後ろが高いほうが落ち着く」という情報を持って本番の買い物に行けたのは、結果的に効率が良かったです。
いま合計するとクッション3,980円、ボール2,600円、ベルト1,900円、円座2,400円で、10,880円。外れが3つあるので褒められた買い方ではありませんが、椅子を1台間違えるより安く済んでいます。
ひとつだけ書いておくと、これは全部あくまで座り心地の話です。安静にしていても痛む、脚にしびれがある、数週間たっても引かないといった場合は、クッションを買い足す前に整形外科で診てもらったほうがいい。私は腰の重さが長引いた時期に一度受診して、その結果を踏まえたうえでグッズを試すようにしています。
この記事は個別の対処法です。座り仕事で出てくる不調の全体像は座り仕事の体|4年でガタが来た場所を並べるにまとめています。

