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家庭用精米機は、うちで唯一「買って後悔しかけた」家電です。玄米を買って自宅で精米すると米が別物になる、という話に完全に乗せられて1万5,000円台のものを買いました。最初の1ヶ月は感動して、2ヶ月目に頻度が落ちて、3ヶ月目にはほぼ使わなくなった。それでも手放していません。理由は、使い方を変えたら位置づけが変わったからです。失敗した経緯と、今の使い方を順番に書きます。
「精米したての米は違う」に釣られた
きっかけは、実家から玄米を30kgもらったことでした。父が知り合いの農家から毎年買っていて、余ったぶんを送ってくれる。玄米のまま炊いてみたら、正直あまり好きになれませんでした。硬いし、独特の香りがある。妻も同じ意見でした。
コイン精米所に持っていけばいいんですが、いちばん近い場所が車で12分。子どもがいると、その往復のために時間を作るのがそもそも難しい。抱っこ紐で30kgの米袋を運ぶわけにもいきません。
そこで家庭用精米機を調べました。出てくる情報はどれも似ていて、精米直後の米は酸化していないので味が違う、玄米のまま保存すれば鮮度が保てる、糠を残す度合いを自分で選べる、という内容。理屈としては筋が通っています。米は精米した瞬間から酸化が始まるので、必要なぶんだけ精米するほうが鮮度の面で有利、というのは一般的に言われている話です。
私は理屈に納得すると買ってしまうタイプなので、買いました。このとき「使う頻度」を一度も検討しなかったのが失敗でした。
買ったのは山本電気の匠味米
選んだのは山本電気のMB-RC52Wというモデルです。1回に1合から5合まで精米できて、白米に加えて無洗米モードや分づき精米にも対応しています。
本体は思ったより小さくて、幅18cm、奥行き27cm、高さ25cmくらい。重さは4kgちょっとあります。カウンターに置いても圧迫感はありません。
作りはしっかりしています。玄米を入れる内釜と、糠が溜まる糠受けボックスが分かれていて、精米後に糠だけを捨てられる構造。精米の度合いを5分づき、7分づき、白米、上白と選べます。3合を白米まで精米して、かかる時間は5分弱でした。
最初に炊いたときは、たしかに違いました。粒が立っていて、甘みが強い。妻も「これは分かる」と言っていたので、思い込みだけではなかったと思います。ここまでは完全に満足していました。
2ヶ月目から頻度が落ちた、3つの理由
崩れ始めたのは、生活のリズムに組み込もうとしたときです。
ひとつめは音です。これが想像を超えていました。精米は玄米同士を擦り合わせて糠を削る作業なので、原理的に大きな音が出ます。体感で、掃除機を強モードで動かしているのと同じくらい。しかも5分間続きます。うちは2LDKで寝室とリビングが壁一枚なので、子どもが寝ている時間帯には絶対に使えません。米を炊く準備をするのは、だいたい夕方から夜です。その時間帯が使えないというのは、致命的でした。
ふたつめは糠の処理。3合を精米すると、だいたい20〜30gの糠が出ます。細かい粉なので、糠受けボックスから捨てるときに舞います。生ゴミの袋に入れるんですが、袋の口を閉じる前にキッチンの床にうっすら広がる。毎回、精米のあとに床を拭くことになりました。米ぬかは漬物やぬか床に使えるという話も見ましたが、うちにはぬか床がありません。
みっつめは手間の総量です。玄米を計量カップで測って、内釜に入れて、モードを選んで、5分待って、白米を取り出して、糠を捨てて、内釜と糠受けを洗う。ここまでで10分弱。そのあと普通に米を研いで炊く工程が始まります。買ってきた白米なら、この10分がまるごとありません。
それでも手放していない理由
3ヶ月目にはほぼ使わなくなり、シンク下にしまいました。ここで売るという選択肢もあったんですが、しませんでした。
理由のひとつは、実家から玄米が届き続けるからです。年に2回、20〜30kgずつ。玄米は白米より保存性が高く、常温でも数ヶ月もつと言われています。精米済みの米だと、うちの消費量では夏場に品質が落ちるほうが早い。玄米で保管して、必要なぶんだけ精米するというのは、この状況では理にかなっています。
もうひとつは、使い方を変えたからです。今は週末にまとめて5合を精米して、それを1週間で使い切る運用にしました。頻度が週1回になれば、音の問題は「土曜の昼にやる」で解決します。糠の処理も週1回なら許容できる。
毎日やる前提で買ったから続かなかったのであって、週1回のバッチ処理と割り切ったら普通に回るようになりました。今は月に4回か5回、稼働しています。
実は本命は「分づき精米」だった
もうひとつ、後から気づいた価値があります。5分づきや7分づきという中間の精米ができることです。
玄米は栄養がある代わりに食べにくい。白米は食べやすい代わりに糠の部分が全部落ちる。その中間が分づき米です。7分づきにすると、見た目はほぼ白米で、炊き上がりも普通に食べられます。香りに少しだけ玄米っぽさが残る程度。
これはコイン精米所でも選べる機種はありますが、うちの近所の機械は白米と7分づきの2択でした。自宅の機械なら5分づきも上白も選べるし、その日の気分で変えられる。玄米を食べたいけど硬いのは無理、という状態にちょうど合っていました。
離乳食との関係でいうと、うちは子どものおかゆには白米まで精米したものを使っています。分づき米は糠の部分が残るので、消化のことを考えると初期の離乳食には向かないと判断しました。ここは分けて運用しています。
向いている人と、やめておいたほうがいい人
半年使った実感として、向いているのは3つの条件に当てはまる人だと思います。玄米が定期的に手に入る環境があること。週1回まとめて作業する時間が取れること。そして、精米中の5分間の騒音が許される住環境であること。
逆に、やめておいたほうがいいのは、スーパーで白米を買っている人です。わざわざ玄米を買うところから始めるとなると、玄米が売っている店を探す手間が加わります。うちの近所のスーパーは玄米を扱っていません。実家から届く環境がなければ、私も続かなかったと思います。
あと、集合住宅の壁が薄い家も厳しい。うちは鉄筋コンクリートで、隣室からの苦情はありませんが、木造アパートだったら昼間でも気を遣うレベルの音量です。
それと、精米機は消耗する部分がある機械です。玄米を撹拌する羽根や内釜は、使い続ければ摩耗します。うちはまだ半年なので交換した部品はありませんが、10年単位で使うつもりなら、部品が単品で買えるメーカーかどうかは見ておいたほうがいいと思います。私は購入後にメーカーサイトで補修部品の一覧を確認して、内釜と糠受けが単品で出ていることに安心しました。順番が逆ですが。
1万5,000円台の買い物として、成功か失敗かで言えば、いまは五分五分だと思っています。買った動機は間違っていて、使い方を変えたことでかろうじて元が取れそう、というのが正直なところです。
この記事は家電の個別レビューです。買い替えの優先順位は家族が増えて買い替えた家電|一人暮らし仕様からの卒業にまとめています。

