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今の部屋に引っ越すとき、寝室にエアコンがないことは知っていました。夫婦2人のときは、リビングのエアコンを効かせてドアを開けておけば足りていたからです。それが通用しなくなったのが、子どもが生まれた最初の夏でした。寝室の温度が朝方でも28℃を下回らない。壁を見たら、配管を通す穴がありません。賃貸なので壁に穴を開ける工事は簡単には頼めない。そこで選んだのが窓用エアコンでした。導入して分かったことを、良い点も悪い点も書きます。
寝室に配管穴がなかった
普通の壁掛けエアコンを設置するには、室内機と室外機をつなぐ配管を通す穴が壁に必要です。うちの寝室には、これがありませんでした。
管理会社に問い合わせたところ、穴を開けること自体は相談次第だが、退去時の原状回復の対象になる可能性があるという回答でした。それと、うちの寝室の外側はベランダではなく共用廊下に面していて、室外機を置く場所がない。壁掛け式は、この時点でほぼ不可能でした。
残る選択肢は3つ。ひとつは、リビングのエアコンの冷気をサーキュレーターで寝室に送り込む方法。これは実際に試しましたが、うちの間取りだと廊下を経由するので、寝室の温度は1℃くらいしか下がりませんでした。
ふたつめは、スポットクーラー。移動式の冷房で、排熱ダクトを窓から出すタイプです。工事は要りませんが、本体が大きく、排熱ダクトが熱を持つ。あと、除湿水を溜めるタンクの排水が毎日必要な機種が多い。
みっつめが窓用エアコンでした。窓のサッシに専用の枠を取り付けて、そこに本体をはめ込む形式です。室外機と室内機が一体になっているので、配管も排熱ダクトも要りません。
「工事不要」の意味を、正確に理解しておく
窓用エアコンは工事不要と書かれていますが、これは「業者を呼ばなくていい」という意味であって、「何もしなくていい」ではありません。
やることは、窓枠に取付枠を組んで、サッシに固定して、そこに本体を載せて、隙間を埋める作業です。うちは説明書を見ながら1人でやって、2時間かかりました。
そして、設置できる窓には条件があります。うちの機種の場合、窓の高さが77cmから140cmの範囲であること。窓の内側に、本体の奥行きぶんのスペースがあること。窓が引き違いのサッシであること。この3つを満たさないと付きません。
買う前に測ったのは、窓の高さ、幅、そしてサッシの奥行きです。うちの寝室の窓は高さ108cm、幅168cmの引き違い窓で、条件に収まっていました。ただし、窓の下に物を置いていたので、それをどける必要がありました。
あと、本体を載せる窓は「開けたままになる」ということも理解しておく必要があります。窓の半分がエアコンで埋まるので、その窓は開閉できなくなる。うちの寝室には窓がこれ1つしかないので、換気は隣室のドアを開けてやることになりました。
買ったのは冷房専用の4〜7畳向けモデル
選んだのは、コロナの窓用エアコンです。冷房専用で、50Hz地域なら4〜6畳、60Hz地域なら4.5〜7畳に対応するタイプ。ドレン水を本体内で処理するノンドレン方式なので、排水ホースを外に出す必要がありません。
冷房専用を選んだのは、寝室の暖房は別の方法で解決していたからです。冷暖房兼用のモデルもありますが、価格が上がるのと、本体が重くなる。冬の暖房は放射式のヒーターでまかなうと決めていたので、夏だけの機械と割り切りました。
ノンドレン方式は、思っていたより重要でした。窓用エアコンには、除湿で出た水をホースで外に排出するタイプがあります。うちの窓の外は共用廊下なので、そこに水を垂らすわけにいきません。ノンドレンなら、水を本体内で蒸発させて熱交換に使うので、排水の心配がない。ただし、湿度が非常に高い日は水が溜まって、まれに水滴が落ちることがあると説明書に書いてありました。
取り付けは1人でできたが、二度とやりたくない
実際の作業について書きます。
本体の重さは約20kgでした。段ボールから出して、床から窓枠の高さまで持ち上げて、取付枠にはめ込む。この持ち上げる動作が一番きつい。腰を痛める人がいるのが分かります。可能なら2人でやったほうがいいというのが正直な感想です。うちは妻が子どもを見ていたので1人でやりましたが、途中で一度、本体を膝に載せて休みました。
取付枠の組み立てには、プラスドライバーが要ります。付属していません。枠の高さを窓に合わせて調整して、サッシにネジで固定する。この固定が甘いと、運転中の振動で少しずつずれます。うちは2週間後に一度、緩んだネジを締め直しました。
作業時間の内訳は、枠の組み立てが40分、窓への取り付けが30分、本体のはめ込みが20分、隙間の処理とテスト運転で30分。トータル2時間です。真夏の昼にやったので、作業中の部屋が35℃近くありました。設置は涼しい日にやることを勧めます。
防犯と隙間の処理は、あとから効いてくる
窓用エアコンを付けると、その窓は半分開いた状態で固定されます。当然、防犯上の弱点になります。
付属していたのは、サッシに取り付ける簡易的なロック金具でした。これだけでは不安だったので、追加で補助錠を1つ買って、サッシの上部に取り付けました。1,000円くらいのものです。うちは2階なので過度に心配はしていませんが、1階なら対策は必須だと思います。
隙間の処理も重要です。取付枠と本体のあいだ、枠とサッシのあいだには、どうしても数ミリの隙間ができます。ここから虫が入ります。実際、設置した最初の週に小さい虫が寝室に何匹か入ってきました。
対策として、付属のパッキンに加えて、隙間テープを貼りました。ホームセンターで300円くらいのスポンジ状のテープです。これで虫はほぼ入らなくなりました。ついでに、冷気が逃げにくくなって効きも少し良くなった気がします。
運転音は、はっきり大きい
ここが最大の短所です。窓用エアコンは、コンプレッサーが室内側にあります。壁掛け式なら屋外にある部品が、部屋の中にある。だから、うるさい。
体感としては、壁掛けエアコンの運転音を3倍にしたくらいです。コンプレッサーが動き出すときに「ゴウン」と低い音がして、そのあと「ゴー」という運転音が続きます。運転音は50dB前後と言われることが多く、静かな寝室では確実に気になるレベル。
子どもがこの音で寝られるかどうかは、正直かなり心配しました。結果として、うちの子は問題なく寝ました。むしろ、連続した一定の音がホワイトノイズのように働いて、外の音でびっくりして起きることが減った気さえします。ただ、これは個体差だと思います。音に敏感な子だと厳しいかもしれません。
私と妻のほうは、慣れるまで1週間かかりました。今は気にならなくなっていますが、これは「静かになった」のではなく「慣れた」だけです。
冷房能力の限界と、原状回復の話
能力については、正直に書くと壁掛けエアコンには及びません。うちの寝室は6畳で、カタログ上の対応畳数の範囲内ですが、真夏の日中に室温を25℃まで下げるのは無理でした。外が35℃の日で、寝室が28℃前後まで下がるのが限界です。
ただ、うちの用途は夜の睡眠時なので、これで足りています。夜9時に運転を始めて、11時には26℃くらいまで落ちる。日中も使いたい部屋なら、能力が足りないと感じると思います。
電気代については、定格消費電力が500Wから600W程度の機種です。壁掛けのインバーター式に比べると効率は劣ります。夏の3ヶ月、夜間8時間の運転で、月に2,000円台後半といったところでした。
最後に賃貸の話。窓用エアコンの利点は、壁に穴を開けないので原状回復の問題が起きにくいことです。取付枠はサッシにネジ止めしますが、うちの場合はサッシの内側の見えない位置で、ネジ穴も小さい。管理会社には設置前に一報を入れて、問題ないという回答をもらいました。賃貸で設置するなら、事前に管理会社に確認しておくのが確実です。退去時に本体を外して、隙間テープを剥がせば元通りになる想定でいます。
この記事は家電の個別レビューです。買い替えの優先順位は家族が増えて買い替えた家電|一人暮らし仕様からの卒業にまとめています。

