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空気清浄機の本体を買ったとき、フィルターの値段を調べませんでした。2年後、交換用フィルターが8,000円すると知って固まった、というのが今回の話の出発点です。
本体3万円のつもりで買った機械が、10年でフィルター代を含めると6万円を超える。この構造は、プリンターのインクとよく似ています。買う前に気づけたはずのことなので、同じ買い方をしないための整理をしておきます。
交換周期は「最長10年」の文字を疑うところから
カタログに「集じんフィルター10年交換不要」と書いてあるモデルがあります。これは嘘ではありませんが、条件が付いています。たいていは、1日にタバコを何本吸う環境で、という試験条件が小さく注記されている。
実際の交換周期は、使う環境で大きく変わります。うちは在宅勤務で24時間つけっぱなし、ペットなし、喫煙なし、都心近郊の幹線道路から100メートル。この条件で、集じんフィルターは4年ほどで明らかに黒ずみました。10年はもたない。
脱臭フィルターはもっと短いです。においを吸着する活性炭は、飽和すると効かなくなる。においが取れなくなったと感じたら、それが交換のサインです。10年不要と書かれているのは集じん側だけで、他のフィルターは別サイクルという点を、私は買ったあとに理解しました。
加湿機能付きは、消耗品が3種類ある
これが一番の落とし穴でした。加湿空気清浄機は、集じん、脱臭、そして加湿フィルターの3つを持っています。
加湿フィルターは水に濡れ続けるので、カルキが析出して固くなります。うちは2シーズン目で、白い結晶がびっしり付きました。クエン酸に浸けると落ちますが、繊維がへたってくると吸水量が落ちる。メーカーの推奨は2年から3年での交換で、これが3,000円前後。
さらに、水を入れるタンクの内側とトレーには、ぬめりが出ます。ここは消耗品ではありませんが、月1回の洗浄が必要です。この手間を計算に入れていなかったので、最初の冬は掃除をサボって、変な匂いのする風を部屋に送っていました。子どもが生まれる前の話です。
加湿が要らない季節は、水を抜いてフィルターを乾かしておくのが基本だと説明書にあります。うちは春に一度、水を入れたまま2週間放置してカビを生やしました。あれは完全に自業自得です。
純正と互換品の差は、性能と保証の2つ
互換品は安いです。純正の半額以下のものが普通に売られていて、うちも一度試しました。
性能面で言うと、私が買った互換フィルターは、見た目も厚みも純正とほぼ同じでした。1年ほど使って、体感で違いは分かりません。ただ、これは「分からない」だけであって、集じん効率が同じという保証はどこにもない。HEPA相当と書かれていても、その相当が何に対しての相当なのかは、たいてい書かれていません。
もっと現実的な問題は保証です。純正以外の部品を使った状態で故障した場合、メーカー保証の対象外になることがあります。うちのメーカーの規約にも、指定以外の部品の使用による不具合は保証しない旨が書かれていました。本体の保証が残っているうちは、素直に純正を使うのが安全だと思います。
私がいま使っているのは、Levoitの空気清浄機用の交換フィルターで、2枚入りのタイプです。純正なのでサイズが合わないという事故がなく、工具なしで着脱できます。
不満を挙げるなら、2枚入りだと保管場所が要ることです。予備の1枚は箱のまま押し入れに入れていますが、袋が開いた状態だと使う前から埃を吸います。それと、開封済みのフィルターは湿気を吸うので、長期保管には向きません。1年以内に使う予定がないなら、1枚ずつ買ったほうがいい。
ダイキンやシャープのような国内メーカーだと、互換品の選択肢が多くあります。楽天で3,980円前後のダイキン互換品などがそうです。保証期間が切れた古い本体で、あと1、2年もたせたいという場面なら、こちらも合理的だと思います。
掃除で寿命は延びる、というのは本当だった
フィルター代を下げる一番確実な方法は、交換の間隔を延ばすことです。そのために効いたのが、プレフィルターの掃除でした。
プレフィルターは、本体の背面にある網です。ここで大きなホコリを止めて、奥のHEPAフィルターに届かせないための部品。うちは2週間に1回、掃除機のノズルで吸っています。所要時間は1分。
これをやるようになってから、奥のフィルターの黒ずみ方が明らかに遅くなりました。以前は半年で灰色になっていたのが、いまは1年経っても白さが残っています。フィルターが8,000円なら、1分の掃除の時給はかなり高い。
ただし、HEPAフィルター本体は洗ってはいけません。水洗いすると繊維の隙間が変形して、集じん性能が落ちるとされています。私は一度、掃除機で強く吸いすぎて表面を毛羽立たせたことがあり、それ以来ノズルは軽く当てるだけにしています。
交換時期は、においと風量と点灯サインで判断する
いつ替えるべきかは、使用時間の目安が本体に表示されるモデルが多いです。うちのも、一定時間でランプが点きます。ただ、このランプはタイマーに近い仕組みで、実際の汚れ具合を見ているわけではありません。
私が実際に見ているのは3つです。まず、同じ風量設定なのに吹き出し口から出る風が弱くなったと感じるかどうか。次に、料理のにおいが以前より長く残るかどうか。それから、背面のフィルターを引き出して、色が明らかに変わっているかどうか。
この3つのうち2つが当てはまったら替える、というルールにしています。ランプだけを信じて替えると、まだ使えるものを捨てることになる。逆に、色だけ見ていると脱臭側の劣化を見逃します。
本体を選ぶときに、10年の総額を出しておく
いま本体を買い直すとしたら、必ずやることがあります。候補のモデルについて、交換フィルターの型番と実売価格を調べて、10年ぶんの金額を足すこと。
やってみると順位が変わります。本体が2万円で年間のフィルター代が4,000円のモデルと、本体が4万円で5年に1回3,000円のモデルなら、10年で前者が6万円、後者が4万6千円。安いほうを買ったつもりが逆転する。
子どもがいる家だと、もうひとつ計算に入れるものがあります。稼働時間です。以前は外出中は止めていましたが、いまは24時間つけっぱなし。単純に、フィルターの消耗が倍のペースで進みます。子どもが生まれてから運転時間が増える家では、カタログの目安年数はそのまま当てはまりません。
それと、生産終了したモデルのフィルターが何年供給されるかも確認しておいたほうがいいです。うちは1台目で、古い型のフィルターが在庫限りになっていて焦った経験があります。結局、本体ごと買い替えました。
空気清浄機は、買ったあと10年つき合う機械です。値札に書いてある数字は、そのうちの半分くらいしか意味していません。
この記事は家電の個別レビューです。買い替えの優先順位は家族が増えて買い替えた家電|一人暮らし仕様からの卒業にまとめています。

