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朝起きた瞬間がいちばん首が痛い、という状態が半年ほど続いていました。夜、寝る前は何ともない。むしろ日中デスクに向かっている時間のほうが平気で、目覚めた直後だけ首の後ろが張っている。順番がおかしいんですよね。仕事のせいなら夕方につらいはずなのに、寝て起きたら悪化している。
それで疑ったのが枕でした。結論から書くと、私の場合は高さの調整ができるものに変えてから、朝の張りを感じる日が減りました。ただ「枕を替えれば首が楽になる」という単純な話ではなくて、選び方には構造の理屈があります。
仰向けと横向きで、必要な高さが違う
枕選びでいちばん最初に知っておきたかったのが、これです。仰向けと横向きでは、首の下にできる隙間の大きさが違います。
仰向けのときに埋めたいのは、後頭部からうなじにかけての小さなカーブです。数センチ程度。ところが横向きになった瞬間、埋めるべき隙間は「肩幅の半分ほど」に跳ね上がります。肩が下に潰れる分を差し引いても、仰向けより明らかに高さが要る。私の肩幅で測ると、横向きのときの床から首までの距離は10cmを超えていました。
つまり、仰向けで気持ちいい高さの枕は、横向きになると低すぎるということになります。逆に横向きに合わせると、仰向けのとき顎が引けて喉が詰まる。ひとつの高さで両方に最適化するのは、そもそも構造的に無理があるわけです。
この事実に気づくまで、私は「自分に合う一発の高さ」を探していました。探し方の前提が間違っていた。今は、中央が低くて両サイドが高い、いわゆる真ん中がくぼんだ形状のものを使っています。仰向けのときは中央、寝返りを打って横向きになったらサイドに頭が移動する。形で解決するタイプ。
タオルを畳んで足していた3年間
失敗談を先に書いておきます。社会人1年目に通販で5,000円くらいの枕を買いました。低反発で、高さは固定。届いた初日から「低い気がする」と思ったのに、返品が面倒で使い続けました。
そのうち、フェイスタオルを二つ折りにして下に敷くようになります。最初は1枚。しばらくすると2枚に増えました。朝起きるとタオルがずれて枕の外に出ている、というのを毎朝直していた。3年くらいその運用をしていたことになります。
タオル足しの何がまずいかというと、高さが安定しないことです。畳み方の誤差で5mmは変わるし、寝返りで確実にずれる。夜中に3回横を向いたら、3回とも条件が違う。自分に合う高さを探すどころか、毎晩ちがう枕で寝ているような状態でした。
もうひとつ、素材でも失敗しています。その低反発枕は夏に暑かった。体温がこもって、頭の裏が汗ばむ。7月から9月は、明け方に枕の位置をずらして冷たい面を探す、というのが習慣になっていました。低反発ウレタンは密度が高い分、通気が犠牲になりやすいとされています。冬は逆にありがたいんですけど、日本の夏だと4ヶ月くらいは不利な期間です。
高さ調整ができる、の中身は2種類ある
買い替えるときに調べて分かったのは、「高さ調整可能」と書いてある商品でも、やり方が2系統に分かれるということでした。
ひとつは、枕本体の下に薄いシートを差し込む段階式。4段階調整、と書かれているタイプがこれです。付属のウレタンシートを0枚、1枚、2枚と入れ替えて、だいたい2cm刻みくらいで変える。手間が少なくて、寝てみて合わなければ翌朝に1枚抜くだけ。ざっくり合わせたい人向けです。
もうひとつは、上部のファスナーを開けて中材のパイプやビーズを出し入れするタイプ。こちらは1cm刻み、細かいものだとさらに細かく調整できます。部位ごとに区切られていて、首の下だけ足す、といったことができるものもある。そのぶん作業が面倒で、深夜に「もう少し低くしたい」と思っても、中材をこぼしそうで結局やらない。私はこれで2回ほど床にパイプをばらまきました。
価格帯もはっきり分かれます。段階式の低反発枕なら、幅64cm×奥行40cmくらいの標準サイズで数千円台から見つかります。中材出し入れ式で1cm刻み、返品保証が20日ついているようなものになると、19,800円くらい。この価格差は、調整の細かさと保証の分だと理解しています。
私が使っているもの
いま使っているのは、4段階の高さ調整ができる低反発枕です。幅64cm×奥行40cm、中央がくぼんだ形状で、横向き用に両端が高くなっているタイプ。
選んだ理由は、幅が64cmあること。寝返りで頭が枕から落ちない、という一点がいちばん大きかったです。前の枕は幅50cmくらいで、朝起きると頭が半分外に出ていました。
不満もあります。まず届いたときの匂い。圧縮された状態で来るので、開封して2日ほどはウレタン特有の匂いがしました。寝室の窓を開けて風を通して、3日目にはほぼ気にならなくなりましたが、その日に使いたい人は覚悟しておいたほうがいい。
それと、低反発は温度で硬さが変わります。冬の寝室が15℃くらいのとき、寝はじめは硬い。体温で温まると沈む。つまり就寝直後と3時間後で高さが少し違うわけで、そこは構造上どうしようもない部分です。
洗えるかどうかは、子どもがいるなら先に見る
枕のスペックで、私が今いちばん重視しているのが洗濯の可否です。理由は単純で、生後6ヶ月の子どもが枕によだれをつけるから。
朝、子どもが先に起きて私の枕の上をハイハイしている、という場面が週に何度もあります。夜間の授乳のあと、私の枕に頭を乗せたまま寝落ちすることもある。カバーを洗えば済む日もありますが、中まで染みる日もあるんですよね。
ここで問題になるのが、低反発ウレタンは基本的に丸洗いできないという点です。水を含むと復元しないものが多く、洗濯不可と書かれています。私の枕もそう。だからカバーを2枚買い足して、週2回まわしています。本体は陰干しのみ。
洗える枕がほしいなら、中材がパイプやポリエステル綿のものを選ぶことになります。パイプは洗濯機で丸洗いできるものが多く、乾きも速い。かわりに、頭を動かすとジャリッと音がする。この音が気になる人は本当に無理らしいです。私は妻に一度パイプ枕を勧めて、「音で目が覚める」と2日で却下されました。
枕を買う前に、確認しておきたかったこと
ここまで書いておいて逆のことを言うんですが、朝の首の痛みが枕だけの問題とは限りません。
私の場合、寝具を替えたのと同じ時期に、デスクのモニター位置も上げています。どちらが効いたのかは正直わからない。両方やってから朝の張りが軽くなったので、枕の手柄だと言い切ることはできません。生活の変数が多すぎるんですよね。
そして、これは書いておきたいんですが、首の痛みやしびれ、腕まで響くような症状が続く場合は、寝具を買い足す前に整形外科で診てもらったほうがいいです。私も一度、指先に違和感が出た時期があって受診しました。結果は問題なしでしたが、そのとき「枕を変えても改善しないなら、また来てください」と言われたのが妙に安心材料になった。原因が骨や神経の側にあるなら、19,800円の枕を買っても筋違いです。
枕は、合う高さが見つかれば数千円で日々の条件が安定する道具、くらいの位置づけで考えています。劇的に何かが変わるものではない。ただ、毎日6時間以上その上に頭を乗せるので、条件が安定していること自体には価値があると思っています。
次に買い替えるときは、返品期間つきのものにするつもりです。枕は店頭で3分寝ても分からない。2週間使ってみて初めて合う合わないが出るタイプの買い物なので、そこにお金を払う価値はありそうだと、今は思っています。
この記事は個別の対処法です。座り仕事で出てくる不調の全体像は座り仕事の体|4年でガタが来た場所を並べるにまとめています。

