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床にものを置くのをやめられませんでした。読みかけの技術書、保育園の入園案内、健診の問診票、使うか分からない予備の電池。全部、机の下の床に積んでいたんです。理由ははっきりしていて、机の上に置き場所がないからでした。子どもがずりばいを始めて、床の山が現実的な危険になったところで、ようやく重い腰を上げた。結論から言うと、収納を増やすより「床に置けなくする」ほうが効きました。
床に積むのは、置き場所がないからではなかった
最初の見立てを間違えています。私は「収納が足りないから床に積まれる」と考えて、まず幅60cmのカラーボックスを買いました。3980円。結果、カラーボックスが埋まり、床の山も残りました。増えたのは収納量ではなく、家具ひとつ分の場所です。
観察して分かったのは、床に置かれるものには共通点があるということでした。今日は使わないけれど、まだ捨てられないもの。判断を保留したものが床に降りていたんです。カラーボックスは棚板が3枚あって、そこに置くには「どの段か」を決める必要がある。その判断すら面倒だから、床に置く。判断コストがゼロの場所として床が選ばれていました。
だからやることは、収納を増やすことではなくて、判断せずに放り込める場所を、床以外に作ることでした。しかも椅子に座ったまま手が届く距離に。立ち上がる必要があると、また床に戻ります。
この「立ち上がると戻る」という感覚は、自分でも半信半疑でした。ただ1週間、床に何かを置いた瞬間を意識して数えてみたら、20回のうち18回が座ったままの動作でした。手を伸ばした先に受け皿がないから、いちばん近い平面である床に落としている。距離の問題だったんです。
デスクの下に引き出しを後付けした
選んだのはFLEXISPOTの後付け引き出しS01です。天板の裏側に固定して、机の下から手前に引き出すタイプ。鍵が付いていて、内寸で言うとA4の書類が寝かせて入ります。私が使っている机は幅120cmで、脚のあいだが空いていたので、中央よりやや左寄りに付けました。
取り付けは30分ほど。私はクランプで挟むタイプを選びました。天板に穴を開けるネジ固定式もあるんですが、賃貸で家具を売る可能性を考えると、穴は開けたくなかったので。ここは製品によって固定方式が分かれるので、購入前に確認したほうがいいです。
天板の厚みには上限があります。私の机の天板は25mmで、これは問題なく挟めました。ただ、無垢材の厚い天板や、裏に補強フレームが走っている机だと、クランプの口が届かなかったり、フレームが邪魔で真っ直ぐ付かなかったりします。私は取り付け位置を2回やり直しました。最初に決めた場所が、ちょうど机の補強バーの真上だったんです。開けようとしたら引き出しがバーに当たって、5cmしか出ませんでした。
入れるものを決めたら、床が空いた
引き出しの容積はそれほど大きくありません。深さで言えば5cm前後で、書類なら20〜30枚、あとはペンとメモ帳くらいでいっぱいになります。最初これを見て「足りないな」と思ったんですが、実際には足りないことが良かった。
入れるものを3種類に絞りました。今週処理する紙、印鑑と朱肉、子どもの保険証と医療証のコピー。それ以外は入れない。入らないので必然的に、机の周りで滞留していた「保留の紙」を毎週処理せざるを得なくなりました。金曜の夕方に引き出しを空にする、という運用に落ち着いています。
床のほうは、単純にものを置く動機がなくなって、2週間ほどで完全に空きました。子どもが机の下に入ってきても、電源タップに触れる以外のリスクはなくなっています。
ひとつ想定外だったのが、鍵の使い道です。防犯のつもりで鍵付きを選んだんですが、実際に施錠しているのは在宅とは関係のない理由でした。子どもがつかまり立ちを始めて、引き出しの取っ手に手が届くようになったんです。中にはハサミとカッターが入っています。日中は施錠して、作業中だけ開ける。そういう使い方に落ち着きました。
ちなみに、鍵をかけたまま鍵をどこに置いたか分からなくなる、というのを2回やっています。今は机の裏にマグネットで貼り付けています。防犯性能はゼロですが、私が困らないことのほうが優先度が高い。
掃除のしやすさが、思っていたより効いた
予想していなかった効果が掃除です。床に何もないと、ロボット掃除機が机の下を通れます。以前は週末に自分でどかしてから掃除機をかけていたので、その工程が丸ごと消えました。所要時間で言えば毎週10分くらいですが、やらなくていいことが増えるのは体感で大きい。
それと、机の下にキャスター付きワゴンを置く選択肢も検討して、やめた理由がここにあります。ワゴンは床に接地するので、結局その下と裏に埃が溜まる。動かすのも重い。天板から吊る方式は床との接触がゼロなので、掃除の観点では圧倒的に楽でした。収納量ではワゴンに負けますが、私は掃除のしやすさを取りました。
不満と、買う前に確認したほうがいいこと
不満は3つあります。
- 膝が当たる。天板から引き出しの底までで4cmほど下がるので、深く座ると太ももが引き出しの底に触れます。座高や椅子の高さによっては、想像以上に窮屈に感じるはず
- 鍵は気休め。引き出し自体は薄い金属なので、本気で開けようとすれば構造ごと外せます。子どもがハサミを取り出さないようにする程度の用途と考えたほうがいい
- 引き出したときに手前に飛び出す量が大きい。私の机は壁付けで、椅子を引かないと全開にできません
それから、これは私の失敗ですが、取り付け位置を先にマスキングテープで机の裏に貼って、実際に座って膝の位置を確認するべきでした。最初に付けた位置は、椅子から立ち上がるときに毎回膝の内側が当たっていて、3日目に付け直しています。クランプ式なので付け直せましたが、ネジ固定式だったら穴が残っていました。
ものを減らす前に、置き場所の設計を変える
収納の話になると「まず捨てよう」という結論になりがちですが、私の場合は捨てる前に、置き場所の物理的な条件を変えるほうが先でした。床という無限の置き場が使えるあいだは、いくら捨ててもまた積まれます。実際、カラーボックスを買ったあとに一度「断捨離」をやって、45Lの袋2つ分を処分しています。1ヶ月後には元の高さに戻っていました。減らしても、置ける場所が残っていれば供給のほうが速いんですよね。
逆に、椅子に座ったまま手が届いて、容量が小さくて、判断せず放り込める場所をひとつ作ると、そこが溢れた時点で強制的に処理が発生する。容量が小さいことが仕組みとして機能したのは、正直やってみるまで分かりませんでした。4000円ちょっとの部品ですが、机の下から床の山が消えた効果は、それ以上だったと思っています。先に買ったカラーボックスは、今は子どものおむつのストック入れとして玄関で働いています。無駄にはならなかったので、そこは良しとしました。
この記事は在宅環境の個別レビューです。どこから手を付けるべきかはデスク以外の在宅環境|見落としがちな投資先で整理しています。

