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洗面所の排水が詰まって、水が引かなくなったことがあります。子どもが生まれる前の話ですが、あのときの面倒くささは今も覚えています。管理会社に連絡して、業者の日程を調整して、平日の昼に立ち会って、作業は15分。これが排水口を放置した代償でした。
それ以来、詰まってから対処するのをやめて、詰まる前に流す運用にしています。月1回、5分。この5分で、あの一日を買い戻していると思っています。
詰まってからだと、自分では直せない
詰まったとき、最初はホームセンターで買ったラバーカップと、市販の洗浄剤で何とかしようとしました。半日粘って、改善はゼロ。
あとで業者の人に聞いたのですが、排水管の詰まりは、S字トラップの先で固まっているケースが多いそうです。表面から流し込む洗浄剤は、そこまで届く前に薄まる。うちの場合は洗面台の下の配管を外して、たまった髪の毛の塊を物理的に取り出す作業でした。
金額は出張費込みで1万円ちょっと。賃貸なので管理会社経由で手配してもらいましたが、原因が入居者の使い方なら自己負担になります。1万円と半日を失って、月5分の予防作業に負けたわけです。エンジニアとして、この費用対効果の悪さは受け入れがたかった。
詰まりの原因は、場所によって違う
家の中の排水口を並べると、うちには4箇所あります。キッチン、浴室、洗面所、洗濯機の排水。詰まる原因はそれぞれ違います。
キッチンは油です。フライパンを洗ったときに流れる油が、冷えて配管の内側に付着する。そこに食材のカスが引っかかって層になっていく。うちは炒め物の頻度が高いので、ここが一番のリスクです。
浴室と洗面所は髪の毛。妻が髪を伸ばしていることもあって、量はそれなりです。髪の毛自体は溶けにくいので、絡まって塊になると水を通さなくなります。
洗濯機の排水は、糸くずと洗剤カス。ここは一番忘れられがちで、うちも入居してから2年ほど一度も見ていませんでした。防水パンの下の排水口を開けたら、ヘドロ状のものが溜まっていて反省しています。
原因が違うということは、対処のタイミングも違うということです。うちはキッチンを月1、浴室と洗面所を月1、洗濯機の排水を3ヶ月に1回のペースにしています。
予防的に流す洗浄剤を、月1で使う
使っているのは、パイプユニッシュのPROタイプ。400gのボトルが2本セットのものです。粘度の高い液体で、水に流されずに配管の壁に留まるように作られています。
手順は単純で、排水口に規定量を注いで、15分から30分置いて、大量の水で流すだけ。うちは寝る前に流して、朝に水を流す運用にしていた時期がありますが、これは説明書の推奨から外れています。放置時間は必ず取扱説明書に従ってください。長く置けば効くというものではなく、製品によっては配管への影響もあります。
効果としては、予防に使う限りではっきり分かります。使い始めてから2年、詰まりは一度も起きていません。ただし、これは「詰まる前だから効いている」のであって、完全に詰まってからでは私の経験上ほぼ無力です。
注意点を書きます。まず、必ず混ぜるな危険の表示を守ること。塩素系の製品なので、酸性の洗剤と一緒に使うと有害なガスが発生します。うちは排水口の掃除をする日に、クエン酸系の洗剤を使わないというルールにしました。同じ日に別の場所で使うのも避けています。
換気も必須です。うちは浴室の換気扇を回し、洗面所の扉を開けて、子どもは絶対にリビングにいる状態でやります。臭いはかなり強いので、乳児のいる部屋の近くではやらないほうがいい。
保管場所も重要で、子どもの手が届かない高さの棚に置いています。ボトルにはチャイルドロック的な構造がありますが、過信はしていません。
不満としては、ボトルが硬めで最後まで出し切りにくいことと、粘度が高いぶん注ぐときに垂れやすいことです。うちは注ぎ口のまわりを毎回ペーパーで拭いています。あと、単純に臭いがきつい。無臭のものがあれば乗り換えたいくらいです。
洗浄剤より先にやるべきこと
洗浄剤の話をしましたが、実際に効果が大きいのは物理的にゴミを取ることです。
浴室のヘアキャッチャーは毎日、洗面所は3日に1回、髪の毛を取っています。10秒の作業です。ここを飛ばして洗浄剤だけに頼るのは、部屋を散らかしながら掃除機をかけるようなもので、順番が違います。
キッチンは、油をそのまま流さないことに尽きます。うちはフライパンの油を、古紙かキッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにしました。ラーメンの残り汁も流さない。この2つを守るだけで、シンク下の配管の状態がだいぶ変わります。
それと、排水口のゴミ受けを目の細かいものに替えました。標準でついていたステンレスのカゴは目が粗くて、細かい食材が抜けていきます。網目の細かいネットをかけると、抜ける量が明らかに減りました。ネット代は月に100円もかからない。
重曹とクエン酸は、どこまで効いたか
自然派の方法として、重曹とクエン酸を使う手もあります。うちも一時期やっていました。
結論から言うと、臭いには効くけれど、詰まりの予防にはあまり効きませんでした。重曹とクエン酸を混ぜると二酸化炭素の泡が出て、その泡が汚れを浮かせるという理屈ですが、うちの実感では表面のぬめりが取れる程度です。配管の奥の油の層には届かない。
あと、これも酸とアルカリの反応なので、塩素系の洗浄剤と併用してはいけません。順番に使う場合も、間に大量の水を流して完全に洗い流すべきです。ここは本当に気をつけてください。
今は、月1回の塩素系洗浄剤に加えて、週1回だけ排水口のカゴとまわりを重曹で擦る、という使い分けにしています。役割を分けると、どちらも無理なく使えます。
賃貸だと、勝手にやらないほうがいい範囲がある
自分でやれる範囲についても、線を引いています。
洗面台の下のS字トラップは、手で回して外せる構造のものが多い。うちも一度、業者の作業を見て覚えて自分で開けたことがあります。ただ、締め直しが甘いと水漏れするので、正直あまりおすすめしません。うちは締めが甘くて、翌日に棚の中が濡れていました。
それと、ワイヤー式の道具を配管に突っ込むのも避けています。古い配管だと傷をつける可能性があり、賃貸で配管を傷めると修繕費の話になる。自分でやるのは、上から流すところまでと決めました。
詰まりの兆候が出たとき、たとえば流れが明らかに遅い、ゴボゴボ音がする、排水口から臭いが上がってくるといった状態になったら、粘らずに管理会社に連絡します。悪化させてから呼ぶほうが高くつく、というのが1万円払って学んだことです。
月5分を、カレンダーに入れた
最後に、続けるための工夫です。うちはスマホのカレンダーに毎月1日の21時で繰り返し予定を入れています。通知が来たら5分やる。それだけ。
排水口の掃除は、床や風呂と違って汚れが目に見えません。見えないものは忘れます。だから、思い出すきっかけを外部化するしかない。うちは「見えない場所の掃除は全部カレンダー」というルールにしていて、換気扇や洗濯槽も同じ扱いです。
詰まってからの対応は、業者の日程が空くまで数日待つことになります。その間、洗面所が使えない状態で乳児のいる生活を回すのは、想像するだけでしんどい。月5分の保険としては、かなり割のいい部類だと思っています。
この記事は家事の個別記事です。掃除と洗濯の時間を削る考え方は掃除と洗濯の時間を削る|道具より仕組みで整理しています。

