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半年で3回しか使わなかった掃除道具があります。ハンディタイプの掃除機で、性能に不満はありませんでした。使わなかった理由は、寝室のクローゼットの上段にしまっていたからです。
掃除道具の使用頻度は、性能ではなく取り出しやすさで決まる。この当たり前のことに気づくまで、うちは道具を買い足しては使わない、を繰り返していました。
しまい込んだ道具は、存在しないのと同じ
入居したとき、掃除道具は全部まとめて洗面所の収納に押し込んでいました。見た目はすっきりします。生活感がない。理想的な状態に見えました。
実際に何が起きたかというと、掃除の頻度が落ちました。リビングで汚れを見つけて、洗面所まで行って、扉を開けて、奥から道具を引っ張り出す。往復で30秒以上かかります。この30秒が心理的な壁になって、8割は「後でやる」になった。
もっと悪いのは、他の道具に埋もれていると存在自体を忘れることです。うちの場合、買ったことすら忘れていたブラシが1年後に出てきました。500円くらいのものですが、無駄遣いには変わりない。
収納は道具をきれいに片付けるためのものだと思っていたのですが、掃除道具に関しては違いました。目的は「次に使うときに、迷わず手が届くこと」です。
動線の上に置くと、使用回数が変わる
そこでやったのが、家の中で自分がよく通る線を書き出すことでした。在宅勤務なので、平日の私の移動はだいたい決まっています。
デスクからキッチンへの往復。リビングと洗面所の往復。玄関からリビング。この3本の線の上に、掃除道具を配置し直しました。
具体的には、フローリングワイパーをキッチンとリビングの境の壁に立てかけ、粘着クリーナーをソファの脇、クロス類をキッチンの引き出しの一番手前に。全部、歩いている途中で手が届く位置です。
結果として、掃除の回数は明らかに増えました。というより、「掃除をする」という意識すらなく、通りすがりに数十秒だけ手を動かすようになった。まとまった掃除時間を確保しようとしていた頃より、床はきれいです。
掃除機まわりの道具を、1箇所に集めた
問題になったのは、スティック掃除機とその付属品です。本体は充電台に立てるとして、隙間ノズルやブラシヘッドの置き場所がなかった。
以前は付属品を洗面所の引き出しに入れていて、掃除機は充電台。使うときに2箇所を回る必要があって、結局ほとんどの掃除で標準ヘッドしか使っていませんでした。せっかく付属品があるのに、宝の持ち腐れです。
今使っているのが、山崎実業のタワーシリーズのスティッククリーナー&ツールオーガナイザーです。W20.1×D25.1×H28.7cmで、掃除機を立てかけながら、付属品を同じ台にまとめられる構造。
使ってみて良かったのは、掃除機を戻す動作と付属品を戻す動作が1箇所で完結することです。片付けの工程が減ると、出すときのハードルも下がる。隙間ノズルの使用頻度が、月1回から週1回になりました。
あと、スチール製で自重があるので、掃除機を立てかけてもぐらつきません。うちのスティック掃除機は本体重量が1.5kgほどですが、傾けて立てても倒れませんでした。
短所を書きます。まず、価格に対して構造はかなりシンプルです。金属のフレームに仕切りがあるだけ。機能で値段を判断する人には割高に見えると思います。私は見た目とサイズ感に払ったつもりでいます。
それと、機種を選びます。うちの掃除機はぴったり収まりましたが、ヘッドの形状や本体の太さによっては合わないという話も見かけます。私は幅だけ測って高さを測り忘れ、届いてから慌てて確認しました。買う前に、自分の掃除機の3辺を測ってください。
もうひとつ、床置きなのでその面積を占有します。うちのリビングは12畳ほどですが、壁際の20cm四方が固定で埋まる。狭い部屋だと、壁掛けタイプのほうが向いているかもしれません。
見た目と実用の折り合いをどこでつけるか
掃除道具を出しておくと、当然ながら生活感が出ます。ここは妻と何度か話しました。
うちの結論は、「素材と色を揃えれば、出しておいても許容できる」でした。白かグレー。プラスチックの安っぽい光沢があるものは避ける。この2つの条件を満たす道具だけを、見える場所に置いています。
逆に、条件を満たさないものは隠します。うちだとバケツと、緑色のスポンジと、洗剤のボトル類。これらは洗面所の収納の中です。全部を出すのでも、全部をしまうのでもなく、使用頻度と見た目で振り分けるという整理でした。
基準として使っているのは、週1回以上使うかどうか。週1回以上なら出す、それ以下ならしまう。この線引きにしてから、揉めなくなりました。感覚で議論すると平行線になるので、数字にするのが早い。
ちなみに、フローリングワイパーだけはこの基準を超えて例外扱いです。柄が長くて隠しようがないので、諦めて壁に立てかけています。妻からは「まあ、毎日使ってるしね」で通りました。
子どもの手が届く高さを、常に確認する
もうひとつの制約が、子どもの安全です。生後6ヶ月でずりばいを始め、そろそろつかまり立ちが視野に入ってきました。
床から60cmくらいまでは、いずれ手が届く範囲になります。この高さに置いていいのは、口に入れても致命的でないもの。うちの場合、フローリングワイパーの柄と、粘着クリーナーのケースくらいです。
洗剤類は全部、床から120cm以上の棚に移しました。カビ取り剤、パイプ洗浄剤、油汚れ用の洗剤。これらは中身が危険なだけでなく、ボトルが倒れて足に落ちるリスクもあります。棚の高い位置に置くときは、奥に押し込んで手前に落ちてこないようにしています。
あと、意外な盲点がスタンド類です。うちのオーガナイザーは高さ28.7cmで、つかまり立ちの支えにするには低すぎて不安定。引っ張ったら倒れます。今は壁際に寄せていますが、歩き始めたら固定を考える必要がありそうです。
収納は、動線に合わせて何度でも動かす
半年で分かったのは、掃除道具の配置に正解はなく、家族の状態に合わせて動かし続けるものだということです。
うちは子どもが生まれてから、道具の置き場所を全部で5回変えました。新生児期はリビングに寝かせていたので道具を遠ざけ、ずりばいが始まったら高さを見直し、離乳食が始まったらダイニングの近くに拭くものを増やした。
今の配置も、たぶん半年後には合わなくなります。それでいいと思っています。収納を完成させようとするより、動かしやすい状態を保つほうが実用的でした。うちが選んでいる道具は、どれも床置きか引っ掛けるだけで、壁に穴を開けていません。賃貸だからという理由もありますが、いつでも動かせることの価値のほうが大きい。
掃除道具を買い足す前に、今持っている道具がどこにあるか思い出せるか。それを確認するだけで、買い物がひとつ減ることもあります。
この記事は家事の個別記事です。掃除と洗濯の時間を削る考え方は掃除と洗濯の時間を削る|道具より仕組みで整理しています。

