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掃除が続かない理由を、長いこと自分の性格のせいだと思っていました。面倒くさがりだから、やる気が出ないから。でも半年やってみて、原因は性格ではなく設計にあったと考えるようになりました。
やる気に依存する仕組みは、やる気がない日に止まります。当たり前です。だから、やる気の量に関係なく回る形を作るしかない。うちがたどり着いた運用を書きます。
1日15分という上限を先に決めた
最初にやったのは、目標ではなく上限を決めることでした。掃除にかけていいのは1日15分まで。それ以上はやらない。
逆じゃないかと言われそうですが、うちの場合はこれが効きました。以前は「時間があるときにまとめてやる」方式で、休日に2時間かけて家中をやっていた。そして平日は何もしない。結果、金曜には床が汚い。
上限を決めると、1回でやれる量が自動的に絞られます。15分でできることしか計画に入らないので、計画が現実的になる。しかも、上限があると「今日は終わりでいい」と自分に言える。これが意外と大きくて、掃除を始めるときの心理的な重さが減りました。
実際の内訳は、朝にフローリングワイパーで3分、食後に粘着クリーナーで1分、風呂に入る前に浴室で3分、皿を洗ったあとにシンクを1分。合計8分くらいです。上限まで使い切らない日のほうが多い。
曜日で「場所」を決めた
毎日やる分とは別に、週1のメニューを曜日に紐付けました。
月曜がトイレ、水曜が洗面所、金曜がまたトイレ、土曜が掃除機とベランダ、日曜が浴室の週1メニュー。火曜と木曜は何もありません。この空白を作るのが地味に重要で、全部の曜日を埋めると、1日崩れたときに立て直せなくなります。
曜日で決める利点は、判断が要らないことです。水曜の朝に「今日は何をやるんだっけ」と考える必要がない。何をやるか決める時間と、やる気を出す工程が両方消える。実際にやる作業時間は変わらないのに、体感の負担は半分以下になりました。
失敗もあります。最初は「第1週は換気扇、第3週は窓」のような月単位の予定も曜日表に混ぜていました。これは全く機能しなかった。週の中の繰り返しは覚えられても、月単位は覚えられません。今は月1以下のものは全部カレンダーの通知に投げています。
夫婦での分け方は、時間ではなく対象で
共働きなので家事は分担していますが、分け方には試行錯誤がありました。
最初は週替わりの当番制。これは3週間で崩壊しました。理由は、今週どっちの番か分からなくなるからです。確認のやりとりが発生して、そのやりとり自体が面倒になる。
次に試したのが時間での分担で、「1日15分ずつやる」という決め方。これも駄目でした。相手が何分やったか見えないので、不公平感だけが残ります。家事の分担で一番まずいのは、相手の働きが見えないことだと思います。
今は対象で固定しています。浴室と床とトイレの中は私、キッチンと洗面所と洗濯物は妻。窓と換気扇は年数回なので、その都度どちらかが手を挙げる。役割が固定されていると、相手の担当を気にしなくていい。自分の場所だけ見ればいいので、単純に楽です。
ただし、固定するときに条件をひとつ付けました。やり方には口を出さないこと。私は浴室を柄付きのスポンジで1分半で済ませますが、妻はもっと丁寧にやりたいタイプです。担当が私なら私のやり方でいい、という合意を最初にしました。ここを曖昧にすると、分担そのものが揉め事の種になります。
拭くものを数で揃えたら、迷いが消えた
仕組みを回すうえで、地味に効いたのが布類の統一でした。
以前は、古いタオル、雑巾、キッチンクロス、メガネ拭きが混在していて、どれをどこに使うか毎回考えていました。しかも、汚れた布をどこに置くかも決まっていない。洗面所に濡れた雑巾が放置されている、という状態が常態化していました。
今は、マイクロファイバークロスに統一しています。Amazonベーシックの24枚入りで、1枚が40×30cm。同じものが24枚あるという状態が、想像以上に運用を楽にしました。
使い方はシンプルで、使ったら洗濯かごに放り込む。次に使うときはストックから1枚取る。同じものが大量にあると、洗って乾くまで待つ必要がないんです。1枚を大事に使い回そうとすると、必ず「まだ乾いてない」問題が起きます。
枚数の内訳は、キッチンに常時3枚、洗面所に2枚、浴室に1枚、窓と結露用に2枚、掃除の予備が数枚。残りは洗濯待ちか乾燥中です。週に1回、まとめて洗濯機で洗っています。
短所も書きます。まず、生地は厚くありません。1枚で床の水こぼしを全部拭こうとすると足りない。厚手のものが好きな人には物足りないと思います。うちは薄いぶん乾きが早いので、その点は気に入っています。
それと、色分けの問題があります。うちが買ったのはマルチカラーで、色でエリアを分けようとしたのですが、洗濯すると混ざって管理できませんでした。今は色を気にせず使っています。トイレ用だけは別の色を1枚だけ買い足して、絶対に混ぜないようにしました。
あと、マイクロファイバーは柔軟剤を使うと吸水性が落ちます。うちは一度普通の洗濯物と一緒に洗って、水を弾くようになったクロスを何枚か作りました。今は単独で、柔軟剤なしで洗っています。
完璧を目指すと、必ず止まる
この半年で一番効いた考え方の変更は、100点を目指すのをやめたことでした。
以前は、浴室を掃除するなら壁も天井も鏡も全部やるべきだと思っていました。中途半端にやるくらいなら、時間があるときにちゃんとやろう、と。その「時間があるとき」は永遠に来ませんでした。
今は60点で止めています。浴槽と床だけ洗って、壁は見なかったことにする日がある。それでも、やらないよりは確実にきれい。0点と60点の差は、60点と100点の差よりずっと大きいというのが実感です。
子どもが熱を出した週は、全部止まりました。1週間、洗濯以外は何もしていません。以前ならここで運用ごと崩れて、元に戻すのに1ヶ月かかっていた。今は曜日の枠が決まっているので、翌週の月曜からそのまま再開できます。仕組みの価値は、うまくいっているときより崩れたあとに出るんだと思います。
記録は取るが、見せ合わない
エンジニアの癖で、最初は掃除の記録をアプリで管理しようとしました。チェックリストを作って、完了したらチェックする。共有もできる。
これは1ヶ月でやめました。理由は、チェックが埋まらない日に罪悪感が発生するからです。しかも共有していると、相手のチェックが埋まっていないことに気づいてしまう。管理ツールが監視ツールになる瞬間があって、これは家庭に持ち込むべきではなかった。
今は記録を取っていません。曜日の表を冷蔵庫に貼っているだけです。紙で、チェック欄はなし。何をやるかだけ書いてあって、やったかどうかは記録しない。
結果としては、こちらのほうが続いています。掃除は成果を測る仕事ではなく、生活の一部なので、測ろうとすると疲れる。仕組み化と管理は別物だ、というのが今の理解です。
半年やってみて残ったこと
上限15分、曜日で場所を固定、対象で分担、道具は動線上に置く、60点で止める。この5つだけが残りました。
導入して捨てたものもたくさんあります。当番制、時間での分担、チェックリスト、月単位の予定表、毎日の水切りワイパー。どれも理屈としては正しいのに、うちでは続きませんでした。
結局、続く仕組みかどうかは、やってみるまで分かりません。うちの5つがそのまま他の家で機能するとも思っていない。ただ、やる気を前提にした計画は必ず止まるという一点だけは、どの家でも共通なんじゃないかと思っています。止まる前提で、止まっても戻れる形を作るほうが早い。
この記事は家事の個別記事です。掃除と洗濯の時間を削る考え方は掃除と洗濯の時間を削る|道具より仕組みで整理しています。

