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押し入れの奥から、賞味期限が2年前のレトルトカレーが出てきました。引っ越しのときに詰めたまま、一度も手前に出てこなかったものです。うちの寝室には1間、幅175cmほどの押し入れがあります。奥行きは約80cm。この80cmという数字が問題の全部でした。奥に置いたものは、物理的には存在しているのに、生活からは消える。子どもが生まれてベビー用品が増えたことで、この押し入れをまともに使えるようにする必要が出てきました。この記事は、奥行きをどう扱ったかの話です。
奥行80cmは、人間が扱える寸法ではない
押し入れの奥行きは、もともと布団を畳んで入れる前提で決まっています。一般的に75〜85cm程度。布団なら奥行いっぱいを使えるので合理的です。ところが布団以外のものを入れると、途端に破綻します。
理由は単純で、腕が届かないからです。押し入れの前に立って、上段の奥に手を伸ばす。中腰になって、体を突っ込んで、ようやく指先が奥の壁に触れる。この姿勢を毎回やる気にはなりません。だから手前に置く。手前が埋まると、その手前に積む。結果、奥のものは二度と出てこない。
うちの押し入れも完全にそうなっていました。妊娠中に一度全部出して数えたら、奥から出てきたもののうち、この1年で一度でも使ったものはゼロでした。奥行の後ろ半分が、家賃を払っている死蔵スペースになっていたということです。都内近郊で2LDKの家賃を面積で割ると、押し入れの奥側だけで月に2,000円分くらいは占めている計算になりました。
引き出せば、奥行はそのまま使える
解決策自体はありふれています。引き出し式にすること。奥まで手を伸ばすのではなく、奥のものを手前まで持ってくる。それだけで80cmが全部使えるようになります。
ただ、選ぶときに1点だけ間違えました。最初に買ったのは、幅39cm・奥行74cmの一般的な衣装ケースを3つです。これ自体は悪くないんですが、うちの押し入れの上段は高さ90cmほどあって、高さ22cmのケースを3段積んでも66cmにしかならない。上に24cmの空間が余りました。そこに結局、袋物を積んでしまい、引き出しが開けにくくなるという本末転倒が起きています。
次に買ったのが、キャスター付きで奥行70cm、幅74cm、高さ62.5cmの大型の押入れ収納ケースです。組立式で、中身が見えるクリアタイプ。奥行が70cmあるので、押し入れの奥行をほぼ使い切れます。
使ってみて良かったのはキャスターです。押し入れの床は板張りで、重いケースを引き出すと擦れる音がして、床にも跡が残ります。賃貸なので跡は残したくない。キャスター付きだと転がって出てくるので、力もいらないし床も傷めません。妻が片手で子どもを抱いたまま引き出せる程度の軽さでした。
不満もあります。組立式なので、届いたときは板とパーツの状態です。1台に25分ほどかかりました。3台買ったので1時間半。それと、中身が見えるクリアタイプは実用性は高いんですが、押し入れの襖を開けたときの見た目はよくありません。生活感がそのまま出ます。うちは襖を閉めているので気にしていませんが、オープンなクローゼットに使うなら中身が透けないタイプのほうがいいと思います。あと、高さ62.5cmという寸法は押し入れの上段にちょうど収まる代わりに、下段に入れると上の空間が余ります。使う段を先に決めてから選ぶべきでした。
使用頻度で前後を分ける、という当たり前の話
引き出し式にしても、ケースの中では同じ問題が起きます。ケースの奥に入れたものは、やっぱり出てきません。
うちがやっているのは、ひとつのケースの中を前後で分けることです。手前3分の1に、月1回以上使うもの。奥3分の2に、季節で入れ替わるもの。仕切りは100円ショップのブックエンドを寝かせて入れているだけです。専用の仕切り板も売っていますが、寸法が合わないと隙間から物が移動するので、私は現物合わせで済ませました。
この分類で厄介なのがベビー用品です。使用頻度が月齢で変わるので、3ヶ月ごとに前後が入れ替わります。生後2ヶ月のときに手前にあった新生児サイズの肌着は、いま奥です。逆に奥にしまってあった離乳食の食器が、いま手前にある。だからベビー用品のケースだけは、季節ではなく月齢で入れ替えるという運用にしました。
季節ものの入れ替えは、年2回では回らなかった
衣類の入れ替えは春と秋の年2回、というのが一般的だと思います。うちも大人の服はそれでやっています。
子どもの服はそうはいきませんでした。サイズが変わるからです。生後6ヶ月の時点で、50-60サイズは全部退場し、70サイズが主力になり、80サイズが待機している。つまり季節と成長の2軸で入れ替えが発生する。実際には2ヶ月に1回くらい押し入れを開けています。
ここで効いてくるのが、やはりキャスターです。年2回なら多少面倒でも我慢できますが、2ヶ月に1回だと億劫さが積み重なる。引き出すのに力がいらないというだけで、実際に開ける回数が増えました。数えていたわけではないですが、体感で言うと以前の3倍くらいは押し入れを開けています。
クローゼットは押し入れとは別の問題があった
仕事部屋の4.5畳には、幅120cmのクローゼットがあります。こちらは奥行が約60cmで、押し入れよりは浅い。代わりにハンガーパイプが上にあるので、下の空間の高さが限られます。
ここには高さの低いケースを入れました。丈の短い子ども服はハンガーにかけると下が大きく余るので、その余白にケースを差し込む形です。ただし失敗があって、パイプにかけた大人のコートの裾がケースの上に乗ってしまい、開けるたびに服をどける必要が出ました。ハンガーにかける服の丈を測ってから、ケースの高さを決めるべきだったと思います。
湿気とラベルの、地味な話
押し入れは意外と湿気ます。うちは北側の寝室にあって、冬場に襖を閉め切っていると、奥の壁が少しひんやりします。梅雨時に一度、下段の奥に置いていた紙袋にカビらしき点が出ました。
やったのは2つだけです。ひとつは、ケースを壁から3cmほど離して置くこと。ぴったり付けると空気が動きません。もうひとつは、週に1回、朝の30分だけ襖を全開にすること。除湿剤も置いていますが、正直どれくらい効いているかは分かりません。少なくとも壁から離してからは、同じ場所にカビは出ていないです。クリアケースは中が見える代わりに、結露のような曇りが出れば気づけるという利点もありました。
ラベルについても書いておきます。中身が見えるケースなら要らないと思っていたんですが、3台並べると結局どれがどれか分からなくなりました。特に子ども服は、70サイズと80サイズが積んであると外からは区別がつきません。いまはマスキングテープに油性ペンで書いて、ケースの前面に貼っています。マスキングテープにしたのは、中身が変わるたびに書き替えるからです。2ヶ月に1回貼り替えるので、きれいに剥がせることのほうが大事でした。ラベルシールを使っていた最初の1ヶ月は、剥がした跡が残って上から重ね貼りになり、見た目がひどいことになっていました。
1年やって残っている課題
いまだに解決していないのが、押し入れの下段の奥です。上段はケースで埋まりましたが、下段は高さがあるぶん大きいものを入れがちで、扇風機とスーツケースとベビーバスが押し込んであります。ここは正直、まだ元の状態と大差ありません。
ひとつ分かったのは、収納用品を買う前に一度全部出して床に並べる作業を飛ばすと、必ず余計なものを買うということです。私は最初にケースを3つ買ってから中身を考えたので、寸法が合わずに1つ余りました。順番が逆でした。
この記事は部屋づくりの個別記事です。子どもができて何を変えたかは子どもができて変えた部屋|1年でこうなったで振り返っています。

